40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

帰国時期の調整とアワードの獲得

4月後半は子供たちのスクールホリデー中で多忙を極め、イースターやらアンザックデーやらの祝日も多くて疲弊。子供がいると休みは休みでなくなる。仕事しているときもよく同僚と「無駄な3連休は勘弁してほしい、平日より逆に疲れるわ」と愚痴っていた。こんなんでよく274日間のロックダウンを乗り切れたな。そんなこんなでブログの更新が滞ってしまった理由付け。

 

久々の記事は最近の動きについて。昨日と本日、2つのニュースがあった。まずは昨日の出来事。

 

帰国時期の調整

休職中の会社の人事の担当者からメールがあって、休職時期の延長が認められた。もともと会社の休職制度ではMax 3年間という約束だった。2020年1月中旬から休職しているので、復職は2023年1月中旬の予定。しかし、博士論文の提出を12月中に行うのは実質難しい。コロナが無ければできた可能性もゼロではないが、274日のロックダウン中、子供たちの学習サポートに費やした時間はフルタイムで働いたときの3か月分くらいに相当する。事情を説明したら、休職が3月末日まで延長可になった。

 

大学の制度上、2020年4月の時点で博士課程に在籍している学生は、自動的に博士課程の期間が3か月延長され、3年6か月がスタンダードになった。私は2020年2月1日の開始なので、これに従うと2023年7月末がスタンダードな博士論文提出納期となる。今回、それを4~5か月前倒しするというプラン。結局、私の場合は3年2か月程度の博士課程となる予定(博論提出までの期間であり、その後の修正等はまた別途)。博士課程に在籍する多くの学生が授業料免除だけでなく、大学から奨学金という名の生活費を得ているので、期間の延長は重要なポイント。今回、人事から休職期間の延長が認められた背景には、大学側の延長判断が効いたようだ。

 

私は指導教官とも相談の上、今年の12月上旬にFinal review(論文提出前の口頭審査のようなもの)を行う予定。決まりではFinal reviewから3か月後に論文を提出することになっているので、2023年2月下旬~3月上旬に提出予定をしている。そうすると1月に帰国して復職するというプランは合わない。2週間ほど前、会社の人事に期間延長について打診。イレギュラーな対応になるので、理由等詳しく聞かれたが、無事受理されたようでホッとしている。柔軟に対応してもらえてありがたい。しばらくこの会社に恩返しをしないといけない。

 

自分も管理職をしていた身からすると、人員の配置や異動に関わる情報はなるべく早く上司に伝えるべき。そうしないと人のやりくりをする側の仕事が増える。予期せぬ休職や退職があると、玉つき人事で本来のキャリアプランに沿わない異動をしなくてはならない人が増えてしまう。マネジメント側からすると、休職や退職は最低でも6か月くらい前には知っておきたい情報(退職となるとなかなかそうもいかないケースが多いが)。1年前に連絡するのも早いかと思ったが、来年の予算を立てるとなると6月頃から動き始めるので、部署の人件費の算出も含めて早めに連絡するに越したことはないから、休職前の所属部署であり(おそらく)復職先にもなる元上司にも一報を入れておいた。

 

人事から正式に休職期間の延長が認められたことで、帰国が一気に現実的になった。何ならもう飛行機のチケットを予約しても良いくらいだ。帰国して数日は夫の実家に世話になるとして、帰国翌日から家探しをし(どこに住むのかも全く決まっていない)、賃貸契約をして、住民登録をして、子供の学校を決めて、中学1年生になる長男の制服を買って…。入学式には何としても間に合わせたい。子供の学校の教科書配布とか入学前の健康診断とかどういう風だったかな?やることが多すぎてやばそう。しかも3月下旬に帰国し、倉庫に保管している家具等を賃貸物件に運ぶにしても引っ越し屋の手配が難しそうだし。今借りている家の契約も手続きをしないといけないし、何よりすべてゼロからそろえた家財や家具、車を処分するのも大変。子供たちの退学手続きもしなくてはならない。わかってはいたものの、現実的に考えると気が遠くなる…。これらの手続きを博論の仕上げと同時にやるとはかなりの試練だ。

 

アワードの獲得

今朝、学科の担当教官から連絡があり、アワードの獲得が決まった。これにより、7月~8月に予定している日本とアメリカの学会はしごツアー(兼単身一時帰国)の費用が満額カバーされることになった。ありがたい。金額にして約50万円。5,000ドルの枠に対して、5,528ドルを申請したら全額OKになった。申請書に細かく見積を出したが、何が高いってアメリカのホテル代…。学会が手配しているホテルの学生料金で申し込んだものの、一番安いところで1泊2万円程度。勘違いで1泊少なく予約してしまったので、その分は通常料金で1泊4万円程度になる。これと比べて東京に滞在するときのホテル代は1泊8,000円。日本のホテルは安い。

 

アメリカの学会は参加費も高くて学生料金で2万円超、宿泊はトータル約16万円!日本の学会は2日間であるのに対して、アメリカの学会はそもそも6日間にわたって開催され、そのうち自分の発表がいつになるのかはまだわからない。学会の前後で観光を予定しているわけではなく、1週間ずっと学会がある。日本では学会がない日は調査に参加してもらった企業への説明等をできればと考えている。

 

ざっくりとした費用内訳は以下の通り。

  • 日本の学会参加(4日間):6万円(学会参加費、3泊分のホテルと食費等)
  • アメリカの学会参加(7日間):24万円(学会参加費、6泊分のホテルと食費等)
  • 飛行機代:20万円(メルボルンー東京ーシアトルー東京ーメルボルン

 

ちなみに今所属している大学では、博士課程学生の学会やデータ収集などの出張に対して、大学から25万円程度までは費用が出る(立替払い方式)。これは今回アワードを受けたおかげで手付かずで残っているので、もし博論提出前にもう一つ学会(オーストラリア国内)に参加するとしたらこの費用を使わせてもらえる。あと、25万円の交通費とは別に、すべての博士学生に対して奨学金獲得有無を問わず40万円程度の研究費用の支給があるので、なんだかんだ博士課程で必要な経費はカバーできたように思う(こちらで買ったノートパソコンの費用もこのお金で吸収できた)。ありがたいこと。

