40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

突然のオフィス引っ越し

フルタイムのPhD学生には大学から個人用のデスクやパソコンが貸与される。部屋は他のPhD学生との相部屋となるが、図書館等でスタディスペースを常に探す必要がなく、本や資料、オフィスに必要な私物を置いておけるので、学部生やコースワークの大学院生よりも優遇されている。私は昨年2月に入学してからしばらくして7階の部屋に自分のデスクがあったが、先週の木曜日に突然の退去命令が。ちなみに部屋の様子はこんな感じ。

 

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オーストラリアはいつも仕事が遅いと思っていたら大間違い。ときには日本ではありえないくらいの速さで事が進む。そういうとき合理主義的な一面が垣間見える。今回はこんな感じで一気に進んだ。

 

10月28日(木)7階の2部屋を明け渡すようにと学部長から該当者にメール連絡

10月29日(金)朝10時から引っ越し業者によるZoom説明会

11月1日(月)引っ越し完了!

 

お知らせを受けてから2営業日で強制引っ越し。ここまで効率的な引っ越しは初めて。先週木曜日にメールでお知らせが来て、翌日のZoom会議に出るように言われた。私は時間があったのでZoom説明会に参加したが、当然前日の午後に突然言われて参加できない人もいる。でも参加してびっくりしたのは引っ越しが土日を挟んで月曜日にすぐ行われるということ。ロックダウンの規制緩和により、許可証無しで登校できるようになってから実に2日目に引っ越しを敢行とは恐れ入る。

 

Zoom説明会の質疑応答では「私はキャンパスへの登校許可をもらっていないんですが、どうしたらよいですか?」と質問する人がいるくらい、日々変わる状況についていけていない人もいる様子。金曜日に突然言われて、週明けの月曜日に学校に来られる人ばかりではないので、全体的にはZoom引っ越しが推奨されていた。なんだそれ?という感じだが、Zoomでつなぎながら、引っ越し業者にデスクにあるものを「捨てるもの」「自宅に送るもの」「新しいデスクに持っていくもの」の3パターンに分ける指示をして、遠隔で引っ越し作業をするという方式。この引っ越し業者は過去1年に800名以上をZoom引っ越ししてきたので安心してください、と言っていた。



私は2020年2月に7階のデスクをあてがわれてから、このデスクを使ったのは日数にして2~3か月程度。ほぼロックダウンや自主的なWork from homeで登校できていなかったので、大した物も置いていない。とはいえ、月曜日はもともと大学に行くつもりだったので、自分でパッキングすることにした。その旨、週末のうちに引っ越し責任者にメールで連絡。月曜日、子供たちを送り出してから家の掃除機をかけて9時半ごろ登校したらすでに引っ越し業者が作業を始めていた。仕事が早すぎる。しかもすでにその部屋に自分のIDを使って入れなくなっていて、セキュリティも仕事が早すぎる。

 

段ボール1個分もない自分の荷物を箱に詰めて行き先のラベルを貼っておいたら、次週の月曜日までに新しい行き先に引っ越し業者が運んでくれるとのこと。ちなみに私の新しい引っ越し先は同じビルの8階。自分の学科があるエリアの中のPhD部屋なので学科の人もいるし、指導教官の部屋とも近い。どんな部屋かと見に行ってみたら、既にこちらの部屋にはIDを使って入れることになっていた。入って一瞬ごちゃごちゃした部屋だなと思ったが、私の席は窓際の角の特等席。突然の退去命令に嫌な気持ちになっていたのが一瞬で吹っ飛んだ。

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ここが私の新しい仕事場

前の部屋はガラス張りなので明るいが、一方で外に面した窓はなかった。閉塞感はないものの、なんとなく落ち着かない感じ。それが次の部屋は普通の部屋でなおかつ自分が角の窓際という最高ポジションだったので嬉しかった。3年目はひたすら執筆に使うだろうから、このように外が眺められる場所はありがたい。窓を開けていたら外の空気も入ってくる。残念なのは部屋が全体的に散らかっている。捨てたくても勝手に人のものは捨てられないが、明らかに放置されっぱなしのものや大学の所有物(パソコンや椅子など)は一か所に固めるなどして、少しだけ部屋を片付けた。あとは掃除機がかけられたら最高なんだけど。家から持っていきたいが、車じゃないと難しい。ちなみに日本で働いていた会社はメーカーなので3Sにとても厳しい。こんなごちゃごちゃしたオフィスはありえない、一発アウトで管理職は叱られるレベル。

 

月曜日の昼前に部屋をチェックした後、午後にZoom会議があったので図書館の個室に1時間こもり、それが終わって再び2時に8階のデスク周りの掃除をしようと戻ってきたら、すでに自分の段ボールが運び込まれていた。引っ越し完了ということだ。どこまでも仕事が早い人たち。ということで、引っ越しは半日もかからずに済んだ。

 

前の部屋で仲良くなっていた中国人とバングラディシュ人のPhD仲間とはバラバラの部屋になってしまったが、その分新しい人と会えるので悪くない。今のところ同じ学科の人とは1人だけあったけど(まだ大学に来ている人が少ないため)、どんな人がいるのか楽しみ。

 

ちなみに大学は今週から「キャンパスはオープンしていますよ」アピールを始めていて、昨日ランチのために外に出たら、なんと野外ライブまでしていた。WELCOME BACKとのこと。学部生たちは夏休みに入ってしまうが、カフェやレストランなどはオープンしているし、来週もミュージシャンを呼んで無料ライブをするらしく、キャンパスに学生を戻したいという思惑がうかがえる。そう思っていたら、昨日はキャンパスで使えるバウチャー配布の案内が。ワクチン接種済みの人は来週からキャンパス内のカフェやレストラン、小売店で使える20ドル分のバウチャーがもらえる。もちろんありがたくいただく。

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まだ人が少なめのキャンパスだが、人を呼び込むためにライブイベントも開催されていた

もうこれでロックダウンは終わりだといいけど。新しい仕事場で心機一転、ようやく戻れたフルタイム学生としてPhD最後の1年を頑張りたい。