今週は自分としては久しぶりにみっちりと研究できた。前回の記事では集中できないことにストレスを感じていたが、水曜日くらいから調子が出てきた。良かったことが3つ。
1つ目は、水曜日の指導教官とのミーティング。いつも通りZoomで。1時間の予定だったけど、私の方からは先日査読結果が戻ってきた投稿論文の修正確認がメインのアジェンダ。先週中に修正内容とResponse letterを送っておいて、ミーティング中にフィードバックもらうつもりだったけど、何とミーティングの前日に先生が赤入れて返してくれた。ラッキー。だから私の方からさらに確認したい点だけをさらっと聞いただけ。
(この記事の続きの話)
投稿論文の修正の後は、今後の博論の予定の確認、Writing-up awayに関する大学側とのやり取りの共有をした。ここまでで雑談いれても25分くらい。特にそれ以上話すことないし、私も早く投稿論文の再提出をしたいから、「今日のミーティングはこれで終わりましょう。ありがとうございました」みたいに締めたら、「I like working with you.」と言われた。3年間一緒にやっていてこんなこと言われたの初めて。いつもきっちり計画をしていて、効率的な仕事の進め方が好き、と。これは社会人経験で培ったノウハウが活かされているだけだけど、アカデミアでは(それともオーストラリア社会では?)こういう基本的なプロジェクトマネジメントができない人も結構いる。私は(日本の)社会人として普通のことをしているだけなのに、できる人に思われたのかもしれない。でももちろん言われて悪い気はしない。
2つ目は、同室で同指導教官のもとでPhDをやっているドイツ人同僚に久しぶり(2か月ぶり?)に会えたこと。この2か月お互いにあったことをシェア。研究の進捗についてもディスカッション。なんか彼女と話せてとても嬉しかった。
実はその前日、長男のハイスクールで年度初めの保護者BBQナイトがあった。最初だからと参加してみたけど、久しぶりに面白くない/居心地が悪い会に行ってしまったと、どっと疲れ、なぜだか落ち込んだ。マシンガンのように話すオージーのママたちのテーブルで、アウェイな私。やっぱりネイティブの高速会話に入るのは難しいし、疎外感があった。英語ができない自分が嫌だった。
でも翌日にドイツ人の友人と話して分かったこと。ドイツ人の彼女は英語圏での生活が長くて、私の指導教官をもってして、彼女の英語はほぼネイティブと言わしめている。だから英語の面では私はネイティブ話者と話しているのと変わらない。でも前日のような英語のコンプレックスは感じなく、会話を楽しめた(もちろん多少もどかしい部分はあったが)。そこで気が付いた。私は英語で話すのが嫌な以上に、自分が興味がない話題を、ただ子供の母親だというだけで集まった人たちと話すのが嫌なだけなんだった。日本語でも楽しくない会話が、英語で楽しいわけがない、という当たり前なことに気が付いた。
3つ目の良いこと。今日、オフィスに新メンバーが登場した。エジプト出身の女のPhD学生。サバサバしてとっても話しやすくて、なぜだか意気投合した。お互いの自己紹介をしていて、日本好きということも分かった。オーストラリアでたまにあるけど、日本から来たと言うと「日本大好き」と言ってくれる人がいる(オーストラリア人というより、外国から来た人が多い)。自分の知っている限りの日本の知識を披露し、大体友人や親せきが日本に住んでいるという話をしてくれる。単純に嬉しく思う。
会話の延長で、彼女が村上春樹のコアなファンでいることが判明。私も村上春樹の本はほとんど読んでいる。一番好きな作品は何か?と聞かれたので、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と答えたら、「ノー!それ私のleast favouriteだわ。複雑すぎて頭がこんがらがる」とのこと。最近、昔は好きじゃなかったけど大人になって読み返したら「国境の南、太陽の西」も良いなあと思った、と言ったら、まだ読んだことないから読んでみたいとのこと。大学の学生団体がやっているレクリエーション図書館に村上春樹の英語本はほとんどそろっているらしい(彼女からの情報)。ちなみに彼女が好きなのは「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」だって。アラビア語に訳されているのは1冊だけで、ほとんど英語版で読んだと言っていた。オーストラリアでエジプト人と村上春樹の話ができるなんて世界は面白い。
今週5日間フルタイムで稼働できたおかげで、投稿論文(英文)の修正と再投稿、博論のFindings~Discussionチャプター(博論Bodyの後半パート)の修正版の完成と指導教官への送付が終了。来週はいよいよIntroductionの執筆と博論Bodyの前半パートの修正を終えたい。この勢いでぐいぐい進めていく。