40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

子供の行事で忙しい日々

この数週間、忙しすぎて一週間があっという間に過ぎていった。コロナ規制がない通常の生活ってこんなに色々なことが次々にあるのか!という発見。とにかく2人の小学生の息子たち関連でほぼ毎日何かがある。現在、子供たちの学校は1年を4学期に分けたうちの2学期目。2学期はなぜか行事が多く、毎週何かしらの行事がある。その中から印象に残っていることをいくつか。

 

長男のクロスカントリー

3kmという中距離レースで、トラックではなく野山を走るレースをクロスカントリーというらしい。オーストラリアの子供たちにとっては冬のスポーツの定番のようだ。2020年はロックダウンで何もなく、2021年はロックダウンとロックダウンの合間で予選のみ行われた。長男は学年で(おそらく)一番小柄だけど、足はまあまあ速い。短距離も長距離でも学年で3番目くらい。昨年も学校から選抜され、地区のレースに出た。地区レースでは6~7の小学校が集まって各学年100名以上が走るが、10位以内に入ることができれば次のステップである広域のレースに出られる。昨年は12位だか13位だかで惜しくも落選。それが悔しくて、今年は地区レースで絶対に10位以内に入る、というのを目標にし、近所に住んでいる1学年下のオージーの男の子と家の周りを走って自主トレしていた。

 

多分、オーストラリアの学校関連の行事は皆そうだと思うけど、普通に平日に行われる。つまり地区レースや広域レースに選ばれれば、その子供たちは授業をさぼって走りに行けるというインセンティブ?がある。地区レースの会場は自宅から車で20分くらいのところにある公園。子供たちは学校からバスで。レースに出ない子は学校で留守番。

 

昨年はレース自体にあまり興味がなく観に行かなかったが、今年は本人がずいぶん張り切っているのと、もうオーストラリア生活での最後になるだろうから、ということで夫と2人で朝から観に行ってみた。最初スタート切った時は後ろの方だったが、最終的に8位でゴールし次のステップに行けることに。ちなみに6年生で1位になったのは長男の親友。スポーツ万能な友達。通っている小学校から6年生男子で広域レースに出られるのはその子と長男の2人。6年生女子、5年生女子でも1位や2位でフィニッシュする子が多く、小規模な学校ながら総合成績は2位、ハンディキャップ(中小規模学校)を考慮したら総合1位を取っていた。ちなみに自主トレを一緒にしていた5年生の友達も10位以内に入れたようだ。日本語バイリンガル小学校がまさかスポーツも得意だったとは!私はもう一度楽しませてもらう機会が来た。

寒いけど気持ちよく晴れた日に開催されたクロスカントリーの地区大会

今回、子供のスポーツを応援する楽しさを始めて知った。こんな気分なんだ。私の弟は高校生の時にラグビーが強い地元の県立高校に入って、花園(全国大会)に出場することができた。当時母もフルタイムで仕事をしていたが、姉の私から見るとちょっと引くくらい応援に熱中していたことを思い出す。

 

長男の眼鏡破損とシューズ購入

とにかくアクティブな長男なので何かと色々なものを壊したりダメにする。最近、眼鏡が壊れた。学校の休み時間にボール遊びをしているとき、友達と言い合いになり、相手が足を引っかけてきて、長男が転び、眼鏡が吹っ飛んでフレームが割れた、とのこと。メルボルンに来て長男の眼鏡を買うのは3回目。フレームを壊すのは2回目。頼むわ。。近所の眼鏡屋さんに行ったら、顧客データをパソコンで調べて、店主が一言「君たち、僕のところで眼鏡を作るのは3回目だね…!」。まあ普通、2年の間に3回も眼鏡作らないよね。

 

長男は視力が低いためレンズが高く、レンズだけで300ドルくらい。今回はフレームの破損なので、何とかレンズはそのまま使いたい、と思っていたところ、メーカーに問い合わせたら運よく最後の1本が残っていたとのこと。助かった。ちょうどモデルチェンジした後で、「君たちはラッキーだ」と言われたけど、まあ複雑な気分でもある。フレーム交換だけで80ドルで済んだ。「85ドルのところを80ドルに負けといたからね!」と言われたので「Thank you!」と答えたら、内容を理解していないと思われたのか、また「85ドルのところを80ドルにまけといたからね!」と同じセリフを言われた。「5ドルのディスカウント、ありがとうございます」と言ったら、満足そうだった。

 

何かと金がかかる長男。先週末にはレース用に靴も新調。地区レースのときはスケッチャーズのスニーカーを履いていたが、やたらと消耗が激しい。2か月ほど前におろしたての靴なのに、もう何年も履いているかのようなボロボロ具合。毎日どんだけ運動しているんだか。この靴でレースをするのは可哀そうかな、という気もして、奮発してアシックスの靴を買うことに。オーストラリアではアシックスは高級ブランド?アスリートやスポーツ愛好家が好むブランドで、ナイキやアディダスなんかよりも靴の性能は優れている分、値段も高い。アシックスの直営店を調べたら、シティに1軒とシティ近くにアウトレットが1軒。アウトレットの方に行くことにした。

 

シティからヤラ川を挟んで反対側にある、比較的新しく開発されたエリアにアウトレットモールがあった。日曜日の午後だったので混んでいた。アシックスで好みの靴が見つかって購入。定価100ドルが70ドルになっていた。キッズ向けトレイルランニング用のシューズで、ソールがしっかりしているから、クロスカントリーにもちょうど良いし、激しい動きをする長男にぴったり。でも子供のスニーカーで70ドルは高い…。せめて半年は履いてほしいところ。ちなみに大人のスニーカーのコーナーも見たがほとんどが200ドル以上。でもお店は混んでいてよく売れているようだった。

