40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

ジャーナル投稿論文、学会への参加準備など

最近忙しくて毎日があっという間に過ぎる。これではいけない。ブログに記録を残しておかねば。最近あまり書いていなかった研究関連のことをまとめて。

 

ジャーナル投稿論文

もともと今年の8月にアメリカで開催される学会(AoM)への発表申込のために、1月に40ページのフルペーパーを提出。採択率3割(らしい)という狭き門を潜り抜けて、初の正式な学会発表を控えている。

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AoMの良いところは、採択されてもされなくても、提出したフルペーパーに対して見知らぬレビュアー2名からフィードバックがもらえること。このプロセスがあるため、ほとんどの人はジャーナル投稿を前提としてAoMの準備をすると思われる。私の場合ももれなく2人のレビュワーからコメントもらえた。そのコメントを取り入れて、ペーパーの大幅な改訂を行い、ジャーナルに投稿するための論文を書いている。ちなみにAoMはAoMで提出した時点の内容で発表することが求められている。

 

このジャーナル投稿用の論文については、指導教官2人と共著の形をとる。正指導教官からなかなかOKが出なくて、だんだん飽きてきた。もちろん質は毎回良くなってきていると思うが。指導教官的に最初はTier 1だかQ1だかの質の高いジャーナルを狙いたいらしく、気合が入っている。その割に、最初からセクションエディターにリジェクトされる可能性もあるから、と常に言ってくる。

 

AoM提出のペーパーを最初に直したのが5月2日、その次に5月20日、そして6月5日。今、第4稿目。ちなみにAoMのドラフトも3回直しているが、12月27日~1月11日という年末年始を挟んで初稿から提出まで済ませたので、確かにクオリティは高くないかもしれない(今見るとひどいスケジュール…)。つまり、AoMからカウントすると、このペーパーの改訂は7稿目。どうせジャーナルに投稿してもリバイスが来るのだろうから(リジェクトでなければ)、トータル10回以上書き直すことになる可能性大。

 

第一希望として投稿するジャーナルにはいくつかのセクションがあって、セクションごとにエディターがついている。私が提出することになったのは、「企業のサステナビリティとビジネス倫理」というセクションなのだが、そこのエディターと指導教官が過去にひと悶着あったらしく、それを聞いて変に不安に。指導教官とアカデミックな視点での相性が良くない人がいるところに出したくないなあ…。知らなくて良かった情報かも。

 

学会への参加準備

7月末に日本国内での学会発表、その翌週にシアトルで開催されるAoMでの学会発表を予定している。日本国内の方は東京で2日間開催される。日本語なので気が楽。予稿集をちょいちょいと直して先月提出。参加が楽しみだ。

 

シアトルの方は不安が大きい。ハイブリッドセッションを希望していたが、結局In personでのセッションになってしまい、共著者である正副指導教官は参加できない。事務局に問い合わせしたところ、私が個人的にZoomで接続しながらハイブリッドにすることはできるらしい。幸いシアトルで午後2時~のセッションは、メルボルンは朝7時~でベストな時間だったりもする。

 

AoMは5日間にわたって開催され、1万人以上が参加する大きな学会。いくつものセッションやイベントが同時進行するらしく、最近次から次への色々な情報が送られてくる。とりあえず自分が発表する「経営における社会課題 Social Issues in Management (SIM)」という部会のDoctoral consortiumなるものに参加申し込みしてみた。こちらは完全にバーチャルでの開催で、学会開催日の中で日曜日の朝8時半から夕方4時半まで。自分の研究を他のPhD学生とシェアしてディスカッションしたり、アドバイザーの教授からコメントもらったりするらしい。他にもいくつかのセッションに参加する予定。私の普段の会話の多くは家族との日本語での会話なので、シアトル滞在中は英語で頭がパンクするだろう。日本からの参加者は少ないらしいが、日本人に会えるといいなと少し期待している。そもそもこれまでの人生で学会というものにオンライン以外で参加したことがないので、どんな感じなのか予想がつかない。

 

