40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

長男の小学校卒業と英語力の伸び

先週木曜日から夏休みに入って時間はあるはずなのに、あまりブログをアップできていなかった。2022年の最終日、今年中にアップしたいと思っていた長男の小学校卒業について記す。

 

オーストラリアの学期はカレンダーと同じ。1月に始まり12月に終わる。日本の学年だとまだ来年の3月末までは小学6年生の長男もオーストラリアでは今月小学校を卒業し、来月から中学校(オーストラリアは中高一貫のハイスクール)に行く。

 

卒業式は12月中旬、学校最終日よりも数日前にあった。日本のように形式を重んじる文化ではないので、セレモニーもカジュアルだったが、入学式がないことと比べると卒業は一応イベントとして設定されているようだった。長男は日本の小学校に3年間、オーストラリアの小学校に3年間とちょうど半々通ったことになる。6年前、桜の木の下でぴかぴかのランドセルをしょって写真を撮った時には、まさか卒業式をオーストラリアで迎えるとは想像していなかった。

 

オーストラリアの小学校は、12月に入ると学校自体が休みモードに突入し、ほとんど勉強もなく、ビデオを見たりクラフトしたりして毎日遊びのような感じだが、卒業式の日はまさしく遊び。いつもはユニフォームを着ていくが、この日は自分の好きな服を着て登校。日英バイリンガル小学校ならではの行事としては、ランチが日本式のお弁当。日本食料理屋からケータリング(もちろん支払いは各家庭負担)。昼間は和太鼓クラブの演奏などもあったようだ。

 

そしていつも通りに3時半にいったん下校。その後、5時半ごろに再度学校に集合。昼間の自由な格好とは少し違って、セミフォーマルに着替えてくる。女の子たちはほとんどがサマードレス。男の子たちは襟付きのシャツにズボンという組み合わせ。季節のせいもあるが、日本の卒業式の服装と比べるとカジュアル。親も正装ではなく、いつもより少し小ぎれいな格好をする感じ(会社に行くときのような)。

 

セレモニーは学校の校庭で。卒業生、先生たち、保護者が参列。1学年50名程度の小さな学校なので式もこじんまりとしていてよかった。和太鼓やウクレレのクラブ発表のあと、校長先生のあいさつ、クラスの担任の先生から一人ひとりに卒業証書の手渡し。記念撮影。その後、10名程度、優れた業績を出した子供たちの表彰。以上で1時間もなかった。日本の卒業式だったら歌を歌ったり挨拶があったりして、疲れるものの感動を生み出す雰囲気があるが、こちらはあっさりカジュアル。感動する余地もあまりなかった。

 

セレモニーの後は保護者有志によるディナー。参加者は総勢160名と9割以上の参加率だった模様。オーガナイザーをしてくれた人と話したけど、当初は30~40名くらいの参加だろうと見込んでいたが、ふたを開けたら160名という大人数の参加でびっくりしたとのこと。学校の近所のボーリングクラブ(ローンボーリングというオーストラリア特有のゆるいスポーツ)のファンクションルームを貸し切って行った。

 

我が家は不幸なことに次男が発熱していたので、夫と次男は家で留守番。私と長男だけが参加した。ちょっと寂しかったが仕方がない。仲良しファミリーと同席してあれこれ話すうちにあっという間に9時に。お開きとなった。

 

次の日も普通に学校があったのであまり卒業した実感がない。でも週末には近所のパブに行って家族でお祝いもした。

ローカルパブで卒業のお祝い

キッズメニューを頼めるのもあと少しか

私の都合で家族をオーストラリアに連れてきたけど、毎日学校が楽しくてしょうがないというくらいこちらの学校を気に入ってくれてよかったと思う。コロナによるロックダウンで9か月間も学校生活を失ったけど、今年は初めて1年連続して学校生活を経験することができ、何よりも英語力がかなりアップした。最初の2年間の苦しみは何だったんだろうというくらい。つくづくロックダウンが恨めしい。

 