 

コロナのせいで最初の2年間は打撃を受けた私の博士課程留学もようやく3年目になって明るいニュースが増えてきた。最終調整をしている書籍も数か月後には出版となる。博士論文を仕上げることは当然として、投稿論文もあと一つは書きたいし、学会発表もオーストラリア国内で1度はしてみたい。プライベートでは旅行もしたいし、まだまだやりたいことがたくさんある。

 

子供たちを大学に連れて行った

先週木曜日は私が子守当番だったので、秋休み中の子供たち(小学生の息子2人)を自分が通う大学のキャンパスに連れて行った。盛りだくさんな一日だったのでその記録。

 

10時15分

自宅を自転車で出発。大学までの道のりは片道約4km。距離自体は大したことないが、大学が丘の上にあるので緩い上り坂が続く。私にとって毎日の通学がエクササイズになって良いのだが、小2の次男がついてこられるか多少の不安あり。いくつかあるルートの中で一番安全な道を選んで出発。文句を言うと長男に怒られるから頑張ってついてきた次男。意外と大丈夫だった。最近数か月、小学校にも自転車で通学するようになったので、足腰が鍛えられたようだ。オーストラリアに来た時はまだ4歳で自転車に乗れなくて、小さな自転車を買って練習していたのになあ。ずいぶん成長した。

 

10時45分

キャンパスの一番奥にある自転車屋に到着。今回の目的の1つ目は、子供たちの自転車のメンテナンスをしてもらうこと。数日前に私の自転車のメンテナンスをしてもらってとても良かったので、子供たちの自転車も持って行った。キャンパス内に自転車屋があるととても便利。2台とも夕方に調整が終わるとのことなのでばっちり。

 

11時

毎週木曜日の恒例、Free breadの配布。残念ながら今回はほとんどが食パンだった。長男が甘いパンを一つだけ見つけてそれをゲット。あとはいつもの朝食用に食パンを2斤いただいた。ここ1か月くらいパンを買っていない。ありがたや。ちなみにこのパンを配給してくれているのはチェーン店のBakers Delightという店。先日店に入ってみたら、結構良いお値段でびっくり。毎週20ドル分くらいのパンをいただいていることになる。

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毎週木曜日のFree bread

11時10分

パンをもらったらその裏にある大学院生用ラウンジで休憩。ここはラウンジなので特におしゃべりしても問題ない。今回、騒がしいグループが1組いたので助かった。静かな場所に子供を連れていくと気を遣うので、逆にうるさい人たちがいる方が親としては気が楽。昔ゲーセンにあったようなゲーム機が置いてあった。何度もこのラウンジに来たことがあるのに、全然気が付かなかった。どうやってやるのかな、と見ていたら、ラウンジにいる若い男の学生が教えてくれた。ほとんどが日本の昭和~平成のテレビゲーム。400種類以上入っていて迷う。無料でゲームができることを知って長男歓喜

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パックマンドンキーコングドラゴンボールなどのゲームをやっていた

12時

フリーフードの2つ目。Term 1は毎週火曜日と木曜日の昼にフリーフードの配布がある。この日はランチではなくてデザート系だった。子供たちも一緒に並んだら、ちゃんと一人一つずつもらえた。ありがたい!しかも、以前South Melbourne Marketに行ったときに買い物したお店!https://www.southmelbournemarket.com.au/traders/cannoleria

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待てばもらえるフリーフード

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チョコレート、ティラミス、ピスタチオの3種類


12時30分

お菓子とパンだけではお腹が減るので、キャンパス内のフードコートで巻きずしを買ってランチ。寿司屋の列に並んでいたら、通路を挟んで反対側にあるSubwayに次男の同級生がお父さんと一緒に並んでいた。日本人の我々が寿司の列に並び、オージーの友達がSubwayに並んでいるというのが「いかにも」で面白い。

 

ちなみにスクールホリデー中は、キャンパスに子供たちをみることが多い。私のような学生や教職員が自分の子供を連れてきているケースもあるが、単に近所の人が遊びに来ていることも多い。なぜならこの大学は郊外にあって、周りにはほとんど飲食店がなく、近所の人たちにとっては街に行くよりも大学まで来た方が外食しやすいから(大学内には多くの飲食店やカフェがある)。昨年、長男の友達家族にもキャンパス内で出くわしたことがある。

 

大学院生ラウンジで寿司を食べた後はまた無料のゲーム。子供たちがゲームをしている間、私は騒がしい中でも論文を読んだり、プリントアウトしたりして過ごした。そうこうするうちに、Easter egg huntingのイベントあり。大学院生ラウンジ内にチョコレートを隠しに来た係の人。子供たちをみて真っ先にチョコレートをくれた。ありがたい。

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ラウンジ内でプチイースターイベント

14時

フリーフード第3弾。先週1週間はCultural weekで各国の料理がふるまわれるイベントがあった。この日はアジア。少し前に会場に行って物色。ベトナムの生春巻きが一番おいしそうだったのでその列に並んで無事にゲットした。ここでも子供たちにも問題なく配布してもらえて助かった。他にも韓国のお菓子をもらえたりと子供たちにとって嬉しいイベント。大学は無料でお菓子をもらえるところだ、と完全にインプットされた模様。

 

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日本クラブはよくわからない芋のようなものを配っていた

14時30分

満を持して?Manga Libraryに。キャンパス内にあるJapanese studies centreの建物の中にある。HPによると7,000冊以上の日本の漫画と700冊以上の英語の漫画があるらしい。コロナで過去2年間閉じていたけどやっと最近開館した。これは一般公開されていて、誰でも無料で漫画を読むことができる。スクホリになったら子供たちを連れてこようと思っていたのでようやく念願叶った。

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日本風の建物がJapanese Studies Centreの場所

