40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

帰国して1年

家族で3年2か月住んだメルボルンから帰国して1年経った。正確には1年と1か月。忙しくてちょうど1年の時にブログを書くことができなかったので、少し遅れたけど1年の振り返りを。

 

博士号取得

一番大きいのは、帰国してフルタイムで働きながらも学位を取得できたこと。働きながら論文を仕上げるのは思った以上に大変だったが、何とか終えられてホッとしている。論文が終わるまでは、平日の早朝や週末、GW、お盆など、常に考えたり書いたりしていた。過去のブログによると昨年はずっとそんな感じだったようだ。そしていよいよ今月卒業式に参加する予定。

fourty.hatenablog.com

 

復職して転職

3年間休職していた会社に「義理」で復職せねば、と現地(メルボルン)の会社からの仕事のオファーを振り切って昨年4月から会社員生活を再開させたのに、1年もたたずに退職し、別の会社で働いている。理由は色々あるが、一言でいえば、仕事がつまらなかったから。つまらないことに自分の人生の残りの時間を使うのはもったいない。復職後、自分の専門分野での仕事が与えられず、ポジションも給料も下がり、いてもいなくてもよいような存在。その会社にいる意味を見出せなかった。

 

オーストラリアに戻りたいという気持ちで、LinkedIn経由でCVをいくつか出したが書類が全く通らず。一度、オランダの国際機関と面接まではいったが、ポジションが消滅したため話もなくなった。一方、LinkedInにプロフィールを出していると日本企業から引き合いはたくさん来るけど、ほとんど断っていた(同じような日本企業に転職してもあまり意味がないので)。そんなときに1つだけ気になった外資系の求人があったので、ぽちっと応募。それが今の会社。

 

今の会社では、タイトルも給料も自分の人生の中で過去最高となり、ありがたい。以前の記事にも書いたが、良くも悪くもいい加減(フレキシブル)なところが自分に合っている。面接のときにも入社してからも複数の人に、自分次第で色々なことができるよ、と言われていたけど、まさにその通り。日本企業のように手取り足取りしてくれないが、今までのいきすぎた管理主義にうんざりしていたのでちょうど良い。自分からどんどん関係を作り、周りの信頼を勝ち取っていけばやれることはたくさんある。老若男女どころか国籍も様々な人たちが一緒に働いていて(視覚障害があり盲導犬を連れて出勤されている方もいる)、日本語が全くできない人もいる。私は日本語ベースにたまに英語を使う機会があるのが今のところちょうど良い。真面目で優秀で24時間働ける体力がある(&専業主婦の奥さんがいて全部身の回りのことをしてくれる)日本人男性に周りを囲まれていた前職の環境より自分に合っている。

 

住まいを気に入っている

メルボルンが懐かしくなることもしばしばあるが、今住んでいる家が今まで住んだ家の中で一番広く、そこそこ便利なのに環境が良い場所にあって、気に入っている。買うと1億円以上するような大きめの敷地に建つ戸建てだが、賃貸だと周りのファミリー用マンションと変わらない値段。安くはないが高くもない。土地が広いので、裏庭で夫が家庭菜園を始めたが、家庭菜園というよりもはやミニ農場のようになっている。

 

徒歩数分で大きな公園があり、周りは緑道に囲まれていて、春はウグイス、夏はカブトムシ、秋の紅葉、冬は葉っぱが全部落ちて日が差し込んで明るくなる。日本の四季を感じられる場所なのも気に入っている。

 

子供たちの様子

長男は中2に、次男は小4になった。2人とも日本の学校に完全に馴染んでいる。帰国子女はどうのこうの、と巷では聞くが、うちの場合は今のところ困ることはない。長男が多少難しい日本語を理解していないようなときもあるが、苦労する程ではないし、その分英語力を身につけたと思えばトータルではプラスだったのではないか。

 

元気いっぱいな長男は、日本の学校の友達がおとなしいのが物足りなくなる時もある様で、オーストラリアに戻ろうよ、と思いついたように言うときもあるが、基本楽しそうにしている。食いしん坊の次男は、日本の給食は気に入っているが、オーストラリアの時のように学校にお菓子やフルーツを持っていけないのは少し不満のようだ。

 

振り返ってみて、自分にとって仕事がやはり大事なんだと感じた。どこもある程度住めば都だけど、好きな仕事を自分に合う環境でできていれば全体的な満足度は高くなる。家族での生活を捉えたときにはメルボルンの方が良いなあと思うこともあるけど、メルボルンで私がもらえる給料は、おそらく今日本でもらっている給料と同じか低くなる。生活費の高さを考えると、相対的には日本の方が良いのかもしれない。そんな風に思うということは、完全に日本に馴染んでしまったということか。今月メルボルンに遊びに行ったときにどう感じるかな。

次男の用事に付き合い久しぶりに渋谷に。ミヤシタパークのおしゃれカフェはメルボルンより高かった(ラテ1杯700円、サンドイッチは900円…)