40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

国際誌に論文がアクセプトされた

プライベートではこの2週間の間に3年超家族で生活したメルボルンから東京への引っ越し(とそれに伴う各種のトラブル)、パンデミックを経た3年ぶりの社会人生活(マスクや通勤、日本企業の働き方色々)、長男の中学校入学式と次男の小学校編入など、ブログ10記事分くらいのネタがたまっているが、このブログは博士課程留学をテーマとしているので、引っ越しとは全く関係ないことを帰国第1本目の記事とする。

 

博士課程関連でこの2週間に2つの良いことがあった。

 

1つ目はタイトルにもあるように、ようやく国際ジャーナルへの投稿論文1本目がアクセプトされた。メールを見返してみると、その知らせを受け取ったのは3月30日の夜。帰国後3日目、引っ越し後2日目。とにかく新しい家に移動して、段ボールを開ける暇もなく、子供の小学校と中学校に挨拶と手続きに行った日のようだ(すでに記憶があいまい)。疲れた体で1時間以上歩き回ってへとへと。この日はまだ携帯電話が使えていないはずなので、夫の携帯の電波を使って一瞬テザリングさせてもらった時に知ったのだと思う。

 

共著者でもある指導教官2人に知らせないと、と思ってその場でメールを転送したことを覚えている。帰国してから初めてのメールでもあった。その時の2人からの返信。

Congrats 名前 - well done and so painless!

Hope you, and your family, are settling back into work and Tokyo life.

私は経験が無くてよく分からないが、今回の論文のアクセプトまでの道のりはSo painlessだった模様。これは正指導教官からのメール。

 

I was thrilled to learn of this speedy acceptance of your work - excellent work - sincerely well done. It must have been quite exhausting but hopefully the cherry blossoms are a much needed pick me up (if you get a chance can you send a good photo through... ;-)). 

副指導教官からも speedy acceptanceとあるので、やっぱり全体的にスムーズだったのだろうと想像。アクセプトされたらしいです、メールに帰国連絡と桜のことを書いたので、返事で写真を送ってね、と言われていたが、バタバタして送れていない。そうだ、帰国後のバタバタとストレスの中、ちょうど満開の桜に随分癒されたんだった。

 

帰国した時に満開の桜が迎えてくれた。家の周りには桜が多くて歩いているだけで癒された

メルボルンにいるうちにこの知らせをもらっていれば、PhD仲間がお祝いしてくれたんだろうなあ、と少し寂しく思ったことを覚えている。現時点では、出版社側でプロセスがどんどん進んでいて、今朝Proofが終わったところ。おそらく間もなく出版されるであろう。仕事が始まってからは、早朝4時半頃~6時が博士課程関連のメールチェックと作業時間(家を7時に出るので)。博論の修正が始まったらもう少し時間を捻出しないといけない。家の片づけやテレワーク体制が整えばましになるはず。

 

今回の論文は、トップジャーナルに1度リジェクトされており、2番目のジャーナルに掲載された。繰り返し書いているが、トップジャーナルよりも格下だが、IFだけで見ると直近3年間はトップジャーナルよりも高い(8~9)。トップジャーナルが理論的貢献を最重要視しているのに対して、こちらのジャーナルはPractical contributionも重視していることを謳っている。ざっと執筆者の名前を見ると、アングロサクソンやヨーロッパ系が少な目(理論的貢献を重視するトップジャーナルは、エディターが西洋的レンズで判断するので、それ以外のパラダイムに依拠する論文はアプローチが理解されずに落とされやすい可能性もあるのでは)。そして何よりもプロセスがトップジャーナルの何倍も速い。今回、博士課程在籍中に1本でも国際誌にアクセプトされてほっとしているが、トップジャーナルからリジェクトを食らわず、Major revisionでやり取りしていたら、もっと時間がかかっていただろう。そのジャーナルに掲載された論文を見ていると、最近は提出から2年程かかるのが当たり前のようなので…。

 

いずれこの理論的なトップジャーナルにもチャレンジしてみたい気もあるが、ひとまず自分の論文に合った場所が見つかって良かったと思っている。

 

簡単に振り返ってみると、トップジャーナル(ジャーナル①)への投稿から約10か月、今回アクセプトされたジャーナル(ジャーナル②)への投稿から3ヶ月半経っていることが分かった。

 

2022年6月:ジャーナル①に投稿

fourty.hatenablog.com

 

2022年10月:ジャーナル①からリジェクト

fourty.hatenablog.com

 

2022年12月:ジャーナル②に投稿(ジャーナル①のレビュアーとエディターからのフィードバックを反映したもの)

fourty.hatenablog.com

 

2023年1月:ジャーナル②から返事(Major revisionという名のminor revision)

fourty.hatenablog.com

 

2023年2月:ジャーナル②に再提出

2023年3月:ジャーナル②からアクセプト

2023年4月:ジャーナル②に掲載(予想)

 

やっぱりこれって迅速な方なのかな。アカデミアの時間の流れはよくわからないけど。

 

そしてもう一つの知らせは、日本の学会誌が発行されたこと。これは確か今週の話。論文自体は2月にアクセプトされていた。

fourty.hatenablog.com

 

4月から東京で会社員をやっているけど、私はまだメルボルンにある大学の博士課程の学生でもあるので、このブログのタイトルは博士課程が終わるまで変えないでおく。博論の成り行きを含む博士課程関連の記事も日本から継続的にアップしていく予定。また海外⇔日本を家族で移動することの経験談や感じたことを含め、日常雑記も時間があるときに少しずつ書いていこうと思っている。