40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

指導教官とのミーティング、研究参加者と顔合わせ

今週月曜日は隔週の指導教官とのミーティングがあった。研究プロジェクト参加者のリクルーティング状況の報告及びインタビューの文字起こしや翻訳について相談。リクルーティング状況についてはまずまずといった反応。イギリスの会社に苦戦していることを相談したら、博士課程1年目の審査会のパネラーになってくれたイギリスの先生(指導教官の共同研究者)に相談してみたら、とのこと。

 

文字起こしと翻訳について。文字起こしについての私の相談は、外注業者にお願いするか、ソフトウェアを使うか、自分でやるかで迷っているけど、アドバイスはありますか、というもの。指導教官は通常助成金をもらってプロジェクトをやっていることもあり(もちろん時間がないということもあって)、インタビューの文字起こしは外注しているが、通常学生には自分自身で文字起こしをすることを進めている、という答えだった。自分で文字起こしをすることで、インタビューの内容が完全に頭に入るので、時間がかかるようで分析の時には「あの人があんなこと言っていたな」とすぐにわかるらしい。

 

翻訳についての相談は、日本語のインタビューの文字起こしをすべて英訳してから、英語で行ったインタビューと同じような扱いでNVivoに放り込むか、もしくは日本語のインタビューは日本語のままコーディングして、英語は英語のままコーディングして、最後統合するか、どちらが良いでしょうか、というもの。今回、私のインタビューは7割くらいの参加者が日本語、残り3割が英語のインタビューになる。過去の論文を調べてみたところ、2言語以上を扱うインタビューの場合、大体通訳を入れているので、結局文字起こしの時は1言語になっているから問題ない。私のプロジェクトのように、2つ以上の言語で行われたインタビューをそのままデータとして扱ったことがあるケースが見つからない。

 

日本語のインタビューを全部日本語で文字起こしをして、それを一文字一句すべて英訳するとなると、ものすごいボリューム(おそらくA4で200ページ超)になってしまい、外注すると100万円を超えそうなことが分かった。そのことを伝えたら、日本語のインタビューは日本語でコーディングして、英語のインタビューは英語でコーディングして良いのでは、ということだった。ただそうすると、NVivoに2つのプロジェクトを作ることになり、少し混乱するかもしれない。当然分析が済んだら、コードは全部英訳することになるし、論文で使うことになる発言も英訳することになる。それでもボリュームが元の文字起こし原稿よりもかなり少なくなるはずなので、費用はあまり心配いらないだろう。あと、コーディングや分析は日本語のものは日本語でやった方が、英文と比べて作業効率は何倍も上がるはずなので、これはこれで良いかもしれない。

 

ちなみに費用の面では、私の大学では人文学系のPhDとリサーチマスターに在籍する人は全員(奨学金の有無にかかわらず)、研究に使うことができるFundingを受けられる。旅費が2,815ドル(約22万円)、経費が4,000ドル(約32万円)。これは期間を通じた金額。そんなに高くないけど、あるだけありがたい。

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https://www.monash.edu/arts/current-students/graduate-research/funding

昨日は、研究プロジェクトに参加してくれる企業の担当部署の方と顔合わせのミーティングがあった。私からは自己紹介やプロジェクトの背景と概要説明をし、参加企業の方からは自社の取り組みの説明をしてくれた。日本企業の人と話をするのはすごく久しぶりで少し緊張した。自分が変なこと言ったりしていないか、しゃべりすぎたりしていないか、など気になってしまった。

 

ミーティングで一つ失敗があった。今回、私の方でZoomを設定したが、Zoomのデフォルトで参加者が画面シェアをできないことになっていた。企業の方が資料を使って説明してくれようとしたときにシェアができなくてトラブル。急遽、Teamsでミーティングを設定し直し、説明してくれた。初歩的なミスで申し訳なかった。Zoomのデフォルト設定はちゃんと見ておかないといけない。。先日接続テストは夫に協力してもらってやってみたのだが、画面共有のテストはしていなかった。反省。

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デフォルトでは画面共有がHost onlyになっていたので、All participantsに変更!

 

研究参加企業の方と本題に入る前に少し雑談したが、その企業では昨年4月から基本的に管理系の部署はテレワークで、そのころから今まで月1度くらいのペースしか出社していないとのこと。私が所属していた企業でも同様の話を聞いていたので、驚くことはなかったが、改めて仕事の環境が大きく変わっているんだということが分かった。

 

折しも昨日、Victoria州では新規感染者のゼロが続いていることから、さらなる規制の緩和が発表された。今週金曜日の夕方から、職場(オフィス)で働く人数の規制が、これまでの75%から100%(つまりコロナ前と基本的に同じ)になる。かといって戻らなければいけないというわけではなく、実際にどの程度職場に戻るのかは不明。でもこれを聞いて日本の状況と対照的だな、と思ってしまった。最近、正直コロナのことは忘れてしまうくらい、日常が戻ってきたと感じている。

www.dhhs.vic.gov.au

 

あと、昨夜は嬉しいニュースが一つ。研究参加企業がもう1社増えた。こちらも日本の企業。今のところ全体で7社。縁もゆかりもない異国の大学に所属する学生からの突然の依頼なのに、協力してくれるのはありがたい。イギリスの企業、何とかしないと…。