40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

博論を武器に売り込み

今週は2日連続出社したので身体が疲れてしまった。8月は暑いという理由でほとんど出社しなかったので、身体がなまってしまったかも。今のところ会社は無制限でテレワークを許可しているけど、これからは週1くらいで出社しようかな、と思っている。テレワークだと基本的に家族+放課後に家に遊びに来る息子の友達(小学生)としか話さない。たまに大人とリアルに会って話すと刺激になる。

 

前回の記事にも書いたが、4月に出版された論文を読んで声をかけてくれた証券会社のセミナーに登壇することが正式に決まった。もうあとには引けない。10月初旬に向け、しっかり準備しなくては。私の研究はお金儲けの観点ではないけどいいんですか?、と聞いたけど(もちろんこんな言い方ではないが)、良いとのこと。とはいえ、ほとんどの参加者は日本株ファンドマネージャーとのことで、彼らの関心に少しでも合わせた形で話をしつつ、研究のコアな部分を伝えるにはためにはどうするか、考え始めている。参加する人たちが読んでいる可能性があり、私の研究テーマにも関連する書籍(英米の学者が書いた本の和訳)を何冊か買って、知識を補充中。

 

立場は会社員としてではなく博士課程の研究者としてなので、今の自分には副業になる。会社は昔から副業を禁止していないが、どこで話がつながるか分からないから、上司には伝えた。そして、この話をもらってから、もっと自分の研究を日本国内で売り込めるのでは?と思うようになった。それで、昔から仕事で付き合いがあった、今や私の専門に関しては日本最大の規模を誇るカンファレンス(アカデミックではなく実務者メイン)の主催者に連絡してみた。

 

会社ではなく、大学のメールから。オーストラリアから4月に帰国したこと、研究内容が金融庁や証券会社に興味を持たれていること。日本のオーディエンスに興味を持ってもらえると思うので、カンファレンスに何らかの形で関われないか、聞いてみた。聞くだけならタダだと分かっていても、一歩踏み出すのに少し勇気がいる。返事があって、話を聞かせてください、とのこと。都心の本社に出社したついでに直接会って話をした。

 

博論のテーマと内容には興味を持ってもらえたが、いかんせんカンファレンス自体が私がメルボルンに留学する前に参加した4年前よりも2倍の規模に成長し、参加者は今では5,000人規模とのこと。スポンサー枠も含め、セッションの枠に対して既に希望が多く、取捨選択をしないといけないような状況ということだった。なんとか社内の会議で上げてみると言ってもらえた。6年程前にこのカンファレンスに初めて参加した時には、数百人程度の規模だったのに…私は20年前からずっとこのテーマに関わり続け、流行りに乗っているつもりは全くないが、社会が大きく変わっているんだと改めて思う。

 

カンファレンスでセッションを持たせてもらえる可能性はまだ半々だが、打ち合わせの中で、私の研究の話が面白そうだから、その会社が運営するウェブメディアで連載記事を書いてみない?と打診してもらえた。もちろんやってみたいと答えた。1か月に1回の記事で6回連載。全体の企画とタイトル、6回分の記事タイトルと各記事の概要を連絡すれば、社内の企画会議にあげてくれるとのこと。この週末でやることがもう一つ増えた。

 

カンファレンスのセッションは無償だが(逆にスポンサーとしてお金を払って枠を確保するのが通常のところ、私は図々しくもタダでセッションを持たせてもらえないか打診している)、証券会社のセミナー登壇とウェブメディアでのコラム執筆は報酬が発生する。これらは、日本の会社の会社員としてではなく、メルボルンの大学に所属する博士課程の学生としての自分。これまで言いたいことがあっても会社の肩書があると言えないこともたくさんあったが(機密情報ではなく、立場上の問題で)、大学に所属する研究者という立場だと、テーマについてフリーに自分の見解を述べることができる。

 

自分の次のステップのためには、どんどんアクションを起こしていかないといけないと感じている。自分の専門性を強化するだけでなく、自分がそういう人材であるということを周りに分かってもらう必要がある。オーストラリアでの仕事探しはあまりうまく行っていないが、今回のカンファレンスについても、メルボルンで仕事をオファーしてくれた会社の人に紹介し、日本企業に売り込みたいならこういう場があるよ、とアピールしてみた。色々なアクションの中には、何にもつながらないこともあるが、その中から次につながることがあるはずと、これまでの経験から確信している。10発撃てば、1~2発はヒットする可能性もあるので、少しでも可能性があることや思いついたことは、労力を惜しまずにトライしていく。

 

博論はまだレビュー結果をもらっていないが、私が今後、自分を世の中に売り込んでいくときに博論(というか研究内容そのもの)が武器になる。研究のアウトプットは、投稿論文だけではないとより強く感じたし、実務者上がりの自分は、実社会へのインパクトを重要視している。投稿論文をベースとしつつ、その他のアウトプットも模索していきたい。

 

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記事とは関係ないが、先日会社のプロジェクトで社外のワークスペースを借りたとき。本棚にメルボルン発見!St. Aliのマグが表紙になった雑誌。

メルボルンが私を呼んでいる?

St. Ali本店のグッズコーナー、右端にトレードマークの猫ちゃんマグ(次にメルボルンに行ったときにはお土産で買おう)