40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

日本語補習校にオンライン入学

久しぶりに子供の話。昨日から小4の長男がメルボルンにある日本語補習校に通い始めた。ロックダウンの真っ最中なので、もちろんオンラインで。これまでのいきさつ及び今考えていることを記事にしておこうと思う。

 

※ちなみにメルボルンには2つの補習校と1つの日本人学校がある。補習校とは…

在外教育施設の概要:文部科学省

補習授業校は、現地の学校や国際学校(インターナショナルスクール)等に通学している日本人の子どもに対し、土曜日や放課後などを利用して国内の小学校又は中学校の一部の教科について日本語で授業を行う教育施設です。日本人学校と同様、現地の日本人会等が設置運営主体となっています。
昭和33(1958年)年に米国のワシントンに設立されて以来、平成27年4月15日現在では、世界52カ国・1地域に205校が設置されており、約2万人が学んでいます。このうち、一部は、授業時数や授業科目が日本人学校に準じているもの(いわゆる「準全日制補習授業校」 )があります。
教育の特色としては、国語を中心に、施設によって算数(数学)、理科、社会などを加えた授業が、国内で使用されている教科書を用いて行われています。

 

背景(当初の考え~ロックダウン中の学習状況)

もともとは現地の小学校に通ってこちらのカリキュラムにそった教育を受けていれば、子供にとって貴重な週末の遊び時間を割いて補習校に通う必要はないかな、と考えていた。それよりも週末には日本ではできないような経験をすることの方が意味があると思っていた。また、オーストラリアには1月中旬に来たが、もし現地校の学習内容に不安を覚えたり、長男が補習校に通いたいと言った場合には、日本の学期に合わせて4月から入学すれば良いと考えていた。しかし、3月下旬からコロナによるロックダウンが始まってしまったので、補習校に通うかどうかの判断はずるずると先延ばししていた。

 

そんな中、7月上旬から2度目のロックダウン。現地校には実質2か月弱しか通えておらず、長男の英語力がなかなか向上しない。毎日現地校が自宅学習用の課題を出してくれるが、本来5時間程度かけるものが2時間くらいで終わってしまう(これは英語の課題を簡単にしてもらっているせいもあるが、算数が簡単すぎることもある)。ロックダウンの長期化により、自宅学習がデフォルトになる中で、長男に小4として必要な学力が身についていないのではないか、とだんだん不安を覚えるようになってきた(それどころか日本の小学校で積み上げてきたものが失われているような気さえするようになった)。

 

対策としては、ベネッセのチャレンジ4年生を続けてはいた。これはやらないよりは良いものの、あくまで学校の勉強を補完するツールであるため、学校で教わっていないことをベネッセだけで定着させるのには難しいことに気が付いた。このままでは、オーストラリアにいるうちは何とかごまかせても、3年後に日本に戻った時に本人が苦労することは目に見えている。また、親として子供に最低限の教育すら受けさせられていないことに対して、大きな責任を感じるようになった。

 

補習校への問い合わせ~入学試験

7月上旬に2回目のロックダウンが始まったが、感染者がどんどん増えてロックダウンの長期化と厳格化が予想された。冬休みが終わり、7月下旬から9月下旬のターム3がすべて自宅学習になることが分かってからは、いてもたってもいられなくなった。メルボルンにある日本語補習校2校のうち、家から近い方の学校のホームページのフォームを使って問い合わせてみたが、返事がないので8月になってからメールアドレスに再度問い合わせをした。そうしたら、校長先生からすぐに返事をもらえた(ホームページのフォーム機能に不具合が出ていたとのこと)。

 

事情を伝えたところ、ロックダウンのステージ4が始まってからの入学希望は、私が初めてとのことで、どのような形で入学審査を行えるかを検討してもらえることに(ステージ4になる前は、学校で入学試験と面接をされていたとのこと)。1週間後に返事があり、Zoomでつないだ形で入学試験と面接を行うことになった。この時点では長男は乗り気ではなく、何とか説得。とりあえず試験だけならいいよ、ということで、2週間前の土曜日の朝9時からZoom開始。

 