Student report(いわゆる通知表)の担任の先生からの言葉を読んで、卒業式の時にはあまり感じなかった長男の成長にジーンときた。

 

4年生の前期はロックダウンで通知表のアセスメントがキャンセルになったので比較できないが、4年生の後期(オーストラリアに来て約1年)の状況で、英語力はかなり低く、EAL(English as an Additional Language、いわゆる英語を外国語として学ぶクラス)の中でも最低レベルだった(Stage BL)。成績表とは別の個別学習プランには、(長男)has communicated in Japanese that he is not motivated to learn English. とまで書かれていた。 

 

それが昨年11月にロックダウンが終わって、学校にフルで行けるようになった今年は英語力が爆上がり。2021年後期もまだStage BLだったのが、2022年前期には半年でStage B1, B2を通り越して、一気にStage B3(最終ステージ)までレベルアップ。

 

そして今回のStudent reportで初めて知ったが、2022年後期にはEALを抜け出して、オーストラリアで生まれ育ったネイティブスピーカーと同じ物差しで評価されるレベルまでいけたようだった。これは本当にめでたいことだと思う。今はまだ5年生のレベルとのことだが、それでも十分がんばった。もちろん本人の努力もあるが、改めて若いって素晴らしい。

 

担任の先生からの英語に関する評価。EALを卒業して通常の評価を受けることに対して誇りを持つべきと書いてくれている。

長男 is a student with a creative mind and inquisitive nature, who has performed well in English this year. He should be proud of moving off the EAL report and onto a mainstream report. 長男 diligently and accurately completed word study, reading group and homework tasks this semester.

 

この担任の先生は50代男性のザ・オージーな人で、良くも悪くもいい加減。保護者の評価は普通(he is ok, not badとか他の母親たちは言う)だが、長男とは相性が良くて、5年生と6年生の2年続けて担任だった。エネルギーが体中からあふれ出して、ムードメーカーでありつつも、調子に乗りすぎてうるさく怒られがちな長男。日本の小学校では若い女の先生を困らせて、私はペコペコあやまる日々。特別3者面談が設定されたこともあった(問題児認定)。そんな長男もオージーの先生からはこんなに褒めてもらえる。

I have thoroughly enjoyed teaching (長男) for the last 2 years. He is a very popular and friendly class member who has been a key contributor to the class. He has the confidence to share his opinions, has a clever wit and is an astute observer. His positivity is infectious; he encourages those around him and gives his personal best at whatever he does.

 

a key contributor to the classとか、his positivity is infectiousとか、日本では言われなかった言葉。オーストラリアは褒め褒め文化だが、やっぱり良い点をこうやって残してくれるのはうれしい。もちろんオーストラリアの学校でも色々やらかして、呼び出しされたり、電話で注意されることは数回あったが。最終的には本人の成長もあり、今年の後期は一度も呼び出しが無く、叱られるよりも褒められることの方が増えた。

 

来月末から現地のハイスクール。もうバイリンガル校ではない。12月のオリエンテーションに参加して、1日クラスで過ごしたらしいが、クラスに見た目アジア系(東アジア系)の学生は長男の他に女の子が一人いるだけで、日本語がわかる子が一人もいないという環境だったらしい。それでも早速、友達が3人できた!と言って帰ってきたので、何とかやっていけそうかな。

 

1月末からローカルのハイスクール、4月からこてこて日本の公立中学に通うという環境の激しい変化をたくましく乗り切ってほしいと願っている。

 

(補足)

子供の英語についてはあまり記事にしていないが、1年以上前に書いた記事がこちら。この後、数か月でチャレンジイングリッシュの小学校レベルを終えてしまったので、その後はオンライン英会話DMMを始めたが、それも子供向けのカリキュラムが終わってしまったので、今年の11月に一旦英語の勉強は終了した。奇しくも小学校のEAL離脱と同じようなタイミングで、自宅でも外国語としての英語学習を終了した。日本に戻ったらもちろん英語力キープのために何か追加でやってもらおうと思うが。

fourty.hatenablog.com