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ドラえもんが喜んでいる

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リュックもおろさず漫画に食いつく小学生男子

15時30分

自転車のメンテナンスが終わったというので、自転車をピックアップしにまたキャンパスの奥まで歩いていく。ワイヤーの交換、ブレーキやギアの調整、タイヤの向きの補正などしてくれて、1台当たり30ドル程度。安い。子供たちも前より良くなったと大満足。これでしばらくまた安心して自転車に乗れる。

 

16時

私は学科のPhD学生たちとのコーヒー会があったので顔出し。長男は漫画が読みたいとのことで、一人で漫画図書館に向かい、私は次男と2人でコーヒー会に。付き合ってくれる次男にはキャンパス内にある自販機でカルピスウォーターを買ってあげた(日本みたい)。ケニアから4日前にメルボルンに着いた学生やら、初めて話すローカルの学生やら。2022年に開始した学生がたくさんいる。2020年に開始した人はほぼ私だけ。2021年は数人。2022年は何人いるのか分からないほど毎月数人入っている。もう何が普通かわからないが、私は同期的な人が一人もいなくてちょっと寂しい。本当ならこんな感じで一緒の時期に始めた学生が何人かいて、仲間になれたんだろうな、と。私はいつの間にか一人だけ3年目の長老になっている。20分程度交流してお暇。

 

16時30分

漫画図書館に長男を迎えに行った。漫画を借りたいというのでメンバーシップフィーを払って漫画を6冊借りた。とりあえずスクホリ中しか行かないだろうということで1か月分の会費のみ支払い。今週また一度行きたいとのこと。

 

たっぷり遊んで帰りは丘を下る楽々ルートで帰宅。一日子守してどっぷりと疲れたが、大学が子供たちがこんなにも楽しめる場所であることが分かって良かった。無料で遊べる娯楽場。日本のゲームと日本の漫画がメルボルンの大学で楽しめるなんて、来る前は全然知らなかった。子供たちには「こんなところに毎日行けていいなあ」と言われたけど、いや、私ゲームもしないし漫画も読んでいないから。そこは誤解されないように。

 

 

別のキャンパスに出張

今日は1か月以上ぶり?に指導教官とのミーティングがあった。指導教官は2つのキャンパスで教えているため、両方のキャンパスに自分の部屋を持っているが、今日は私が普段所属している方のキャンパスではない方のキャンパスに出勤する日。ミーティングはZoomでやってもいいけど、もしよければ来てみる?と言われたので、その提案に乗った。なぜなら、これが実現すれば、2年以上ぶりに指導教官との対面ミーティングが実現するから。最後にFace to faceでミーティングをしたのは2020年の2月か3月。

 

そのキャンパスは私の家(≒メインキャンパス)とメルボルンのCityのちょうど間に位置する。キャンパスはメインキャンパスと比べてずっとコンパクトで、建物は7~8個くらいしかない。ちなみに私が普段いるメインキャンパスは森の中にあるような感じで、歩いてすべて回れないほど広い。広大すぎて全貌を把握するのが困難。昨日もキャンパス内を歩いていたら、通りすがりの道に迷った風の学生に、Information Technologyのビルはどこですか?と聞かれたが、私には見当もつかなかった。

 

話は戻り、朝9時に家を出て最寄り駅から電車で15分程度、Cityに向かっていく。駅からは徒歩数分。15分電車に乗るだけで、だいぶ街っぽい雰囲気になる。まず図書館に行ってみた。おしゃれだなあ。せっかくなので図書館のカフェでFlat whiteを頼んで、コーヒー飲みながらミーティングの準備。図書館のおしゃれ度では、こちらのキャンパスが勝ち。

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コーヒー片手に図書館のカフェスペースでリモートワーク

時間になったので先生の部屋に。実はまだこの大学に入学申請する前の、2019年のGWに家族旅行でメルボルンに来て、私は先生と顔合わせをした。こちらのオフィスに訪問するのはそのとき以来。今日話し合いたいアジェンダ5つをあらかじめメールで送っておいた。

 

1時間の時間を有効に使うために、挨拶も早々に1つ目の議題から。それは先日学会(AoM)にアクセプトされたFull paperのリバイス方針について。2人のレビュアーからコメントをもらっていて、そのうちの一人から、とある理論を使えばもっと私のペーパーの理論的枠組みが強固になるとの提案。その理論について先週からいくつかの論文を読んで、自分の中ではしっくりくる感じがあった。なので、その理論を使ってフレームを組み直したいと提案してみたが、結論として指導教官はその案に反対。

 

研究って難しい。その理論は私の興味にぴったり合っているし、今やっていることとも合っている気がするが、指導教官的に私がそちらの道に進むと、また文献を山ほど読んで理論構築しなければならないし、そもそも私のリサーチクエスチョンとの関連が弱いとの指摘。言われてみればそうなんだが…。レビュアーが特定の理論や領域を推奨してきたとき、多くの場合そのレビュアーはその領域の専門家であるとのこと。つまりレビュアーの推奨に従って枠組みを変え始めるときりがないという意見。とはいえ、じゃあ今の理論的側面が弱いと指摘されているペーパーをどう補強すれば良いのか、私はよくわからない。指導教官の案として、私が2年目の審査で行ったプレゼンがとても良かったので、その内容に変えれば良いのでは、ということだった。

 

この議論だけで最初の30分以上使ってしまった。でも大事なポイントなので対面で話すことができて良かったと思う。交通費9ドルかけたかいがある。次の議題はそのペーパーを投稿するジャーナルについて。私が考えていたジャーナルよりもハイレベルのジャーナルを提案してきた。AoMにアクセプトされたことが自信になった模様。でも自分で勧めておきながら、このジャーナルに採択されるのは厳しい、私も何回もリジェクトされたことがある、3回リバイスした上でリジェクトということもあったが、出してすぐにリジェクトされることもある、など。何やらリジェクトを前提としているような会話。まあでも高いところから狙っていきたいのだろう。そのジャーナルに向けてペーパーを書き直す納期として2週間後を提案したら、そんなに早くできないだろうということで、後ろ倒しになった。内容もさることながら体裁もジャーナルに投稿する前提に整えた上で1か月後に指導教官に提出することで合意。

