40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

日本語論文を投稿

今朝、日本語の論文を最終化して、学会誌に投稿した。これは7月末に参加した日本の学会での発表をベースとしている。学会で発表した人はその内容をもとに学会誌に論文投稿することが推奨されている。せっかくなのでやってみようと思ったが、思った以上に時間を使ってしまった。

 

日本語で論文を書くことは、普段英語で論文を書く状況にある私からすると、当たり前だがとても楽。ネイティブイングリッシュスピーカーは、いつもこんな楽をしながら、国際的な業績を積むことができるなんて、本当に羨ましい。何かハンデをつけてほしいくらいだ。

 

何も楽だからという理由だけで日本語の論文を書いたわけではない。日本人に読んでほしいと思ったからというのも大きな理由。私の分野では、日本人の研究者は海外の論文を読む前に日本語で書かれた論文を読んでいるようだ。日本の学会誌に掲載されている論文の中にはもちろん英語文献を参照しているものもあるが、割合としては日本語の論文の参照数の方が圧倒的に多い。日本人に読んでもらうためには、日本語で書いた方が良いということになる。

 

私の博士研究はオーストラリアと日本という2つの国を対象にしている。そのうち、これまで日本の会社のデータをもとに、英語でカンファレンスペーパーとジャーナルペーパーを1本ずつ、日本語でカンファレンスペーパー1本を書いて、今回はこれをベースとしたジャーナルペーパー。自己剽窃を避けるために、これまで英語で書いたペーパーとは異なる内容で書いたので、結果的に博士課程の研究プロジェクトそのものというより、多少スピンオフ的な内容となった。

 

この日本語論文を書くために、今までほとんど読んでいなかった日本語の文献もいくつか読み、日本語の書籍を何冊か買って実家から送ってもらったりもした。データは博士課程のプロジェクトをベースにしているが、日本語が分からない指導教官にレビューしてもらうことができない。誰にも見てもらわない状態で投稿したので質に不安はある。無事査読に回って、査読者からコメントがもらえると良いけど…。

 

ちなみに、英語で書いた投稿論文はずっとReviews Completedのステイタスのまま、1か月近く変化なし。Editorで止まっているのか忘れられているのか分からないが、当面やることがたくさんあるので、せっつかなくても良いかと様子見をしている。この前のブログに書いたANZの学会のペーパー(これはオーストラリア企業のデータをもとに書いた)を提出し終わって、一息ついてからリマインドしてみようかな…。

 

楽しかった日本語の論文執筆が終わってしまったので、再び英語との格闘が始まる。博論のDiscussionの章に向き合わねば。アイデアが空から降ってくれば良いのにと思いつつ、空から降ってきたかのように思ったアイデアは先週指導教官に「I'm not convinced.」と却下されたので、やっぱり地に足を付けた分析が必要なんだと再認識。そういえば、私が分析に使っているのは、Grounded theoryと呼ばれている手法なんだったと改めて納得。

 

週末に長男と一緒に作ったみたらし団子。売ってない日本のものは自分で作るのが海外生活