40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

別のキャンパスに出張

今日は1か月以上ぶり?に指導教官とのミーティングがあった。指導教官は2つのキャンパスで教えているため、両方のキャンパスに自分の部屋を持っているが、今日は私が普段所属している方のキャンパスではない方のキャンパスに出勤する日。ミーティングはZoomでやってもいいけど、もしよければ来てみる?と言われたので、その提案に乗った。なぜなら、これが実現すれば、2年以上ぶりに指導教官との対面ミーティングが実現するから。最後にFace to faceでミーティングをしたのは2020年の2月か3月。

 

そのキャンパスは私の家(≒メインキャンパス)とメルボルンのCityのちょうど間に位置する。キャンパスはメインキャンパスと比べてずっとコンパクトで、建物は7~8個くらいしかない。ちなみに私が普段いるメインキャンパスは森の中にあるような感じで、歩いてすべて回れないほど広い。広大すぎて全貌を把握するのが困難。昨日もキャンパス内を歩いていたら、通りすがりの道に迷った風の学生に、Information Technologyのビルはどこですか?と聞かれたが、私には見当もつかなかった。

 

話は戻り、朝9時に家を出て最寄り駅から電車で15分程度、Cityに向かっていく。駅からは徒歩数分。15分電車に乗るだけで、だいぶ街っぽい雰囲気になる。まず図書館に行ってみた。おしゃれだなあ。せっかくなので図書館のカフェでFlat whiteを頼んで、コーヒー飲みながらミーティングの準備。図書館のおしゃれ度では、こちらのキャンパスが勝ち。

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コーヒー片手に図書館のカフェスペースでリモートワーク

時間になったので先生の部屋に。実はまだこの大学に入学申請する前の、2019年のGWに家族旅行でメルボルンに来て、私は先生と顔合わせをした。こちらのオフィスに訪問するのはそのとき以来。今日話し合いたいアジェンダ5つをあらかじめメールで送っておいた。

 

1時間の時間を有効に使うために、挨拶も早々に1つ目の議題から。それは先日学会(AoM)にアクセプトされたFull paperのリバイス方針について。2人のレビュアーからコメントをもらっていて、そのうちの一人から、とある理論を使えばもっと私のペーパーの理論的枠組みが強固になるとの提案。その理論について先週からいくつかの論文を読んで、自分の中ではしっくりくる感じがあった。なので、その理論を使ってフレームを組み直したいと提案してみたが、結論として指導教官はその案に反対。

 

研究って難しい。その理論は私の興味にぴったり合っているし、今やっていることとも合っている気がするが、指導教官的に私がそちらの道に進むと、また文献を山ほど読んで理論構築しなければならないし、そもそも私のリサーチクエスチョンとの関連が弱いとの指摘。言われてみればそうなんだが…。レビュアーが特定の理論や領域を推奨してきたとき、多くの場合そのレビュアーはその領域の専門家であるとのこと。つまりレビュアーの推奨に従って枠組みを変え始めるときりがないという意見。とはいえ、じゃあ今の理論的側面が弱いと指摘されているペーパーをどう補強すれば良いのか、私はよくわからない。指導教官の案として、私が2年目の審査で行ったプレゼンがとても良かったので、その内容に変えれば良いのでは、ということだった。

 

この議論だけで最初の30分以上使ってしまった。でも大事なポイントなので対面で話すことができて良かったと思う。交通費9ドルかけたかいがある。次の議題はそのペーパーを投稿するジャーナルについて。私が考えていたジャーナルよりもハイレベルのジャーナルを提案してきた。AoMにアクセプトされたことが自信になった模様。でも自分で勧めておきながら、このジャーナルに採択されるのは厳しい、私も何回もリジェクトされたことがある、3回リバイスした上でリジェクトということもあったが、出してすぐにリジェクトされることもある、など。何やらリジェクトを前提としているような会話。まあでも高いところから狙っていきたいのだろう。そのジャーナルに向けてペーパーを書き直す納期として2週間後を提案したら、そんなに早くできないだろうということで、後ろ倒しになった。内容もさることながら体裁もジャーナルに投稿する前提に整えた上で1か月後に指導教官に提出することで合意。

 

3点目は学科内のGrant(助成金)について。数日前にGrantの募集があった。これに応募するつもり。採択されれば最大$5,000ドルが支給される。日本の学会とアメリカの学会のはしごツアーの旅費をほぼカバーできる。もし取れなくても大学から無条件で研究学生は$2,800程度の旅費の支給があるので、それを使えば多少負担は減るが。できれば自分のお金を使わずにすむようにGrantを取りたいところ。昨日急いでGrantの申込書を作ったので、それを出力した状態で見せて、赤を入れてもらった。やっぱり対面だとこういうやり取りが早くて良い。相手の時間を確保している間に済ませたい案件を全部済ませる作戦。数か所アドバイスをもらったので、それを反映して午後、再度メールで送ったら、先生の署名付きで返信がきた。仕事が早くて助かる!

 

4点目は、2週間ほど前に提出した16,000ワード分のオーストラリア企業の分析結果をまとめたドラフトチャプターのフィードバック予定についての確認。「長すぎる」とぼやかれた。「すみません、でも私は特に急いでいないので、お時間あるときにお願いします」とやんわりプッシュしたら、来週返したいけど再来週になりそうだ、とのこと。思っていたより遅いが、まあ私も他にやることがあるので特に困らない。指導教官も大変だ。

 

5点目は12月に向けたスケジュールの共有と博論提出に向けたタイムラインの相談。をしたかったがここで時間切れ。12月31日までの日別のガントチャートを作っており、自分の中でスケジュールはクリアになっているのだが、指導教官がいつのタイミングで私のドラフト(チャプターごと)をチェックしてくれるのかのすり合わせと合意をしておきたかった。今のところガントチャート上では私が勝手に決めているから。まあこれは急ぎではないので、次回の議題に回して良いだろう。というのも私とのミーティングが5分程度おしてしまって、指導教官の次のZoomミーティングが始まっており、参加者から携帯に連絡が来てしまったのだ。本当に忙しそう。

 

今回1時間のミーティングの中で色々とディスカッション出来て良かった。またこのキャンパスに来てみるのも良いなと思った。ちょうど昼時だったので、おなじみフリーフードの配布があったが、私は誘惑を断ち切り、一駅電車に乗って日本食を食べに行った。せっかく街の近くまで来ているから。子供の土曜校のボランティアをしているときに教えてもらった日本食屋。まあまあ美味しかった。でも系列店のラーメン屋の方が好きかも。

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他のキャンパスに来てまでフリーフードの列に並ぶのは辞めた

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ランチはちらし丼、まあまあ美味しかった

ランチ後はまた一駅電車に乗りキャンパスに戻った。大学院生向けのラウンジで2時間ほど作業。たまには出張も良いね。5月のはじめにミーティングを設定したが、また今日と同じ曜日なので、このキャンパスに来ることになりそう(もちろんZoomでも良いのだが)。こうやって移動できること、対面で打ち合わせができることが、日常が戻ってきた感じがして嬉しい。

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キャンパスをぶらぶらしていた時に見つけたコンピューター博物館。古いアップルやIBMのコンピューターの横にシャープやNECの製品もあって嬉しかった