 

3点目は学科内のGrant(助成金)について。数日前にGrantの募集があった。これに応募するつもり。採択されれば最大$5,000ドルが支給される。日本の学会とアメリカの学会のはしごツアーの旅費をほぼカバーできる。もし取れなくても大学から無条件で研究学生は$2,800程度の旅費の支給があるので、それを使えば多少負担は減るが。できれば自分のお金を使わずにすむようにGrantを取りたいところ。昨日急いでGrantの申込書を作ったので、それを出力した状態で見せて、赤を入れてもらった。やっぱり対面だとこういうやり取りが早くて良い。相手の時間を確保している間に済ませたい案件を全部済ませる作戦。数か所アドバイスをもらったので、それを反映して午後、再度メールで送ったら、先生の署名付きで返信がきた。仕事が早くて助かる!

 

4点目は、2週間ほど前に提出した16,000ワード分のオーストラリア企業の分析結果をまとめたドラフトチャプターのフィードバック予定についての確認。「長すぎる」とぼやかれた。「すみません、でも私は特に急いでいないので、お時間あるときにお願いします」とやんわりプッシュしたら、来週返したいけど再来週になりそうだ、とのこと。思っていたより遅いが、まあ私も他にやることがあるので特に困らない。指導教官も大変だ。

 

5点目は12月に向けたスケジュールの共有と博論提出に向けたタイムラインの相談。をしたかったがここで時間切れ。12月31日までの日別のガントチャートを作っており、自分の中でスケジュールはクリアになっているのだが、指導教官がいつのタイミングで私のドラフト(チャプターごと)をチェックしてくれるのかのすり合わせと合意をしておきたかった。今のところガントチャート上では私が勝手に決めているから。まあこれは急ぎではないので、次回の議題に回して良いだろう。というのも私とのミーティングが5分程度おしてしまって、指導教官の次のZoomミーティングが始まっており、参加者から携帯に連絡が来てしまったのだ。本当に忙しそう。

 

今回1時間のミーティングの中で色々とディスカッション出来て良かった。またこのキャンパスに来てみるのも良いなと思った。ちょうど昼時だったので、おなじみフリーフードの配布があったが、私は誘惑を断ち切り、一駅電車に乗って日本食を食べに行った。せっかく街の近くまで来ているから。子供の土曜校のボランティアをしているときに教えてもらった日本食屋。まあまあ美味しかった。でも系列店のラーメン屋の方が好きかも。

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他のキャンパスに来てまでフリーフードの列に並ぶのは辞めた

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ランチはちらし丼、まあまあ美味しかった

ランチ後はまた一駅電車に乗りキャンパスに戻った。大学院生向けのラウンジで2時間ほど作業。たまには出張も良いね。5月のはじめにミーティングを設定したが、また今日と同じ曜日なので、このキャンパスに来ることになりそう(もちろんZoomでも良いのだが)。こうやって移動できること、対面で打ち合わせができることが、日常が戻ってきた感じがして嬉しい。

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キャンパスをぶらぶらしていた時に見つけたコンピューター博物館。古いアップルやIBMのコンピューターの横にシャープやNECの製品もあって嬉しかった

 

キャンプ、中学校見学、秋休みスタート

久しぶりに子供関連のことをまとめて。今週から小学校の秋休み(スクールホリデー)がスタート。Term 1の最終週である先週はイベント目白押しだった。

 

小学校のキャンプ

息子たちが通っている小学校では、3年生から6年生の4学年は毎年2泊3日のキャンプに出掛ける。キャンプといってもテントに泊るのではなく、団体用の宿舎に泊る。2020年はコロナでキャンセル、2021年はコロナで延期になった?が何とか行くことができた。なので今年は2回目。初めて行く昨年は寝袋を買ったりと準備にバタバタしたが、今年はすべて手持ちのものだけで対応できたので良かった。

 

長男も相当学校に慣れているせいか、今年はCamp idolという出し物に出るとのこと。友達2人(日本人とオーストラリア人のハーフの子)と3人で「お笑い」をする。企画者は長男。スクリプトを書いて友達に配り、3人で練習をしていた。ちなみに全部日本語。いくらバイリンガルスクールといっても、日本語のお笑い(コント)は分からない人もいるのでは?と思ったが、本人がやりたいのに止める理由もない。

 

結果、賞はもらえなかったが、オーディエンスからはうけたようで大満足だったようだ。審査する先生が日本語がわからなかったせいで賞がもらえなかったと言い張り、自己肯定感高めな長男。たまたま知り合いのお母さんがボランティアでキャンプに同行していた関係で動画を手に入れた。正直、大人の視点からは何が面白いのか一切分からないが、男子を中心に一定の笑い声は入っていたので、たしかに「うけた」というのも間違いではなさそう。小学生男子の笑いのツボは全く分からない。それにしてもオーストラリアの小学校のキャンプで、転校生である日本人(オーストラリアにとっては外国人)の長男が友達を誘って、現地の子供たちの前で日本語でお笑いを披露するとは…。この人、どこでもやっていけるわ、と改めて思った。

 

中学校見学

キャンプから戻ってきた翌日は、近所のSecondary school(中学校+高校)のオープンデーに。オープンデー自体何かわからず、とりあえず観に行こうという感じで長男と2人で参加してきた。時間は6時15分から。気合い入れすぎて6時についてしまったが、会場は開いていて、ホールのようなところで学生たちが音楽を披露していた。6時15分が近づくにつれて待合のホールは満員に。普段バイリンガルスクールに通っているため、小学校では日本人の保護者(オーストラリア人と結婚している日本人の女性が圧倒的に多い)が沢山いるが、このセカンダリーは私たちにとって完全にアウェイな環境だった。おそらくこれが平均的なオーストラリアの学校なんだろうな、と。当たり前だが高速英語が飛び交う世界(たまにギリシャ語も)。自分たちがマイノリティであることを改めて思い出す。

