40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

研究計画書を作成する その4

2018年8月~12月という5か月間の日々の細切れ時間を使って研究計画書の第1稿を完成させた後、外部の英文校正サービスを使って英語を整え、いざ、8月にコンタクトをした先生に提出する時が来た。

 

先生に、1~2週間後に研究計画書を含む書類を送ります、と言ってから既に5か月、年も2019年になってしまったが、自分として怠けていたわけでもないから仕方がない。返事は来ないかもしれないけど、せっかく作った研究計画書を先生に送りたい。そのようにして、2019年1月28日に送ったメールが以下。

 

Dear 先生の名前, 

I hope you are doing well.

Attached you will find documents (draft research proposal, CV, academic transcripts, and master’s thesis). I apologize that it took so long to submit them to you.

I am still interested in researching corporate sustainability and responsibility in A University and willing to start my research after July 2019.

 If you have any questions, please let me know.

Thank you very much for considering my application.

 

返事が来ないかも、と思いながらもどこかで期待する気持ちもあり、そわそわ過ごすこと3日。1月31日に返事が来てとてもうれしかった。

 

Hi 私の名前

書類の送付ありがとう。研究計画書を拝見し、特にXXとYYの分析についてとても興味深いと思いました。YYに関する研究はまだ始まったばかりなので、研究するにはタイムリーなトピックだと思います。

あなたの研究の指導を引き受けたいと思います。またYYについて関心を持っているもう一人の研究者を共同指導教官として探してみます。

 次のステップは、expression of interestを大学のwebsiteから提出することになりますが、指導教官候補の欄に私の名前を書いてもらって構いません。

奨学金はとても競争率が高いですが、もし申し込みをしたいと考えているのであれば、研究計画書の改善についてのアドバイスをします。あなたの研究計画書について、もう少し理論的な分析フレームワークの視点があったほうが良いと思います。つまり、自分の研究にどういった理論を使う予定なのか、そして研究がどういった理論的な寄与をするのか、といった点です。

大学が推奨する研究計画書のフォーマットについては以下を見てください(といってもほとんど今の研究計画書で網羅されている内容と思いますが)。

 

なんて完璧な返事!5か月間、あきらめずに頑張ってよかった。この先生についていきたい、と思う内容のメールでした。私の研究計画書のドラフトを認めてくれたこと、指導教官をしてもよいと言ってくれたこと、その上さらに研究計画書にアドバイスをくれること、この3点は予想以上の反応で本当にうれしかった。

 

早速、お礼とともに研究計画書の改善を行うことをメールで返信。「理論的な分析フレームワークの視点」を入れながら改訂を行うにあたり、何かアドバイスはありますか?と聞いてみたところ、これらを踏まえて改訂した計画書に対してアドバイスをします、との返事あり。このレスポンスの速さは本当に助かる。

 

客観的に自分の研究計画書を読み直してみると、確かに既存研究パートがだらだらとしていて、表面上の当たり前のことしか書かれていないようにも見えてきた。先生の指摘は的確。自分が骨にしたい理論や反論したい/疑問を呈したい理論、理論と理論の矛盾、理論と現実の矛盾は何か、もう一度考えることにした。実質、研究計画書の8割が書き直しになりそうなので、終わらない準備にため息が出そうになるが、指導を引き受けてくれる先生が見つかったことの喜びの方が大きく、ここまで来たらやるしかない、と自分を奮い立たせて、また早朝5時からの作業を再開することになった。