40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

証明書類と旧姓問題

大学院への申請には、各種書類の提出が必要になるが、社会人になって時間が経ってから再度大学に行くことにした場合、その間に結婚して姓が変わる人もいる。私はまさにそのパターンで、姓が変わった時の様々な煩わしい手続きもさることながら、また大学院への申請時に他の人よりもひと手間多くかかる。

 

私の場合、具体的に以下の証明書類(申請時はすべてデジタルデータで可)を大学に提出する必要があった。

・パスポート

・大学の卒業証明と成績証明(大学院も行っていればその分も)

・就業証明(現在と過去の会社の分)

・IELTS成績

・過去の顕著な出版実績

 

上記のうち、パスポート、IELTS、現在の会社の就業証明以外は、結婚する前の自分の履歴の証明となるもの。そうすると姓が変わってしまっており、そのことをさらに証明する書類の添付が必要になる(大学の証明書は英語でも発行してもらえるが、旧姓でしか発行してもらえない)。姓が変わったことを証明する書類は日本の場合、戸籍謄本になるため、これを提出することになるが、戸籍謄本は日本語でしかないため、英訳が必要になる(ややこしい)。大学のホームページを見たところ、以下のように、証明書が英語以外の言語の場合、認定された翻訳版を提出せよ、となっている(NAATIという団体に認められている翻訳者を推奨)。

If your documents are in a language other than English, you must provide certified translated copies. We prefer NAATI qualified translators.

 

この手続きが微妙に面倒だった。まず戸籍は現在の住民票がある自治体ではなく、本籍がある自治体に請求することになる。私の場合、結婚と同時に関東に本籍が移ったが、今住んでいるところではない自治体で結婚生活を始めたため、本籍もその最初に住んだ場所(さえない賃貸アパート)のままになっている。たまたま仕事でこの自治体の近くに行く機会があったので、直接自治体の窓口で戸籍謄本を発行してもらった。ちなみにわざわざ行かなくても郵送でも対応してもらえる。

 

その後、この戸籍謄本を英訳する必要があるが、NAATIなる団体の翻訳者に訳してもらったところで、結局自治体が出す正式な戸籍謄本を第三者が訳した書類にしかならない(大学の証明書と違い発行団体が出す英訳とは位置づけが異なる)ため、わざわざお願いするのもばかばかしく感じた。戸籍謄本の各項目の英訳については、ネットで検索するといろいろな自治体のページがヒットする。例えば以下。

http://www.city.onojo.fukuoka.jp/s056/030/010/050/050/2013729183123.pdf

 

私はこのようなサイトを見ながら、自分でスキャンした戸籍謄本(日本語)にPDFの編集機能を使って英訳をテキストボックスで追加していき、そのPDFを大学に提出した。何か大学側から文句を言われたらその時にNAATIというところの翻訳業者を使えばよいと思ったが、結局やることは一緒なので、こんなところにお金をかけることに抵抗があった。Offer of Admissionを受けた今の時点で、NAATIに頼んで英訳をし直せ、とは言われていないため、このやり方で大丈夫だったようだ。(あくまで私の大学のケースです。)

 

あと、証明書類で少し面倒だったのは、以前働いていた会社から就業証明書を発行してもらうこと。日本の感覚だと履歴書を出すだけで、その内容の証明を出せ、と言われるケースはあまりないが、海外では経歴詐称が多いせいかどうなのかわからないが、第三者の証明書が必要になる。前職の会社とのネットワークはほとんど切れていたが、これもたまたま、あるプロジェクトを通じてその会社の人事の人とやり取りすることがあったため、その縁を使って個人的にお願いしてみた。

 

就業証明の英語のひな型をWordで準備し、そこに自分の名前(独身時代に在籍していたため旧姓と現在の姓の両方)、当時の所属部署と立場、在籍期間を入力した上で、先方の人事の責任者の方が記入できる欄を設け、メールで依頼。こちらもありがたいことにすぐ対応してもらえ、無事書類をそろえることができた。ちなみに、その会社は私が在籍していたころと今で社名が変わっているが、さすがにその証明まで出せ、とは大学からは言われなかった。

 

証明書類の準備は、一つ一つは大した作業ではないが、すべてそろえるのにはいろいろと面倒だった。一度そろえてしまえば使いまわしはできるので、早めに準備しておいて正解だった。