40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

Welcome back! O-week 2022

最近、オンライン英会話を始めたこともあり、時間があまりなくてブログを更新できていなかった。久しぶりの大学関連の話題。それはO-week。

 

O-weekとはオリエンテーションウィークの略。オーストラリアの大学は、2月末から3月初あたりに学期が開始となるが、その前の1週間に主に新入生を迎え入れるためのイベントが開催される。キャンパスツアーや大学あれこれの紹介の他に、各クラブや団体によるブースの設置、スポンサー企業による商品やサービスの紹介、DJやバンドによる音楽、著名人の講演、夜な夜なパーティーなど遊び要素もたくさんある。ちなみに、私は今通っている大学の他に、これまでブリスベンアデレードの大学にも通ったことがあり、特に20歳の時に交換留学したブリスベンの大学でのO-weekは良い思い出になっている(夜な夜なパーティーも楽しんだ)。

 

今回の留学では、2020年、自分が新入生の時はコロナが蔓延し始めた時期で、O-weekは準備だけして開催無し、昨年はロックダウン明け(正確にはロックダウンとロックダウンの間)に開催、そして今年は3年目にして2回目のO-week。昨年のこの頃はまさか2021年も2020年と同じようにロックダウンに数か月も苦しめられる年になるとは思わず、明るい記事を書いていた。

fourty.hatenablog.com

 

さて、今年のパターンも昨年と大抵同じ。違うのは、メインの図書館の前に遊園地にあるような遊具が設置されていたこと。しかも逆さまになってグルグル回るような、結構きつめのもの(もちろん無料で参加できる)。

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St. Aliのコーヒーブースが出ていなかったのは寂しい。さすがに2年も続いたロックダウンで財政厳しくなったんだろうな。代わりに留学生団体がやっていたタピオカミルクティーをいただいた。インスタをフォローして、ストーリーに団体のアカウントを記載してアップするのが条件だったけど、どうやってやるのか分からない40代の中年博士学生のために、若い係の子が代わりにやってくれた。お手数おかけします。

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恒例のBBQにも並んだし、アイスクリームもゲットして大満足。私、お祭りが好きなので、O-weekは先週から楽しみにしていた。子供を連れてこられたら良いのになあ、と思ったくらい(子供たちは当然小学校に行っているので来られない)。

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今年はフリーフードをゲットするだけでなく、数ある講演会やセミナーのうち1つ参加してみることに。大学のO-weekサイトを見ていたら目に入った名前。キャシー・フリーマン。2000年、シドニーオリンピックの時の女子400m金メダリスト。そしてオーストラリアの先住民、アボリジニの女性。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3#cite_note-1

Wikipediaに書いてあるけど、オーストラリアの暗い歴史を背負って生きてきたアスリートでもある。

 

私は2000年のシドニーオリンピックの時に、ブリスベンに交換留学していて、オリンピックの盛り上がりをこちらで体験していた。特にキャシー・フリーマンについては多くのニュースが取り上げていて、印象に残っている。アボリジニに関する政策も今よりも発展途上で、まだまだ多くの議論がなされていた時期。村上春樹シドニーオリンピックについて書いたノンフィクションの中でこんな記述がある。

 

夜の八時十分。女子四百メートルの決勝。キャシー・フリーマンが今夜、決着をつける。金メダルも取っていないアボリジニーの女がどうして栄誉ある最終聖火ランナーなんかになるんだといういちゃもんにとどめを刺すには、とにかく金メダルを取ってしまうしかない。もちろん彼女の頭の中にも金メダルしかない。それ以外の選択肢はありえない。今日のレースに彼女の意地と、選手生命と、人生のエッセンスがかかっている。何があろうと負けるわけにはいかない。

(中略)

彼女が出てくると、会場が大きくどよめく。熱い拍手がわき起こる。例によって無数のフラッシュが光る。しかしそれだけだ。例のハッピーは「オジー、オジー、オジー、オイオイオイ!」の声もあがらない。そういう声をあげにくい凛とした空気がある。観客たちもみんなそれぞれに緊張しているのだ。特別な夜なのだということを、誰もが心に感じている。

村上春樹シドニー!②ワラビー熱血編」p.42-44

 

キャシー・フリーマンも今はもう40代。どんな話をしてくれるのか。生で話を聞ける機会に恵まれるなんて嬉しい。でも今は2022年。新入生としてO-weekを楽しんでいる学生たちは、シドニーオリンピックが開催された後に生まれてきた人達が圧倒的に多い。だからこのイベントには誰が来るんだろう?とも思う。年齢層高めのイベントになりそうだ。

 

若い学生があふれる大学のキャンパスはやっぱり素敵だと思った。おそらく私にとってこれが最後のO-weekになるので、このキャンパスライフを存分に楽しみたいと思う。ちなみに、浮ついた気持ちのままではあるが、今日、2年目の審査レポートを提出予定。祭りが始まるのは昼なので、午前中に仕上げて提出しないと!

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O-week初日の収穫。缶コーヒーを大量に配っていたけど、スパークリングって書いてある。美味しいのか?ウォーターボトルは1本ずつ息子達に取られた(2本あったので喧嘩にならず良かった)。