 

時間になったらシアターに入場。舞台があって客席がある施設。面白いのは大人(先生)が説明するのではなく、子供たちが説明をしていた。まずYear 7(中学1年生)の男女2人が登壇。学校についての紹介、自分が7年生としてどのような生活を送っていて何を感じているのかを堂々とスピーチ。笑いも取って完璧。しっかりしているなあ。

 

次に学生代表のような子たちが2人。おそらく高校生。ほぼ大人。話す内容も立派で感心する。最後におまけのように出てきたのが教頭先生。特進コースの審査や手続きの説明。確かにこれは子供では説明しにくい内容だろう。うちには関係ないのでぼーっとして聞いていた。20分程度、シアターでの全体説明が終わった後は、学校の中を自由に動き回って良い時間。「シアターの裏でスナックを配っているって言っていたから行きたい」と長男。そんなこと言っていた?長男のリスニング力はひょっとして私よりも上になっているのかも。

 

シアターの裏に回ってみたら、調理室があった。そこで女の子たちがせっせとクッキーを焼いていて、そのクッキーを来場者に配っていた。なるほど。科目はFood scienceというらしい。焼き立てクッキーをいただいた後、次にどこを周りたいか長男と相談。オープンデーは全体説明の後、各教室にて専門科目の説明や体験ができるようになっていた。全部で10種類以上ある。小さな大学みたいな雰囲気。サイエンスの部屋で実験を体験したり、アートの部屋でペインティングのアクティビティをしたり。外国語は日本語とギリシャ語の2か国語があるようだった。この辺りはおそらくメルボルンで一番ギリシャ人が多い地域で校長先生も教頭先生もギリシャ移民(苗字が特徴的なのでわかる)。私の今の大家さんも前の大家さんもギリシャ人だし、家の通りにもギリシャ人が多い。日本語はオーストラリアの学校で教わる外国語の中でメジャーなので、不思議ではない。

 

日本語の部屋にはけん玉、そろばん、折り紙が置いてあった。けん玉と折り紙が得意な長男。折り紙でドラゴンを折って、日本人のアシスタント教員の若い女性に「すごーい」と言われて満足そう。けん玉も技を見せびらかして満足した模様。他にはデザインの部屋(アートとは別でグラフィックデザインや建築など)、Humanities(社会科)の部屋、TVスタジオ、STEM(理科)などを見学。すぐに帰りたいというと思いきや、もっと回りたいとのこと。でも時間は7時半を回っていて夕食もまだ食べられていなかったから、名残惜しそうな長男だったけど引き上げた。中学校にTerm 1だけ通う案について、オープンデーに行く前は「そんなことしなくていい」と言っていた長男だが、オープンデーに行って、楽しそうに思えたのか「行ってみたい」と気持ちが変わっていた。工作をしたり、物語を作ったり、絵を描いたりするのが好きな長男にとっては、日本の中学校よりもこういう学校の方が楽しいだろうな、と思った。日本だと工業高校とかが合うのかな?

 

見学したセカンダリーについて、私の印象は、小学校と違って日本語は使えないし、全体の雰囲気もいよいよローカルなオーストラリアの学校という感じがして、保護者として緊張した。でも長男は全然そんなことなさそう。今通っている小学校はバイリンガルスクールとはいえ、担任はバリバリオージーイングリッシュを話すオーストラリア人の先生(50代の男性)だし、日本のバックグラウンドがない友達も増えてきて、長男は私よりもオーストラリアに馴染んでいるのかもしれない。昨年の10月にロックダウンが終わってから数か月、学校に通うことができているおかげなのかも。コロナさえなければ1年目がこんな感じなんだろうなあ、とまた思ってしまったが。でもまだ残り3タームあるから、どれだけ長男の英語力が伸びるのか楽しみだ。

 

秋休みスタート

せっかくいい感じで学校生活が送れていたのに秋休みが始まってしまった。年に4回も休みがあるのは多い。すぐスクホリになる。スクホリが嫌な点は、学校がない分、子供たちをホリデーケアなどに預けるのでお金がかかること(以前の記事に書いたが、1日当たり2人で約200ドルかかる)。毎日ホリデーケアに預けるとお金がかかりすぎるので、週に1日ずつくらいは夫と交代で子守デーを作るため、研究時間が削られる。金を払うか、時間を払うか。

 

今回のスクホリは旅行のプランが遅くなって、結局南オーストラリア州の海辺の街に行くことに決まった。アデレードの友人家族と落ち合う予定。ロブスターの養殖が有名な場所らしい。何の規制もなく国内旅行ができるようになったことは嬉しい。飛行機はまだまだ混乱中のようなので、車移動にしておいて正解。

 

おまけ:週末ビーチ

もうすでにダウンジャケットが必要なほど寒いメルボルンだけど、先週末は奇跡的に夏日となった。本格的な冬が来る前の最後の温かい週末だろうということでビーチに繰り出した。家から車で30分くらい先、いつも行くビーチよりも少し南(田舎)に下ったところにある。サンデーマーケットで出店が出ていたり、桟橋の下で魚を捕まえたり、と予想以上に楽しい時間を過ごすことができた。

 

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ビーチで過ごすには申し分ない天気

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結構波があって怖いのに桟橋から海に飛び込んでいる元気なオージーもいた

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釣りをする人たちの側で泳いでいる人がいることにびっくり

 

国際学会にアクセプトされた!

ちょうど1週間前の土曜日の朝、嬉しいニュースが飛び込んだ。1月にペーパー発表を応募していた国際学会からアクセプトの連絡。どうやらメールは夜中に届いていたようだったが、私が気が付いたのは指導教官からのメールが最初。

 

Congratulations (名前) - well done.
It is very hard to get a paper accepted by AoM, with acceptance rates around 30% for the SIM division in past years.
So this is an excellent outcome for you and a really great conference to attend and meet all the "experts". I encourage you to attend the doctoral consortium for the SIM division, if you are able to.