試験開始の10分前にメールで送られてきた試験用紙を急いで家のプリンターで出力し、Zoomの接続でバタバタしながらも、何とか試験と面接を受けることができた。長男は校長先生と話をして、Zoom越しに見守られながら久しぶりに日本式のテストを行った。校長先生が話を聞いてくれること、ほめてくれること、試験にはできない点もあったができる点もあり、試験と面接後、長男は上機嫌だった。先生に「試験はどうだった?」と聞かれて、「日本のことを思い出して懐かしかった」と答えていた長男。とにかく一番ハードルになる本人のやる気の面がクリアできたようで、私もほっとした。

 

入学手続き

数日後、無事に入学許可の連絡があり、長男の意思を再度確かめた上で、入学手続きをした。長男は「宿題だけなら良いけど、授業に出るのは嫌」と言っていたが、何とか説得。慣れ親しんだ日本の学校からオーストラリアの学校に転校させられた上、ロックダウンにより学校にほとんど通えないことから現地の友達もできず、分からない英語を使って毎日現地校の課題をこなすこと数か月。そこにきて、さらに日本語の補習校という新しい環境。100%遊びに使っていた土曜日に勉強しなければならなくなる。前向きになるのが難しいのは当然。大人よりも子供の方が難しい環境にいると思う。とにかく、私が全力でサポートすることを伝えて、納得してもらう。

 

通常の入学手続きだけでも結構書類が多くて煩雑だが、その上、現在はオンライン授業なのでその為の設定や手続きもある。でも先生方の対応がとてもよくて、ありがたかった。ちなみに補習校は公立ではないため授業料がかかるが、日本の文科省とVictoria州政府からの補助を受けているため、そこまで高くはない。通常、土曜日の9時から14時半くらいまでの授業で1日当たり30ドル程度、年間で10万円くらい。オンラインでも授業料は基本的に変わらない(少しだけ減額)。

 

初めての授業と課題

通う補習校は幼稚園から高校までのクラスがあり、全体で500名程度の生徒がいるとのことでかなり大規模(ただし日本企業の撤退や縮小等により日本人の一時滞在者が減り、永住者やオーストラリア国籍の子が多いらしい)。小4は3つのクラスに分かれており、1クラスあたり10数名という少人数クラス。所属するクラスと担任の先生の連絡があってからは、担任の先生とメールのやり取りを始めた。

 

教材は日本の教科書とドリルなどの副教材。教科書は日本を出国する前日にこちらの機関にとりに行っていた。やっと使う時が来た。ドリルなどの副教材は、もうすぐ終わる上巻の分を先生がすべてスキャンして送ってくれたので、それをプリントアウトして使う。授業の2日前である木曜に時間割と課題が送られてくる。かなり課題は多い。金曜日はこちらの現地校は自由学習になるため、金曜日に半分くらい終わらせておくことにした。

 

土曜日の朝、担任の先生とテスト接続および挨拶を行った(使っているソフトはMicrosoft のTeams。ちなみに現地校はCiscoのWebex)。オンライン授業は、担任の先生の進行が素晴らしくて感動してしまった。ものすごく時間と手間をかけて準備してくれているのがわかる。現地校はオンライン授業はないので(1日1回Webexをつなぐが、コミュニケーションがメインで勉強を教えてもらうわけではない)、長男にとっては初めてのオンライン授業。授業はとてもスムーズで、長男も集中して取り組んでいたので、オンラインでもこのタイミングで入学する意味はあったと感じた。私はただでさえ長男の学習のフォローに自分の時間を使っているが、それが補習校へのオンライン入学によりさらに増加する。でも、これは意義ある時間の使い方だと確信できる。何とか本人のモチベーションを維持しながら続けていきたい。

 

オーストラリアと日本の小学校の違いは以下の記事に書いたが、リモートラーニングでもこの違いが顕著に出ていた。このことについては、今度別の記事に書こうと思う。

 

fourty.hatenablog.com

 

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記事とは関係ないけど、昨日散歩中に見つけた猫がかわいすぎて写真を撮った。体の色がカフェオレみたいですごくきれい。人慣れしていて、近づいても警戒しない