年が明けて1か月と少し経った。1月は忙しいようで、いつも年末よりはゆっくりできる。最近の出来事について記録。
シラバス作成
以前ブログにも書いた気がするけど、今年の後期から東京の私大(MARCHと言われる大学のうちの一つ)の社会人大学院で非常勤講師を務めることになった。コロナ中にメルボルンからオンラインで参加した日本の学会で知り合った先生が3月で定年で退官されるのにあたり、私を後任として推薦してくれて、先生が持っていた授業の1つを受け持つことに。
社会人大学院なので、授業は平日夜と土曜日に行われる。私は月~金まではフルタイムの会社員なので、平日夜の仕事終わりに100分×2の授業をするのは相当しんどい(終わりは22時とか…)。このため土曜日のコマを希望して、希望通りにスケジュールを組んでもらえた。ありがたい。ちょうど会社からは年1回のConflict of interest調査があり、学術機関との関連も申告が必要だったのでちゃんと伝えた。もしダメだと言われたら、非常勤講師ではなく、会社の方を辞めるつもりだが、今のところ何も言われていない。
私の講義は後期なのでまだ時間があるが、シラバスは一斉提出が必要なので1月に作成し、念のため昨年度まで退官される先生にレビューしてもらってから提出。先生が教えていた内容から変えても良いと言われていたので、自分が大事だと思うことでゼロから組み立てた。
この科目は、日本語で書かれた良い教科書が存在しないので、年末にイギリスの本屋から英語圏で使われている教科書を取り寄せた。1万円以上の出費でもちろん自腹。教科書は私がメルボルンに留学していた時に図書館で見つけて、最初に読み込んだ本でもある。実務者としては十分に理解しているテーマだが、理論的にどのように組み立てられているのかを知るのにとても有益な教科書。シラバスはこの教科書を参考にしながら組み立てることにした。ただ洋書を教科書として指定するのは難しいため、参考書として書いておいた。改めて、日本語では良質な教科書が存在していないという現実が何とも残念。
シラバスを作ってみてワクワクしている自分がいた。会社員としての仕事の合間を縫って、授業のスライドを1から作るのは大変そうだけど、1回作ってしまえば今後同じような機会があった時に使いまわせると思うので、無駄にはならない。
それにしても日本の大学は不思議。私からは履歴書やなんやらの書類を出したのに、大学側からは私に対して、正式に非常勤講師を任命する文書や連絡は今までのところ来ていない。そういうのをすっ飛ばしていきなりシラバスの入力依頼が来て、あれっと思った。大体、いくらもらえるかも教えてもらえていないし、契約も結んでいない。この辺り、日本の大学はありえないくらいルーズ。例えば、シラバスの入力のためのIDとPWはもらって入力し、シラバス自体は4月から開示されて私がその大学の教員であることは明らかになるけど、私自身はいつからこの大学の非常勤講師であることを名乗れるのかも分からない。
なんか変だと思って、事務局に問い合わせたら、実際に授業を受け持つ期間と講師を委任する期間は一緒ではないという説明、会社に副業申請するなどで書類が必要なら個別に作成できますよ、と言われた。いやいや、普通に考えたらお金や労力が発生することに対して、まずは書面の取り交わしが先なのでは?大学にはビジネスの当たり前が通じないみたい。私が途中で「やっぱり気が変わったのでやめておきますね」と言えてしまう状態で、大学としては良いのだろうか。また大学からは「予算がなくなったので、後期の委託費は1コマ100円です」と言われる可能性もある。謎すぎる。
最後の方は愚痴っぽくなってしまったが、今年チャレンジするこの新しい経験に対して、全体的にはとてもポジティブな気持ちだし、事務面がおかしなことも含めて私にとっては学びになっている(将来、日本の大学で教員をすることが良いのかどうかを見極める材料にもなる)。
PhDの威力?