学会がらみで先週、宿泊するホテルについて変な出来事があった。私はAoMを通じて学生料金で学会開催場所である複数ホテルのうちの一つの部屋を早々に予約していた。4つ星ホテルで普通に泊ると1泊4万円(高!)のところが、半額の2万円(それでも高い)。6泊で24万円のところが12万円程度。費用は先日大学から獲得したアワードで全額カバーできるのでありがたい。

 

と思っていたところ、突然、SIM部会の取りまとめの先生(女性)からのメールが指導教官経由で転送されてきて、一緒にホテルの部屋をシェアしないかと持ち掛けられた。どうやらその先生と指導教官(女性)はいつもAoMに参加するときには、費用節約のためにツインの部屋をシェアしているらしい。そのこと自体にもびっくりしたが、今回指導教官がシアトルに行かないので、シェアする人が見つからず、私とシェアするのが良いというアイデアが浮かんだらしい。

 

えっ?!そもそも誰かとホテルの部屋をシェアするという考え方が私にはないし、会ったことない人ならなおさら。逆に相手はイギリスの大学で普通にフルタイムで働いているのだから、お金だって持っているでしょうに。なぜそうまでして誰かと部屋をシェアしたいのかがわからない。私はこれまで社会人で国内海外色々な場所に出張に行ったが、部屋のシェアなんて一度もしたことないし、している人を見たこともない。会社と大学はこうも違うのだろうか。私の本心は「誰とも部屋をシェアしたくありません」だったけど、それを返信に書くのも何なので、悩んだ末「私はAoM経由で学生料金で安く部屋を確保できました。部屋をシェアできる相手が見つかると良いですね。8月にお会いできるのを楽しみにしています。」とシンプルに返信。なんか、この3文のメールを返すだけなのに余計な気を使った。

 

オーストラリア企業へのフィードバックレポート

今週はずっと延び延びになっていたオーストラリア企業へのフィードバックレポートにようやく着手できた。4月にオーストラリア企業へのインタビュー結果のFindingsチャプターのドラフト第1稿が完成し、5月に指導教官からフィードバックをもらった。16,000ワードのごちゃごちゃした原稿をもっとスリム化しなくてはならず、3,000ワード程度削って、何とか形になってきたのが5月下旬。今はそれを基にフィードバックレポートを作っている。

 

内容はほぼドラフトチャプターと同じだが、無駄に理論振りかざしている部分などはカットし、その分、グラフなどのビジュアルを追加して、実務者に分かりやすいように体裁を整えている。昨日、Wordのデザインテンプレを入れてみたら一気にレポートっぽくなって満足。できれば今週中に完成させて、来週参加者に送りたいところ。

 

Interim reportなので、文法ミスはGrammerlyで直した状態で、プロのエディターに見てもらわないで出してしまおうと思う。私の英語がネイティブではないことは、インタビュー参加者全員分かっているので、そこは気が楽。通じる内容であれば問題ないだろうと判断。最終レポートはもう少しちゃんと対応したいと思っている。

 

ANZの学会への申込

12月にゴールドコーストで開催されるオーストラリア&ニュージーランドANZ)の経営学会にて、オーストラリア企業への調査結果を発表してみようと思い、今週から準備する予定。発表申込のためには、12ページ分のペーパーを提出する必要あり。日本企業の結果は日本の学会で発表して日本人からフィードバックをもらい、オーストラリア企業の結果はANZの学会で発表して、オーストラリア人からフィードバックをもらおうと目論んでいる。ちなみに国際学会であるAoMでは、データを基に作った理論的なモデルを発表する予定。

 

3年目にしてやっと色々な活動ができるようになった。私の学生ビザや保険は2024年10月まであるし、大学のコースも2023年8月終了(3年6か月)が標準なんだけど、仕事に戻るために博士課程を数か月前倒しして進めている状態。研究生活をもっと楽しみたいと思う一方で、最近はそろそろ実務の最前線に戻りたいという気もし始めている。

5月末の週末に近くの国立公園に出かけたときの写真(遠くにメルボルンのシティが見える)