40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

秋からの大学院授業の準備を始めた

7月は長男の高校受験関係の情報収集(学校探し)や学校見学、英検受検(高校受験の加点になる)の付き添いなど、子供関係で週末を忙しく過ごしていたが、それも8月になって落ち着いた。フランス人は8月になるとバカンスに入るから、本社の動きがピタッととまり、また国内でもExpatsとして日本で働いている社長を含む役員たちや外国籍の従業員が国に帰るので、閑散期となる。

 

そこでようやく、週末の時間を使って11月から始まる非常勤講師の資料作りに着手できる状況となった。授業は土曜日の午前中に100分×2コマ連続。200分の授業ってやる方も受ける方もヘビーだなと思う。この授業を引き継ぐ際に、先生からは最初の1コマは講義にして、次の1コマはディスカッションにするとよいとアドバイスをもらったので、オーストラリアの大学の場合のLectureとTutorialの組み合わせのようなイメージか。

 

今更気が付いたけど、私は修士も博士もオーストラリアの大学で取得しているので、日本の大学院がどんなものなのかを知らない。なおかつ博士の時は授業はなかったし、コロナ禍で小学校が閉鎖されていたせいで自分の子供の家庭教師と自分の博士研究の両立だけでいっぱいいっぱいだったから、多くの博士学生が経験するTeachingをしていない。こんな状況なので、大学院における授業について、どんな感じなのかゼロから考える必要がある。

 

とはいえ、シラバスはすでに年初に作成し、4月には学校のシステムで公開されているので、そのシラバスをもとにまず初回(1回目と2回目)の授業資料を作ってみることにした。どれくらいの時間がかかるのかもわからず進めてみたが、トータルでフルタイム2日分くらいで出来上がった。これに授業時間も足すと、とてもじゃないけど企業の仕事とは比較にならないほど安い時給。でも2年目も同じ内容でやるなら、準備はほぼ丸ごとカットできるから、ある程度は取り戻すことは出来る。私の場合、既に月~金は会社員の仕事があるから、この土曜日の非常勤講師の仕事はそもそもお金のためではなく、今後のキャリアのためにやっているとはいえ。

 

資料を作る際に役に立ったのが、2020年、博士課程の初年度にボツになった初期のころのLiterature review。今読み直してみると、博士論文としては的外れもいいところで、全然ダメなんだけど、資料としてはまあまあ良く出来ている。過去の自分に助けられたような気分。5年前に自分で書いた英文をAIで和訳して、それを箇条書きにしてみたり、その文章を書いているときによりどころにしていた英文の教科書を読み直して補足したり。皆がお盆休みに入っている今、没頭して楽しんでいる自分がいた。

 

1コマ目の講義資料が大体出来上がって、次はディスカッション用のケーススタディを探し始めた。アメリカの有名大学が作っているビジネスケースを使いたかったけど、学生1人当たりでお金が取られる場合もあり、なかなか使えるものがない。ハーバード大学の公共政策大学院は、教師向けに無料でケースを公開しているので、非常勤講師をする大学の肩書とメールアドレスを使って申請したら許可されたが、内容的に私が教えたいこととぴったりではない。結局、AIでケースのドラフトを作って、そこに自分で補足するスタイルでとりあえず形にしてみたけど、なんかいまいちだな。ケースを作るって意外と難しい。

 

私が教えるコースの受講生の多くは社会人大学院生で、平日の仕事終わりと土曜日に授業を取りにくる多忙な人達。それを考えると初回のクラスでなるべく全体像を示したいと思って、そこを組み立てるのに少し時間がかかった。例えば評価については詳しくはシラバスには書いていない。でも自分が受講生だったら、いつ最終レポートの課題が出されて、いつが締め切りなのか早く知りたい。特に年末年始を挟むから、家族がいる人は冬休みだからと言って時間があるわけではない(かえって帰省などでいつもよりも自由時間がない可能性もある)。

 

レポートのお題はどうするか、レポートの長さはどれくらいが適切なのか、なども同時に考えておく必要がある。自分がオーストラリアでコースワーク修士をしていた時の朧気な記憶では、レポートは大体中間と最後にあり、中間のミニレポートが1,000~1,500 wordsくらい、最後のレポート(試験の代わり)が3,000~5,000 wordsくらいだったような?日本語の文字数は英語の単語数の2倍程度らしいので、最後のレポートは1万字くらいかと思ったが、ネットで調べるとそんなに多いのは珍しいみたい。この辺りは今度、前任者の先生に聞いてみたいと思う。

 

新しいことをするのには、最初は効率が悪いし、時間もかかる。でもその分、知らないことを調べたり、初めてのことをするのはワクワクする。この気持ちを持ち続けながら14回コマ分の準備を10月末までに終わらせたい。9月中旬からバカンス明けのフランス人が年末に向けてアクセルベタ踏みするせいで、本業の仕事が忙しくなって週末に予定が入ったり、平日の疲れで土日にワークするのがつらくなったりする。だから、彼らが遊んでいる8月中に副業の準備をどれだけ進められるかが勝負。日本は秋に祝日が多いから、そこも当てにできるけど、8月中に半分は終わらせたいなあ…

 

それにしても、先週はついに住んでいるところの気温が40度に達して本当に暑かった。よりによってその日に年休をとり、次男と市が開催している夏休みイベントに参加。。この暑さで、毎日犬の散歩を朝6時から行くようになった。6時の時点で公園にものすごいたくさん人がいて、明らかに1日のピーク(逆に昼間は閑散としている)。犬の散歩がてら、次男はラジオ体操を続けていて、毎日スタンプとお菓子をもらうという小学生らしい夏休みを過ごしている。日本のこういうところ、いいなあと思う。

 

近所の公園で毎朝ラジオ体操

裏庭でとれたスイカが甘くておいしかった!