 

参加する学会は、Academy of Management(AoM)という世界最大の経営学の国際学会で、毎年1万人以上の参加者がある模様。学会にはテーマごとに25のグループがあり、その中で社会課題を取り扱うグループに応募した。グループでの採択率は30%程度とのこと…。この数字を知っていたら提出していなかったかもしれない。自分の中では、行けるか行けないかは五分五分かなー、と思っていたけど、実際の可能性は五分五分よりもさらに低かったらしい。7割の人が落ちるって…初心者の自分がそちらに入っていなかったのが不思議。

 

人生初めての対面での学会参加、初めての研究発表がこの分野での世界最高峰の学会。ニュースを受け取った時は嬉しかったが、だんだん怖い気持ちにもなってきた。何が不安かって、英語力。。内容については未熟なポイントに指摘をもらえば、あとは良くなるだけなので全然不安はないが、英語力が低すぎて相手が何を言っているかわからなかったり、応答がちゃんとできなかったらどうしよう、と考えてしまう。

 

2020年、2021年とオンライン開催されていた学会が、今年はハイブリッド型で開催される。開催地はシアトル。日程は8月上旬。私は現地に行く予定をしている。指導教官はオンラインで参加するとのこと。先週末、早速飛行機のチケットを取った。メルボルンからいくシアトルは遠い。当たり前だが直行便はない。せっかくなので日本で乗り換えすることにした。実は、7月末に開催される日本の学会にも応募していて、こちらもアクセプトされれば2つの学会をはしごできることになるから。

 

メルボルンから東京が10時間、東京からシアトルが9時間。オーストラリアって近いイメージがあったけど、なんとシアトルの方が東京に近いということが判明。往きに東京で2泊程度、その後実家に3泊程度できればなあ、と計画中。帰りは接続が悪くて39時間40分かけて帰ることになる…。でもこの行程だとJALが一番安くて、3か所回っても飛行機代は燃料費等込みで20万円弱。安い。

 

提出した1万ワード程度のFull paperに対しては、知らないレビュアー2人から査読コメントが寄せられる仕組み。自分が書いた論文にレビュアーからコメントをもらうのは初めて。ちょっと怖いのでまださらっとしか読めていない。1人は「全体的に面白かったよ」といった感じで始まっていて色々と文章を通じて指摘してくれていた。もう1人はセクションごとに細かい指摘。レビューの方法も人によって違うようだ。ちなみに学会の予稿集にはアブストラクトしか掲載されず、レビュアーのコメントを反映したFull paperは別のジャーナルに投稿することができる。その作戦会議を再来週のMid-semester break中に指導教官と行う。ミーティングをするのは2か月ぶり…。学生のうちに早く論文を投稿したい。

 

AoMおよび日本の学会にアウトプットしたのは日本企業の調査結果。これらの作業と並行して実施していたオーストラリア企業の結果分析のチャプターのファーストドラフトをようやく昨日書き終えた。今のところ16,000ワード程度のボリュームになっている。日本企業と比べて分析する社数が多いことやインタビューの言語が英語であること、自分にオーストラリア企業に関する背景知識が乏しいことから、オーストラリア企業の分析は結構大変だった。細々とやっていたこともあるがトータルすると4か月くらいかかっていた。長すぎる。やっとひと段落したので自分の中でほっとした。

 

来週ざっと見直して、指導教官に送り付ける予定。最近めちゃくちゃ忙しそうでいつフィードバックがもらえるかわからないが、とりあえず再来週に学会の件でアポを取り付けたので、そこでオーストラリア企業の分析結果のドラフトについてのフィードバックとその内容のアウトプット先についても相談する予定。

 

博論のドラフトチャプターは結構細かく書いているが、これを投稿論文の形にするときにはDescriptiveな内容はそぎ落とし、理論構築にフォーカスする必要がある。それによって要点が自分の中でもさらにクリアになる。アウトプット先を決めてその作業にも取り掛かりたいなあ。12月にあるオーストラリア国内の学会に出すか、それとも来年のAoMまで待つか…。違うアングルで切り取って両方出すという案もなくはない。結果がまとまってくると研究は面白い。もっともっと調べなくてはいけないことが出てくるけど。

 

あと、今週はオンライン英会話Camblyのコースを週3から週5にアップグレードして、ちょうど割引キャンペーン中だったので1年契約した。英語力の向上にもコミット。ほぼ毎日英語レッスンするのは疲れるが、AoMに向けて何とかしないといけないので、少しずつ頑張るしかない。

 

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シアトルといえばスタバ?一号店にも歩いていける場所にホテルを取った。https://www.starbucks.com/about-us/

 

クラフトビール、ピクニック、マーケット

週末は天気も良く、盛りだくさんな週末だった。

 

土曜日は、子供たちを土曜校(日本語補習校)に送り出した後、オンライン英会話、その後、家じゅうの掃除。終わったらコストコに食材買い出しと給油。いったん帰宅し、ランチは夫と二人で近所にできたブリューワリー(ビール醸造所)まで自転車で。自転車道を10分程度走るだけで到着。快晴でサイクリングが気持ちよすぎる。ブリューワリーは工場地帯の中にあって、本当にこんなところにあるの?と不安になったころに現れた。その名もKAIJU。

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オーナーは日本好き?KAIJUという名のビアホール

ビール10種類くらいを生で飲むことができる上、オーストラリア風(アメリカ風)ではないピザを食べることもできる貴重な場所。工場の建物をリノベーションして、天井が高いため開放的。先月オープンしたばかりのようだった。おしゃれレストラン不毛地帯に住んでいるので、この店ができたのは本当に嬉しい。

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もともと工場だった場所を改装した開放的な店内

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久しぶりに美味しいピザを食べられた!

