40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

博論に真剣に向き合う日々

最近、研究の話ばかりブログに書いている。プライベートでも書きたいことはあるがとりあえず本業の記録から。これらの記事の続編。

fourty.hatenablog.com

 

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先週、カナダ帰りの指導教官にお願いしてミーティングを設定。見直している理論的フレームワークについての意見をもらうのが目的。2021年と2022年に出た論文を踏まえて自分の理論的フレームワークとディスカッション全体を書き直すことにしたので、まずは理論的フレームワークの方向性がおかしくないかを文章を固める前に確認。もうFinal Reviewまで時間がないから、一日も無駄にできない。

 

木曜日の午前中に時間を取ってもらって、前の週に引き続き1時間以上、Zoomでみっちり理論について話し合い。ミーティングが終わった後は頭痛。方向性は大体OKだったので理論的フレームワークに沿って記憶がフレッシュなうちに、ディスカッションで書く説明モデル(私の論文の主要な貢献)の図を色々といじっていた。頭痛は消えない。3時過ぎに限界が来て帰宅。もう研究をする頭は残っていないので、夕方は博士課程中に受講しなくてはならないオンラインコースを受ける時間に使った。

 

翌日も頭痛は消えない。パナドールを飲んでみるもののあまり効果なし。自分の脳の限界を超えて使いすぎているせいなのか。パソコンがブーンと音を立てるように、私の脳も悲鳴を上げている。普通の人が博士課程をやるなんて無謀だったのかな。私の周りに博士号を取った人は数人しかいないし、その数人もすべて日本の大学で取っている。海外で博士号を取った人は一人もいない。私は無謀なことをしようとしているのではないか、と不安に思い始めた。

 

それでもやるしかないので、翌日、理論的フレームワークの章の執筆に戻る。頭痛と戦いながら3時ごろまで頑張るが、やっぱりそれ以上できない。書き直した理論的フレームワークの章を指導教官にメールで送付。オフィスにいても研究ができる脳みそが残っていないのでキャンパスを出た。自転車で帰宅途中、美容室に行くことを思い立つ。最寄り駅の近くに韓国系の美容室があるので、飛び込みでそこに行って髪を切ってきた。日本人が美容師として働いているシティのサロンまで行かなくて済んだ。時間とお金の節約。

 

土曜日の朝になっても頭痛が消えない。頭痛がすると気分も憂鬱。この日は子供を土曜校に送り出した後、家の掃除をして、夫とまた土曜校に。子供の授業参観。30分で引き上げて、近くにある日本食品卸のアウトレットセールに。1ドルや2ドルで賞味期限切れの食材をゲットしてきた。

オーストラリアでは賞味期限切れの食材も販売できる

その後、2人で私の誕生日ランチに。近所にあるが行ったことがなかったイタリアン。外から見ると何の変哲もない場所だが、中はおしゃれなレストラン。郊外の隠れ名店?パスタがおいしくて感動。調子に乗ってスパークリングワインを2杯も飲んだ。

 

ランチが終わってみると頭痛が消えている。ストレスだったのかな。アルコールのせいで少し頭がぼーっとする。その後、再び土曜校に送ってもらい、2週間後にある学校行事の打ち合わせに。ワイン2杯ひっかけて保護者ミーティングに出ている母親なんて私くらいだろう。幸い顔にほとんど出ないので、ほろ酔いで学校に行っていることはばれていなはず。最近、長男の小学校卒業とハイスクール入学関連で何かと手続きや行事が多い。

 

頭痛が消えてきたので、週末は研究のことを考えないことにした。日曜日はモーニントン半島に一日日帰り旅行。時間があれば別の記事に書きたいと思う。

 

そして月曜日。頭痛がない状態で研究に向き合える。土日に気分転換出来たおかげで、前の週みたいなネガティブ思考は消えており、もうやるしかないんだ、という気持ちで向き合えた。博論で一番キーとなるディスカッションの章を大幅に書き直し。理論的フレームワークを見ながら、理論的な貢献、深いインサイト、解釈などを意識しながら書き始めた。幸い書きたいことはある。それが博論的に合っているのかどうかは自分で分からない。

 

月曜日も天気が良かったので、昼に自転車で大学近くのショッピングモールまで出かけ、一人ランチをした。それが良い気分転換になり、午後も午前中のような集中力で向き合うことができた。しかし4時過ぎになるといつも私の脳は疲れてきて終了。早めに帰宅して夕食の準備。夕食後はいつものように英会話。オンライン英会話は今でも週に5日やっているが、やる前は面倒に思っても、いつも気分転換になるのでよいルーティーンになっている。

 

昨日、火曜日も頭痛なし。月曜日のように時間を過ごしたいと思って取り組んだ。月曜日ほど頭の切れは良くはなかったが、悪くないコンディション。昼はキャンパスで前日のランチの残りを食べたが、意識的に脳を休めるため、キャンパス内を散歩。あえて長めに休憩を取り午後に備える。いつもなら同室のPhD仲間とおしゃべりをする時間だが、そのおしゃべりに脳をあまり使いたくないので、一人の時間を作った。午後もまあまあの作業進捗。このペースで行けば何とか形にはなりそうだ。しかし質の問題は残っている。

 

夕方帰宅して夕食を作っていたら、6時頃に指導教官からメール。先週金曜日に提出した理論的フレームワークのフィードバックをくれた。早い。先生も私のプロジェクトが時間的にタイトなことを十分認識してくれている。Still a bit of work to do but it is taking shape. とのこと。Final reviewまでもうワンサイクル回せるので、何とかなるかな。夕食後に添付ファイルを開いたらたくさんのコメントと修正。Literature reviewとの関連を指摘されていた。指導教官の手元にあるLiterature reviewの最終ドラフトは2020年になっているので、最新バージョンを参照して言及する指示。

 

そもそもLiterature reiviewは2020年の夏ごろのものが最新バージョン。指導教官と情報の非対称性はない。どうせ書き直すことになるとわかっていたので、それから触っていないのだ。Final reviewのためにLiterature reviewの最新バージョンは必要ないので、12月以降にアップデートすることになるだろう。まだまだやることあるなあ。章ごとのリンクを意識するようになるというのはステージとしては進んで来たと思ってよいのだろうか。

 

先々週~先週が博論に関してメンタル的に一番つらかったが、今週は吹っ切れてあとはやれることをやるだけモードに。今週中に何とかディスカッションの章の書き直しを終えて、来週月曜日までに指導教官に送付する予定。頭痛が再び来ないことを祈っている。アスリートが身体のコンディションを整えるように、私は脳のコンディションを整えることに意識を向けている。

 

ここにきて日本から持ってきた本の内容と自分の研究がつながってきた。原著が英語のものは図書館で英語版を借りて参照している