40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

初めてのインタビュー&分析開始

先週金曜日は博士研究プロジェクトのデータコレクションとして、初めてのインタビューを行った。インタビュー先は、私がゼロベースで会社のお問合せ先に依頼を送ったら、快く引き受けてくれた人。大企業の広報部に所属している。インタビューは1時間の予定で、ほぼ時間通りに終わった。最初緊張したけど、初めてにしては上手くいったかな、と思っている。インタビューの前にはその会社のことをかなり念入りに勉強した。やっぱり準備は大事。

 

実は、研究のインタビュー自体は初めての経験ではない。修士課程の時に、オーストラリアのある自治体の環境政策をテーマにしていたが、それに関連して2つのローカル自治体のトップや州の環境省の人、関連するビジネス団体の人、NGOの代表などの複数人にインタビューをした。相手先は全員オーストラリア人だったので、今思えば体当たりで頑張ったなと思うし、英語が不自由な学生に対して対応してくれた人にはありがたく思う。でも修士の時は研究デザインはあまりしっかりしていなくてもよく(というと語弊はあるが、博士課程ほど質を求められない)、インタビューも基本的にQ&Aの形だったと思う。懐かしいのは日本から持ってきていたポータブルのカセットテーププレイヤーに録音したこと。時代を感じる。

社会人になって仕事でもいくつかインタビューをした。社内のイントラに掲載するための自社の役員インタビューが多かった。この時は自分が聞きたいことや引き出したい内容があったので、それに沿って質問をしていたように思う。また取材で社外の人からインタビューを受けることも何度かあった。

 

今回の研究プロジェクトのインタビューは、これまでの経験と異なり、ちゃんと手法を勉強してから臨んだ。アブダクティブストラテジーに則り、解釈主義に基づいて行う半構造化インタビュー。分析手法はグランデッドセオリー。これらの方法で研究を行うことについて審査会で承認を得ている。手法をちゃんと学んで、それを逸脱しない形で行わなければならない。インタビュー自体は上手くいったように思うけど、本当にこれらの手法に則って行えていたのかどうかは、少し自信がない部分もある。

 

自分なりに本を読んだり、Youtubeに上がっている動画で学習して気を付けたのは、質問に対する答えを深掘りしていく過程で、こちらの考えを述べるようなことをしたり、勝手な解釈で幅を狭めた質問をしないこと。内容をより深く理解するために相手にたくさん話してもらいたいので、一問一答ではだめ。どうすればよいか。今回、相手が話した内容を確認の意味も込めて要約して返したら、さらに詳しい内容や発展的な内容を話してくれるということが何度かあった。このやり方は良さそうだと思った。でも英語でやるのはかなりハードルが高いな…。なぜなら相手の言っていることを80%くらいは理解していないと要約ができないから。一問一答なら英語でもできそうだけど。

 

インタビューの後、その会社の中であと2人くらい話が聞けないかを相談。何の義務もないのに快く協力してくれて、昨日2人目のインタビューの日程が確定。ありがたい。今のところ、4月に4件のインタビューの日程が確定している。これからもう少し増える予定。

 

インタビューの後は早速文字起こしをしてみた。地味な作業だけど、指導教官のアドバイスに従って自分でやってみた。自分でやってみることは良いことだと思った。時間がもったいないように思ったけど、何度も聞き直して自分の手で文字に起こしていくと、インタビューの内容がより頭の中に入ってきて面白いなと思ったし、分析にスムーズに移れる気がした。また外注するよりも早く出来上がるので、翌日確認のために送ることができる。すぐに確認してもらえて返信があったので、今日から分析を開始する。試行錯誤しながらやることが楽しい時期。

 

でもここでも思ったのは、英語のインタビューを自分で文字起こしするのは無理かもしれない。Face to faceではなく、パソコンを通した音声の録音なので、どうしても聞きづらいところもあった。日本語だと何度も録音を聞き直して、ほぼ100%正確に文字起こしできたが、これが英語となると厳しいのではないか。英語のみ外注の文字起こしサービスにお願いする方が良いかもしれない。英語での最初のインタビューは、勤めていた会社の同僚で、彼女の英語には慣れているから、自分でもできそうだけど…。やってみて判断しよう。

 

こんな感じで少しずつデータコレクションが始まってきたのはうれしい。大学にも人がどんどん増えて対面のイベントも徐々に再開。昨日は大学院生向けにフリーランチがあった。コロナ対策も兼ねて予約制。どうせいつものバーベキュー(ソーセージ焼いてパンにはさむだけ)だろう、と思って期待せずに行ったら、キャンパス内にあるマレーシア料理屋さん(Papparich)にケータリングしたちゃんとしたランチだった。ベジタリアンとハラルがあったので、ハラルにした。チキンカレー。美味しかった!来月は隣の席に座っているバングラディシュ人の友達も誘っていこう。そして今日は留学生向けのフリーフードの配布がある。小さなことだけどこれも楽しみ。

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大学のスポーツセンターの庭でフリーランチを堪能。写っていないけどドリンクももらえて至れり尽くせり