夕方、子供たちの土曜校の後は4家族で近所の公園に集合してピクニック。完全帰国するファミリーがいて、帰国前の集まりに呼んでもらえた。そのファミリーは日本人夫婦で、旦那さんの方が私が所属している大学の准教授を長年されていて、同時に日本にある超付くほど優秀/有名な国立大学でも教授をされていて、日豪半々で行き来しながら生活するつもりだったが、コロナのこともあり今回、オーストラリアを完全撤収するようだった。両方の大学でアカデミックポストがあり、指導している学生たちがいて、どちらかを選べる立場というのが本当にすごい。ちなみに年齢はほぼ私と同じ。夫婦は永住権を取得しているが、子供2人はこちらで生まれていて市民権を持っているから、子供たちがオーストラリアの高校や大学に戻りたかったら戻れるとのこと。すごい人達がいるもんだなあ。会話の中で日本とオーストラリアの大学制度の違いなども教えてもらい参考になる(日本の大学はこの先大丈夫なのか?と心配になる話も)。

 

一つ不思議だったことをぶつけてみた。私みたいな学生に対して、オーストラリアの大学が授業料を免除して3年間で何百万円もの生活費を支給してくれるのは何故?という疑問。最近、自分はどのようにしてこの恩恵を還元できるのか考えているが、大学に対して還元するために微力ながら論文や学会発表を通じて大学の名前の露出に貢献したりするくらいしかないのではないか、と悩んでいたところ。授業料も含めると1千万円以上の恩恵を受けているが、相手方に一体何のメリットがあるのかよくわからなかった。一つ誤解が解けたのは、私は大学からお金をもらっていると思っていたが、それは9割方、州の税金から出ているとのこと。でもそうすると還元の仕方がますますよくわからなくなる。私はVictoria州に何の貢献もしていない。「オーストラリアを好きになって、それを周りに言えばいいんじゃないですか?」との回答。本当にそんなんで良いのだろうか?

 

その先生はとある分野(理系)で最先端の研究をしていて(研究者なら当たり前かもしれないが)、その分野は私が働いていた会社とも深いつながりがあり、何名か実際に就職していることも分かった。こちらで子供を通じて出会った友人が仲介してくれたので感謝。海外に来ると日本ではなかなか出会わない種類の日本人にも簡単に出会えるので面白い。

 

公園では一足早いイースター。オーストラリア流?地面にイースターエッグのチョコレートをばらまいて子供たちが拾う。地面に食品を直接置く、というスタイルに昨年は面食らったが、今年は2回目だから驚かない。暑くて少し溶けたチョコレートを子供たちが一斉に集めていた。

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ブッシュの中でチョコレート探し

その後はサプライズで3月のお誕生日の子供たちのお祝い。次男もお祝いしてもらえた。なんだか色々ありがたいなあ。プレゼントまでいただいてしまった(オーストラリア版?人生ゲームとキャンプ用チェア)。天気も良くて外にいるのが楽しい季節。

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合同バースデーパーティ

日曜日の朝はきれいな月が見られた。もう完全に日が昇っているのに月がくっきりと見えた。土曜日の朝も同じように見えた。朝の月は不思議。

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青空に浮かぶ月

日曜日は昼前にDandenong marketにランチがてら買い物に。前回も行ってお気に入りのスリランカ屋台飯にした。こういうエスニック系は長男は好きじゃないと思ったけど、ここのが美味しいせいか、それとも味覚が変わったのか、当初夫とシェアするつもりで買った全部乗せを長男と2人でシェアすることに。

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2人で食べきれない量、これで15ドルは安い

その後は格安の野菜と夕食用の鯛の切り身を購入。Dandenong marketは値段がスーパーの半額以下は当たり前。場合によっては3分の1や4分の1の値段で買えることも。

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野菜のたたき売りをしているおじさんから大根2本を3ドルで購入

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マーケットの魚屋ではスーパーには売っていない魚が買えるから良い

メルボルンにはSouth Melbourne MarketやらPrahran MarketなどCityに近くておしゃれなマーケットもあるが(両方好きだけど)、このDandenong marketは部屋着でも行ける気軽さ、圧倒的な値段の安さとどこの国だかわからないディープな雰囲気が癖になる。

 

fourty.hatenablog.com

 

夕方になり、長男が暇だから映画でも観に行きたいと言い始める。調べたら、なんと車で10分くらいの近所の映画館で(日本で流行っているらしい?)呪術廻戦を上映していることが分かった。1日4回の上映のうち、2回は日本語音声/英語字幕らしい。この回を狙って行った。私はこういう映画は観たくないので、夫と長男の2人で。RACVの特典を使ったら、一人8.8ドルで映画を見られたのでお得だった(普通だと大人料金が20ドル以上する)。

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長男はこちらで鬼滅の刃も観に行っているので、なんだかんだメルボルンで日本の映画を観ている方だと思う。昨年劇場版コナンを見逃した時は悔しそうだったが。こまめにチェックしていないとすぐに上映作品が変わってしまうので、今回たまたま呪術廻戦がやっていてラッキーだった。

 

何か特別なことをしたわけではないが、週末らしい週末を過ごすことができて満足。

 

 

学会発表に申し込み、Moomba Festival

前回の記事で書いた2年目の審査の際に、イギリスの先生からもらったコメントで私が取り扱っているテーマ2つのうち1つについて、日本の文脈でとらえるたときに何かユニークな視点があるのか?その点をもう少し掘り下げた方が良い、という質問とアドバイスをもらった。その場の回答では、私の研究でオーストラリアと日本の2つの国の大企業を扱っているが、オーストラリアはアングロサクソン系でアメリカやイギリスと経済システムが似ている(と論文に書かれていた)、対照的に日本はドイツなどの大陸ヨーロッパの国と似ていて株主至上主義ではなく、長期雇用制度があったり国への貢献を重視していたりする(と論文に書かれていた)。日本とオーストラリアの文脈の違いについては勉強中で、博論の中で章を1つ割くつもりです、と答えた。

 

その指摘が気になっていて、翌日木曜日に大学まで自転車で向かう途中、日本の学会でこのテーマで発表をして、日本の研究者たちからフィードバックをもらったら、博論の役に立つのでは、と思い立った。所属している学会の年次大会が7月末に東京で予定されていて、発表への応募締め切りが2月末だったのが3月15日まで延長になっていた。木曜日は3月10日だったので、まだ数日あるから何とかできるような気がした。提出するのはワードで5枚の予稿(7,000字弱)とワード半ページの発表要旨(800字)。英語なら無理かと思ったけど、母国語の日本語なら何とかできる気がした。