私は社外の人とたくさん会う仕事をしているため、名刺をよく使う。会社の名刺にはデフォルトでは博士号を取得していることは書かれていない。他社の人と名刺交換する際に、博士号を取得していることを名刺に書いている人が多いことに気づいたのと、12月に関西の大学で講義した際にお話した教授から、なんでPhDとっていることを書かないの?と聞かれたことから、ちょうど名刺を配りきるタイミングで、PhDを名刺に記載したいと会社に相談。上司と人事の承認を経て、1月からPhDを名刺に記載するようになった。
書いていなかった時には起きなかった変化として、各種会合で外部の人と名刺交換するときに、外国人(特に欧米人)からは「What's your PhD about?」「Where did you do your PhD?」と聞いてもらえるケースがとても多い。そこから自分の専門の話(今の仕事ともつながっている)やオーストラリアに留学していたという話になり、会話が始まる。でも不思議なことに日本人からはほぼ聞かれない。PhDは欧米では注目してもらえる称号だけど、日本ではフルタイム学者や研究者以外は、おそらく何の価値もないし、関心も持たれない(持たれるとしても変わった人と思われるだけかも)。別にPhDが欲しくて博士課程に留学したわけではないから、私にとってはむしろ欧米人が反応してくれることが想定外で嬉しい。
オーストラリアの永住権
今週1週間で立て続けにオーストラリアの永住権(&Citizenship)を持っている人に3人会った。2人は会社の人、もう1人は外部の人。3人とも国籍はバラバラで日本人ではない。会社の2人は今の日本法人の社長と人事の責任者。この2人は日本法人にそれぞれ2023年、2024年に異動になる前は、シドニーの支社で働いていた。フランス企業なのに、私を面接した人事担当者はオージーだし、今の社長と人事責任者は直近オーストラリアに住んでいたというのは不思議な縁。
人事責任者と1対1でランチをする機会があり、お互いの自己紹介やキャリア、仕事の話をしていた時に判明。その人事責任者はオーストラリアが大好きで自分のホームだと思っているから、Citizenshipも取ったんだ、としれっと言う。いやいや、そんな簡単に取れないでしょう、ということでその話題に食いついた私。まずWork visaで行ったんですよね、それをPR(永住権)にして、Citizenshipというプロセスがあるはずですが。
うん、その通りだよ~。3年働いたらPR取れて、その後Citizenshipにアップグレードした。いとも簡単に言ってくれる。社長だってそうだよ、3年オーストラリアで働いて、PRとって、Citizenshipとった。社長はシドニーに家を建てているという話を前に聞いたことがあったので、その人事責任者にも「あなたも家を建てているんですか?」と聞いたら、「いや、僕はパースとブリスベンに投資用の家を買った」とのこと。
なんだろう、日本人から聞く話と次元が違って、PRって結局人種も関係しているのかな、と思いたくなる。夫にこの話をしたら「税金たくさん納めてくれそうな人にPR出すんじゃない?」と一言。グローバル企業のオーストラリア支店のトップや役員レベルの人なら簡単にもらえちゃうんだ、、うらやましいとしか言いようがない。
私もオーストラリアが好きで、いつかまた住みたいと思っているんですよ、というアピールをしてみた。異動できる機会があればサポートすると言ってもらえた。このフランス企業に転職したことが、実はオーストラリアにもう一度行くための道になっていたら面白いのになあ、という妄想がとまらない。シドニーの支社をGoogle mapで調べて(なかなか良さそうなところ、しかも日本人が結構いるエリアらしい!)、その辺にある学校をチェックしたり、それだけで楽しくなっている自分。本当に行けたらいいなあ。そのために、会社の仕事もちゃんとやって、英語力も上達させておかないと。
3人目の永住権保持者は、外部の会合で会ったアメリカ人。UNSWで博士号を取得して、アメリカ、オーストラリア、日本の3か国を行き来しているようだ。息子が私がメルボルンで通っていた大学にちょうど申請をしていると教えてくれた。小さな世界。私は今でもなんだかんだオーストラリアとの縁がある。前回、後悔についての記事を書いたけど、今はまたその時と心境が変わってきて前向きになっている。久しぶりにオーストラリアの小説を読むという習慣も再開した。

今はこれを読み切って、3月にケアンズに行ったときに同じ作者の新刊を買うのを目標にしている!