40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

学内シンポジウムで発表&チェア

先週、水曜日は1日オフを取り、シティに出かけて友人とカフェ巡り。研究が煮詰まっていたので良い気分転換になった。木曜日と金曜日は学内のシンポジウム。木曜日はオンライン、金曜日はIn person という組み立てだった。個人的にはハイブリッドでやればいいのにと思った(以前別の学会のハイブリッドセッションのオーガナイザーをしたけど、学内のITシステムが優れモノで何のトラブルもなくいくつものセッションを進行できた)。

 

私は今回発表しないつもりだったけど、同室のスリランカ人のPhD友人が別の学会で発表する内容をそのまま学部のシンポジウムで発表すると聞いて、私もその手法を採ってみることに。以前オーストラリア企業向けにプレゼンした内容をほぼそのまま使うことにして発表を申し込んだ。

 

オンラインでもIn personでもどちらでも可、にしたらオンラインになった。どうやらIn personを希望した人の方が多かったようで、オンライン可の人はほぼすべてオンラインに。Zoomは楽だけど、あまりシンポジウムで発表している感がない。練習は2回だけして、さくっと発表。質問も難しくないのが2つきた。いつもQ&Aは嫌だったけど、今回は学内ということでいじわるな学者もいないし、自分も英語でのプレゼンやQ&Aに慣れてきたせいもあってスムーズだった。

 

私の今回のシンポジウムの懸念は、突然一つのセッションのチェアを任されたこと。シンポジウム前日の水曜日にオーガナイザーから連絡があり、チェアの一人が体調不良で出られないから、代わりにチェアを引き受けてくれないか?と。他にも頼む人いるでしょう、と思ったし、自分の研究に時間を使いたかったけど、なんとなく断りづらくて引き受けてしまった。英語でセッションのチェアをしたことはないので、GoogleでConference session chair scriptと検索して、色々な資料をつなぎ合わせて原稿を作った。とてもじゃないけど、今の私の英語力では原稿なしでチェアなんてできない。

 

チェアを任されたのは金曜日のIn personのセッションの一つ。オーガナイザーがちゃんとオーガナイズしてくれているわけではないので、発表者3名の資料も当日の朝に自分から聞いて送ってもらい、Laptopを持ち込んで、機材のセッティングから。以前、カンファレンスで使ったシステムと同じだったので比較的迷わずにセッティングできた。オーストラリアのこういうところ、すごいと思う。誰かに何かを任せても、その後、特にフォローしないという。引き受けた時点で100%その人の責任になるから、何か分からないことがあれば全部引き受けた側が対応することが基本(誰かに聞くことも含めて出発点はすべて自分)。

 

パソコンの接続、資料の受け渡しも無事に済んで、いざセッション開始。20名ほどの参加者が会議室に集まっていた。一人当たりの発表時間は15分。これもオーストラリアあるあるなのか、みんな発表の練習をちゃんとしてきていない。明らかに時間オーバーになりそう。急いで「1 minute」とA4の裏紙にボールペンで書いて、プレゼンターに見せられるようにしたけど、それに気づかずずっと話し続ける発表者も…。みんな聞き入っているので途中で入るタイミングも難しく18分になって、さすがに介入した。

 

発表時間を守ったり、準備をきちんとするというのは日本ではほとんどの人がやる当たり前のことだけど、必ずしもそうじゃないのが海外(オーストラリアだけではないはず)。チェアに当たってから、台本作って、発表者3名から資料取り寄せて、ITのセットアップをして、発表が始まったら時間を測って、発表者に残り時間を知らせて、QAをハンドリングして…なんかどっと疲れた。

 

これを日本語でやるなら100倍簡単。何の問題もない。会場20名を見渡して、明らかに私が一番英語ができない。教授陣含めて半分以上はネイティブだし、留学生もかなり英語が流暢な人ばかり。なぜ英語に不自由している私がチェアをやっているんだろう、と不思議に思う。ネイティブのやつら、座って聞くだけなんて楽しすぎだぞ。第二言語で頑張っている人にチェアを押し付けるんじゃなく、もっと自ら進んで貢献してほしい。

 

今回チェアしたセッションの発表者3名のうち、2名はオーストラリアのローカル学生で1名はインドネシアからの留学生。間近で見ていて面白いと思ったのは、英語に何の問題もないオーストラリア人の男性(白人)の手が発表の間ずっと震えていたこと。母国語でプレゼンするなんてこんな楽なことはないのに、それでも緊張するんだ、と新たな発見だった。母国にいて母国語で発表してこんな状態なんだから、外国に行って外国語で発表しろと言われたらかなり難しいだろう(というか現時点では無理だろう)。そう考えると、すべての英語非ネイティブ留学生は本当に難しいことにチャレンジしている。私ももっと自信を持っていい。

 

チェアしたセッションの後、友人の発表も聞きたかったけど、めちゃくちゃ疲れたので一旦自室に戻ってクールダウン。疲れすぎて研究はできないから、Youtubeでジャズ聴きながら、12月に行くANZ学会@ゴールドコーストの費用申請書類を作成。書類を全部そろえてPDF化し、Itineraryを作ったりして地味に時間がかかる。今回、トータル費用が1,500ドル程度。全額大学からのGrantでカバーされる(はず)。予算はまだ余っているから、どうせならもっと良いホテルにしておけばよかったかな、とかちらっと悪いこと考えたりも。

 

夕方になって閉会式&交流会。こちらも一応顔を出すことにした。英語まみれで疲れるが、これもPhD最終年としての思い出作り。チェアしていたセッションに参加していたスリランカからの留学生(仲の良い友人ではなく顔見知り程度の人)から、チェア良かったよ、と言ってもらえて報われた。私もこういう声掛けができる人になりたい。

 

立食パーティでの英語はさらに難しい。研究のことや家族のことを話したり聞いたりするのは良いのだけど、それ以外の軽口的なことやジョークなどはハードルが高すぎてまだ無理。日本語でももともとそういう話をするのは苦手な方なので、英語でできるわけもなく。でもみんながみんな社交的なわけではなく、気が付いたら会場の半分くらいの人は帰宅していた(笑)。そんなもんだよね、と。来週からまた自分の研究に集中しなくては。もう12月のFinal reviewに間に合わない可能性もあるけど、できるだけのことはする。

 

交流会は学内のバーで開催されたが、軽食でミニ手巻き寿司が出てきた