 

とはいえ、この週末はLong weekendと言われており、月曜日が祝日。木曜日の翌日の金曜日は、子供たちの小学校(現地校)で運動会があるのでほぼ1日潰れる。土曜日は子供たちの補習校(土曜校)で1日ボランティアで、ほぼ1日潰れる。日曜日は家族で出かける予定をしているので、ほぼ1日潰れる。火曜日は締切日だが、この日は1日作業に使える。ということで、実質木曜日と火曜日の2日間+祝日の月曜日の隙間時間(子供たちが家にいるが、外出の予定はないので2~3時間なら研究に割けそう)。これだけあればなんとかなるだろうとよんで、木曜日の朝から早速着手。

 

結果、締め切り1日前の月曜日(祝)の夕方に提出できた。母国語で書くのは英語で書くより10倍楽!ネイティブはいつもこんな楽な思いをしているんだ、と改めて羨ましくなった。英語が世界共通語になって、イギリス人、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、ニュージーランド人、南アフリカ人などは、絶対得をしている。ついでに、英語と言語が似ているドイツ人なども随分楽をしている。恨んでも仕方がないが、久しぶりに母国語で研究のことを文章にしてみて、その楽さをしみじみと感じた。

 

予稿と発表要旨を作っていて、研究者(少なくとも社会学系)は、文章作成力と編集力がアウトプットに直結するなあと思った。どんなに良い研究をしていても、それを伝えるための文章が上手に書けなければ、伝えたいことが相手に伝わらない。あと論文やプレゼンは、研究の全体の中からその時にハイライトしたいポイントに焦点を当てて、決められた文字数や時間に収めるための編集力が重要。私は修士後のキャリアを編集者として始めた。その時、規定の紙面に収めるために文章を短くしたり長くしたりする経験を積んだ。そして次の会社はコンサルだったので、パワポを使って提案資料や報告資料を作ることが多く、パワポの作成とプレゼン能力が鍛えられた。今更、この時の経験が活きてくるとは。人生無駄なことはないな、と40代になって思う。あとは英語でこれらが不自由なくできるようになれば最高なんだけどなあ。

 

とりあえず、自分でまあまあ満足いく状態の予稿と発表要旨ができたので、月曜日の夕方にメールで送付して終わり。7月末に日本に行けたら良いな。ちなみに申請中の別の国際学会(アメリカで開催)は8月初にあるので、うまく行けば2つの学会をはしごすることになる。国際学会の方は3月末に結果が来るようなので、それが決まってから飛行機のチケットを取る予定。国際学会は世界から1万人もの参加者が来る大きな学会で、選定が厳しいため、OKになるかどうかがわからない。日本の方は何となく大丈夫な気がする。

 

研究の話はここまでで、日曜日に参加した祭りの話。メルボルンで開催されるお祭り、Moomba Festivalに行ってきた。実は2020年、メルボルンに来たばかりの頃に近所に住むイラン人ファミリーと一緒に参加した思い出がある。確かその1週間後くらいにロックダウンが始まったんだった。2021年はロックダウンの合間でイベントは開催されていたけど、参加人数を少なくするために、事前申し込み制で、気が付いたときにはチケットが全部Soldoutになっていて参加できなかった。それで2022年の今年は最後になるだろうから、参加してみることに。

 

2020年の様子

fourty.hatenablog.com

 

参加してびっくり。めちゃくちゃ混んでいた。改めてメルボルンって大都市なんだなあ、と思い知らされる。過去2年はコロナによるロックダウンの繰り返しで、メルボルンの本領を見ていなかったのかも。2020年はそんなに混んでいなかったので、この時は既にコロナのことを心配して参加を控える人が多かった可能性がある。気温も30度近く上がって、暑くて人混みなので、一気に体力消耗。一応おにぎりを作っていったがこれが大正解。フードトラックには長蛇の列で30分以上待たなければならなそうな感じ。乗り物も2020年に乗ったのが面白かったので、それに乗ろうと思ったら、東京ディズニーランドのように長蛇の列なので諦めた。いくつか景品がもらえる露店でぱっとしないゲームをしただけ。

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これがメルボルンの現実、祭りの人混み

 

私が一番面白かったのはちょうどイベント内にあるスケートパークで開催されていたスケボーの大会。Vansがスポンサーをしていて、13歳以下の男の子たちの決勝をちょうどやっていた。クイーンズランドニューサウスウェールズなど他の州からの参加者もいたので、全国大会のようだった。長男と年が同じくらいの男の子たちがめちゃくちゃ上手にスケボーを滑っていて、見ていて飽きなかった(でも暑いからと言って、家族に嫌がられて少ししか見られなかったのが残念)。

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暑くて人混みなので、オージーもイライラしているような人が多かった。帰りに駅までの道を歩いていたら、後ろからベビーカーをぶつけられた。後ろから「あんた、前の人にベビーカーぶつけないでよ!」という女性の声。それに対してベビーカーを押していた男性は「彼女が俺の前に来たんだ!」と自己中発言。人混みの中で私が彼の前を歩いているんだから当たり前なんだが。それにしても、私が英語がわからないと思っているのか知らないが、ずいぶんな発言。私は振り返って、大きな声でゆっくりと「I'm so sorry. You can go first!(ニッコリ)」と言って、わざとらしく道をあけてあげて、自分の家族とは離れて彼の後ろに。相手は無言。自己中野郎に恥ずかしい思いをさせるのが私の目的。器の小さい人には、嫌みで対応するのが一番良い。

 

そんな感じで祭り自体はいまいちだったが、これも良い思い出になるはず、と。最近、思い出作りに必死になっている自分がいる。最初の2年でできなかったことを最後の1年で取り戻そうとしている。

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快晴のメルボルン、ヤラ川越しに見えるシティ。祭りは川の両岸で開催