40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

新メンバーの登場、留学生活の終わりの設定

先週1週間のハイライトは、PhD部屋に新しいメンバーが来たこと。ドイツからの留学生。女性。30代前半。指導教官は私と全く同じ(正も副も)。ほれぼれするくらい英語が上手。同じ部屋にいるスリランカ出身で永住権取得したローカル枠でのPhD仲間と同じく、私の指導教官2名が獲得した大型グラントの遂行者として採用された人。

 

半年くらい前に指導教官とミーティングしていた時にちらっと話は聞いていた。その時に指導教官たち(2人ともオーストラリア人)が、「彼女はまるでネイティブのような英語を話すから驚いた」と言っていたことが印象的だったけど、本当に英語が上手。

 

パートナーと2人で12月に渡豪して、やっとデスクがあてがわれたようだ。私の斜め後ろに座っているので、ちょこちょこ話をするようになった。西洋人のイメージと異なり、なんだか内向的な部分があるようで、指導教官とのミーティング前に毎回ナーバスになるだとか、自分で書いた文章に対するフィードバックが怖いだとか、自分が毎日何もしていないようで嫌になるだとか、色々な悩みがあるみたい。私もPhDプログラムを始めた当初、そういう感情はゼロではなかったけど、そこまで大きくないというか、年のせいもあるのか、もう少し割り切っていた気がする。

 

今はたまたまメンタルの状況が良くないだけなのかもしれないけど…。なんだか私が年齢的にも、PhD学生としての経験的にも彼女にアドバイスをするような立場になっていて不思議。私は拙い英語を操りながら、彼女の悩みに対して自分の経験をシェアする。こういう同僚のような立場の人がやっと数人出てきて嬉しい。今のところ、スリランカ出身の永住者と、このドイツ人の学生。過去2年は自宅引きこもりの孤独なPhD生活だったので、最後の1年くらいは学生らしく過ごせたらな、と改めて思う。

 

水曜日は久しぶりに指導教官とのミーティング。1週間後に控えている2年目の審査会のプレゼンの練習に付き合ってもらった。全体の流れはOK。提出した100ページ超のレポート(3万ワード弱)を20分のプレゼンにまとめるのは、編集のスキルが試されるな、と思いながら作ったスライド。一部、コンテンツが重たくて、聞いている人が混乱するページがあるので、そこはアニメーションを使ってポイントを順に説明するようアドバイスをもらった。プレゼン練習が終わった後、最終審査についても話し合う。私の予定としては来年2月に博論を提出することにしている。遡って3か月前に提出前の審査会。Pre-submission ReviewもしくはFinal Reviewと呼ばれている。これを11月末か12月初に設定することになった。

 

翌々日の金曜日に早速指導教官が最終審査の枠を予約してくれた。私の最終審査は今年の12月7日。もうすぐな気がして焦る。もう本当にあと一年で終わりなんだ…。寂しい。周りを見ていると大体、3年半~4年をかけて博士課程を終えている。それを私は3年きっかりで終わらせようとしている。奨学金のルール上は、何もしなくても3年9か月分が支給されて(当初の規定は3年3か月だったが、コロナの影響で無条件で半年延ばせることになった)、プラス事情があればさらに数か月の延長も可能。もう少しじっくりとやっても良い気もするが、私は立場上、会社を休職してきていることもあり、当初予定通り3年で終わらせて帰国することを考えている。

 

そんなことがあったので、金曜日に何げなく休職している会社のイントラを久しぶりに覗いてみたら、数日前に驚きの発表。私がメインでやっていた仕事関連で大きな枠組み変更があった。それについて、元上司にメールして、私の感想を伝えるとともに会社の状況も軽く聞いた。そうこうするうちに、翌日土曜日には、私とプロジェクトを一緒にやっていた同僚(当時の部下)からメッセージあり。社内では色々と衝撃が走っている模様。日曜日には、同じくプロジェクトを一緒に進めていたアメリカ支社の同僚(中南米出身)ともメッセージのやり取り。うーん、悪いことばかりではないが、動きが急すぎることもあり、これまで関わっていた人たちのモチベーションが下がるような側面もあるようだ。私の研究内容とも関連しているので、今回の動きと自分が研究していることのテーマを照らし合わせて色々と考えてしまった。なぜ、会社はこのような動きをしたのだろうか?とか。

 

なんだか悶々とする週末。とはいえ、私は今、会社から離れていて客観視できる部分もあり。あとは研究活動に携わっているおかげで、ある程度、理論的に分析するような癖もできて、感情の振れ幅は少なくて済む。PhDをやることのメリットは、色々な物事を多角的に、冷静に見る癖ができることなのかもしれないな、と思った。この状況で趣味的な活動にはなるが、一度自分の所属会社にフォーカスして、一連の動きを客観的に分析してみたいなとも思った。今なら、それができるような気がする。

 

話は変わって、木曜日はパンの配給があった。大学にいると突然フリーフードが配られることがある。この日は大学院生のアソシエーションの事務所の前に大量のパン。見る限りベーカリーからの払い下げっぽい。焼き立てパンの良い香りが充満。遠慮なく家族4人分いただいてきた。やっぱりこういうのは嬉しい。地味なPhD生活にわくわくを与えてくれる。インスタから流れてきた情報を同じ部屋にいる人たちにも共有。皆でパンをもらいに行った。

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パンの配給@キャンパス内にて

 

せっかく丸いパンがあるので、週末はハンバーガー用のパテを買ってきて自宅でハンバーガーをした。パテの肉が大きくて満腹に。今度はブリオッシュパンでも買ってきて、カフェ風にやってみようと思った。まだまだオーストラリア生活を楽しみたい。

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アボカドも入れて具沢山のバーガー