 

買い物を終えてふらっとしていたら、なんと長男の友達家族にばったりあった。住んでいるところから結構離れているのに、こんなところで会うってすごい偶然!この友達は2020年のロックダウン中に偶然公園で会うようになって仲良くなった家族。長男がメルボルンに来て最初に仲良くなった友達でもある。ちなみに4人きょうだいで、下から2番目の子は次男と同じクラスになったこともあり、家族ぐるみでの付き合いをしている。最初、ヤラ川沿いでおしゃべりしていたけど、川沿いにパブやらレストランやらが並んでいるから、ビール飲もうということになった。お互いの家で食事をしたことはあるけど、外で一緒の飲むのは初めて。新鮮だった。

 

そのうち、友達のお父さんのご両親まで合流。アイルランドから35年前に子供を7人連れて移住してきたという話を聞いた。16歳の時に英国空軍にメカニックとして入隊。アイルランドで出会った奥さん(長男の友達から見るとおばあちゃん)はまさかメルボルンに住むとは思わなかったとのこと。英語が通じるとはいえ、異国で立派に育て上げたことがすごいと思う。やっぱり移民1世はバイタリティがある人が多い。オーストラリアで出会う60代、70代の人の人生話は面白い。大抵どこかの国から移住してきている。それぞれのライフヒストリーが世界の歴史やオーストラリアの歴史とリンクしているようで、聞いていて飽きない。

 

アウトレットモールの裏側はヤラ川、東京の隅田川沿いを思い出す風景

 

次男の社会見学

次男にも行事があって、2週間前にはMelbourne Museumに社会見学。こういう行事がオーストラリアの学校にもあるんだ、と今更わかった。過去2年は本当に何もない、グレーな日々だった。

 

小学校の授業参観

今週は授業参観。時間があまりなかったので、急ぎ足で子供2人のクラスを見学。2年生の次男は日本語の授業で得意げだった。Wearという英語が日本語では、身につけるものによって、着る、履く、かぶる、巻く、など違う言い方になるというのを学んでいて、結構難しい内容だと思った。日本語の授業の見学では、もちろんローカルのオーストラリア人の親も来ていて、親が全く知らない言語を子供が習得しているのがどう見えるんだろう、と不思議でもあった。

 

6年生の長男は英語の授業。レベルによって分かれたグループごとにそれぞれのワーク。一番英語レベルが低い長男のグループでは、4人の生徒が先生を囲んで輪になって床に座り、音読をしていた。驚いたのは、他の子供たちもグループごとに別のことをしている。長男の仲良しの友達2人がちょうど近くにいたので覗いてみたら、パソコンで算数のアセスメントをしていた。英語の授業で算数をやるのか、と驚き。もちろん先生の指示に従って進めている課題。また別の子供たちは、長男が読んでいる本とは別のワークブックを各自進めていた。こういうのはバイリンガルスクールならではなのか、それともオーストラリアの小学校の標準なのかは分からないが、同じクラスにいるからといって、同時に同じことを学ぶわけではないというのが新鮮だった。

 

補習校(土曜校)関連

日本語補習校は日本の学期に合わせて4月から新学年になるので、学期の最初の4月~5月は係決めやクラス会などが多い。提出物も多く、地味に時間を取られる。現地校は大抵オンラインで済ませられるのに、土曜校にはコロナ禍を経てもまだ紙文化が残っている。変なところで日本の特徴出さないでくれ。試しに長男次男それぞれの担任に、記入した提出物をPDF化してメールで送ってみたら、1人の先生はこれでOK、もう1人の先生は「原本を出してください」とのこと。捺印もサインもしないような提出物なのになぜ原本が必要?紙で保管したいのであれば、PDFを学校のプリンターで出力すればよいだけだと思うが?私ってめんどくさい親になってるだろうか。子供に家族の個人情報と子供のプライバシー情報が書かれた紙を渡したくない。子供が途中で無くすリスクが高いので、嫌なんだけど…。

 

あと各種支払いも現地校のようにオンライン決済や振り込みではなく、現金払いが好きな土曜校。今日も写真撮影のために14ドルという微妙な現金が必要で、普段現金をほとんど使わないから、私も夫も10ドル札や5ドル札を持ち合わせていなかった。いつもより早く、7時前から弁当を作って朝食も済ませた上で、朝7時半から開いているパン屋にわざわざ出かけて、20ドル紙幣を使って現金で支払い、お釣りをもらってきた。何なんだろうな、この紙と現金文化は。誰のためにこんなことやっているんだか。日本に帰ったらこういうのにうんざりしそう。モンスターペアレントにならないように気を付けなければ。

 

最後は愚痴になってしまった。なんか子供関連のあれこれをフォローしていると、あっという間に時間が過ぎる。2人でもこんなに予定の把握や予定に合わせた準備、書類の提出や支払いなどが大変だから、4人子供がいる友達は一体どうやっているのだろう、と思ってしまう。これ普通に事務仕事として回すレベルだよ、と思う今日この頃。

 

そんな中、最近大学でバイトを始めた。自分の研究は大丈夫か?最後の年だからといって色々欲張り過ぎているような気もするが、過去2年のグレーな生活からの反動で色々と経験してみたい気持ちが大きい。