40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

オーストラリア企業へのインタビュー、新しいボランティア

先週はブログを書きそびれてしまった。自分の記録のためにも1週間の出来事を簡単に振り返る。

 

①オーストラリア企業への初インタビュー

先週2件予定していたが、1件は先方の体調不良により当日朝にリスケ、今週に予定している。もう1件は予定通り金曜日の朝に実施。相手は私が送ったリクルーティングメールに対して一番最初に返信をくれた人。シドニーにあるインフラ系の会社で働いている。日本の会社で言うと本部長~執行役員レベルの役職にある50代半ばの男性(LinkedInを見ると大学卒業年から大体の年齢がわかる)。

 

インタビューに対する自己評価は65点くらいかな。失敗はなかったけど、やっぱり言語が不自由なせいで、相手に安心、リラックスしてもらい、なるべくその人なりの言葉で話してもらうことで、外向きではない本音や内情を引き出す、というところには持っていけなかった。ただこれは相手との相性や相手の性格にもよるので、日本語でのインタビューでもいつもできるわけではな。日本企業相手のこれまでの感触では7割程度の人は心を開いてくれたが、3割程度は外向きの答えしかくれなかったように思う。

 

今回のインタビューの相手はそれなりに立場の高い人だから、インタビューを受けたり、会社のスポークスパーソンとして話すことに慣れている。こちらの質問に対して簡潔に答えてくれる一方、脱線がほとんどないので、会話のキャッチボールが早くなる。半構造化インタビューになるので、相手の答えがコンパクトに返ってきたとき、その内容を深掘りしたり、別の角度から聞き直してみたりするが、そのアドリブ質問がどうしてもたどたどしくなってしまった。

 

とはいえ、聞きたいことは最低限カバーできたので、初めてのインタビューとしてはOKを出して前に進みたいところ。現在、文字起こしをしているが、そんなに癖がない英語で聞きやすいし、耳で聞いた言葉を文字で起こすことで英語の勉強になっていたりもする。会社の年次報告書に数年分目を通し、自分の中でその企業の知識をためておくことで、質問や会話が途切れるようなことはなかったのは良かった。

 

相手の人はシドニー在住なので、メルボルンと同様にロックダウン中。自宅から参加してくれていたが、未就学児の息子さんがチラチラと画面に写りこんで、私としてはほっこりしたが、その人はそれに対してちょっと不機嫌になっていた。大学内のZoom会議だと、学生でも教職員でも会議中に子供や猫がうっかり写りこんで、少し会話が中断した場合でも「あ、ごめんねー」「いいよいいよ、大変だよねー。何歳なの?」みたいなノリだけど、企業だとそうではないのかな?立場が高い男性だからかな?私が「彼はホームラーニング中ですか?」と聞いたら「Not for this one. He is still in daycare.」みたいなバシッと短い回答が返ってきただけなので、それ以上は聞かなかった(ニュアンスから、上にホームラーニング中の子供がいると思われた)。家に子供がウロチョロしていたり、ホームラーニングのサポートもしないといけない状態で、責任がある仕事をしなければならないことにストレスを感じているんだな、と思ったが、そんな状態でも私のインタビューを受けてくれたということにありがたく感じた。

 

②新しいボランティア

時間がないと言いながら、新しいボランティアに参加。所属する大学の大学院生のアソシエーションが、ボランティアプラットフォームと提携して、オンラインでもできるボランティアのプログラムに簡単に参加できるようになった。何気なく登録して画面を見てみると、英語から日本語への翻訳を求めている団体があったので、少し迷ったが申し込んでみた。

 

早速相手から返事があり、電話で話しましょう、とのこと。電話は苦手なので嫌だなー、と思ったが、英語でのインタビューの数日前だったこともあり、全く知らないオージーと英語で会話する練習にもなるか、ということで電話してみることに。相手は気さくでエネルギッシュな女性で、とても話しやすかった。お互い理解したので、正式にそのプロジェクトを受けることに。ソーシャルベンチャー企業のフライヤーを日本語に訳すというものだが、初めてCanvaというデザインアプリを使った。

 

私にとって翻訳はボリュームも少なかったので難しくなかったが、Canvaという新しいソフト(アプリ?)を使ったのが新たな経験となった。これがあればイラストレーターが無くても簡単なデザイン作業はできてしまうのでは、と思った。使い勝手もよく、パワーポイントを使える人であれば、直感的に操作できるような感じ。プロジェクトもプラットフォーム上でシェアできるので、とても簡単。

 

当初10時間程度の作業量とのことだったが、1時間もかからずに終わったので、念のため1日寝かして、再確認してから提出。納期よりも1週間くらい早く提出したので喜んでもらえた。あっという間にプロジェクトがクローズした。なかなか面白い体験だった。こちらでは新卒で仕事を得るのが難しいので、学生のうちにボランティアやインターンシップ経験を重ねることが学生にとっても重要なことになっているらしい。私もこのボランティアプロジェクトに参加した見返りとして、このソーシャルベンチャーからレファレンスがもらえる権利を獲得した。

 

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ボランティアプラットフォームから自動的に発行される証明書

③日本の学会のワークショップに参加

火曜日と金曜日の夜、日本の学会の研究法ワークショップに参加。ちゃんと研究法について教えてもらった経験がほとんどないので、色々と参考になる点も多くてありがたかった。私が昨年、適当に大学の図書館で借りて読み込んでいた社会学系の研究手法の教科書が、ちょうどそのワークショップでおすすめされていてびっくり。自分が使っていた教科書が良いものだったらしいということが分かって安心した。

 

研究法ワークショップでは、3年ほど前に企業事例を講義しに行った大学の受け入れ先の教授もいて、改めて世界は狭いな、と思った。その大学は大阪にあったので、2時間程度の講義のために新幹線に乗って出張できて楽しかったな。コロナが無い時代の話。

 

ただ、ワークショップは日本時間で夜7時半から9時まで、メルボルンだと夜8時半から10時までと少し遅い時間。10時過ぎまでパソコンに向かっていたせいか、翌日頭痛と倦怠感。翌々日にも影響があり水曜日と木曜日はほとんど使い物にならなかった。普段から頭痛はたまにあるが、倦怠感があったのはひょっとしてワクチンの副反応だったのかも。土曜日に接種して、特に熱もなく過ごしていたが、少し無理をしたことで身体に出たのかもしれない。

 

相変わらずロックダウン中のメルボルン。もうワクチン接種しか出口がない感じになってきたので、これはブエノスアイレスを抜いて、ロックダウンが世界一長い場所になるだろう。だんだんと季節が春めいてきたのがせめてもの救い。外出できないからBBQコンロを買って、庭でBBQでもしようかと考えている。

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庭の真ん中にあるアプリコットの木の花がやっと咲いた(桜みたい)

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近所の魚屋で買ったタスマニア産の生ガキ(写真を撮る前に1つ食べられた)