40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

ロックダウンの出口発表、ワクチン接種証明など

ここしばらくコロナ関連では動きがなかったので記事にしていなかったが、この1週間で色々とニュースがあった。良いことも悪いことも。時系列で3つ書く。

 

①ワクチン接種証明とQRコードチェックインシステムの連携

オーストラリアに住んでいる人以外には何のことを言っているのか分からないかもしれないが、先週からVictoria州では、州が管理するQRチェックインシステムと連邦政府が管理する予防接種記録(ワクチン接種証明)がシステム上連携したという話。まず、Victoria州ではこれまでスーパーや大学のキャンパス、カフェはもちろんのこと、公園にもあらゆる場所にQRコードが掲げられており、立ち寄る場所すべてでQRコードをスキャンしてチェックインするシステムが導入されていた。これは感染者が出たときに濃厚接触者をすぐに特定して連絡できるようにするシステム。Vic州以外の州でも同じようなシステムを運用しているが、いかんせん連邦制なので州ごとにバラバラのシステム。つまり州がこの情報を管理している。

 

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大学のビルの前にもQRコード

一方、ワクチンに関する情報は連邦政府の管理下にある。コロナワクチンを含む予防接種情報については、Individual Healthcare Identifiers (IHI)というシステムに登録されている。話がそれるが、例えば長男と次男は、乳幼児の時に済ませておくべきワクチン接種状況について、オーストラリアの学校に入る前に日本の母子手帳の記録と突き合わせてIHIに登録する必要があった(クリニックでやってもらった)。そしてオーストラリアのルールに照らして足りていないワクチンはこちらに来てから接種し、IHIに記録してもらう。

 

オーストラリア国民や永住権を持つ外国人はMedicareという国民健康保健でワクチン情報も管理されているようだが、Medicareの対象になっていない留学生などの外国人は、MyGovという連邦政府のシステムに直接情報が登録されている。その連邦政府に登録された情報と、州が管理するQRコードのチェックインシステムを連携させることで、QRコードをスキャンしただけで、ワクチンを打った人なのかどうかが一目でわかるようになった。

 

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QRコードをスキャンするとこういう画面が出てくる
1つ目のチェックはその場所へのチェックイン、2つ目のチェックはワクチン接種証明

これから、ワクチンを打った人と打っていない人で、できることが変わってくるようなので、スマホをかざすだけでクリアできるようにしたようだ。スマホを持っていない人はこれまで通り、店先においてある紙のリストに記入したり、接種証明書を紙で持ち歩いて見せるような形になるのだと思われる。そしてワクチンを打っていない人は肩身が狭くなるようだ。ちなみに、スタッフも学生もワクチンを2回打った後でないと大学のキャンパスには来られないルールになっている(オンライン授業は引き続き行われるので学習面ではサポートされている)。自分自身やコミュニティの健康や命を守ることと引き換えに、個人個人の行動が管理される社会が来たという気がしなくもない。

 

②小学校で感染者が出た

長男と次男が通う小学校で感染者が出たようだった。ロックダウン中でも、エッセンシャルワーカー等の子供や様々な事情で自宅学習ができない子供は登校が許されていた。その中で感染者が出た模様であるというニュースが先週校長先生から保護者宛の一斉メールで連絡が来た。ついに来たか!と。長男の友達でもこの間に学校に行っている子がいて、濃厚接触者なのでPCR検査と14日間の自宅隔離。誰が感染したのかはプライバシーの観点から明らかになっていないが、おそらく高学年と低学年で1人ずつ出たのではないか、と言われている。

 

我が家含め、ほとんどの家庭の子供はホームラーニングしていたから濃厚接触者には当たらないが、必要があって登校していた子供たちと監督していた先生は全員14日間の自宅隔離。。エッセンシャルワーカーの親も仕事の調整をせざるを得ない状況になってしまっている。今週から段階的登校が始まるが、いつクラスで感染者が出てもおかしくない状況だな、と思った。

 

③ロックダウンの出口発表

昨日の州の会見で、ロックダウンの出口について発表された。Vic州の感染者は1日当たり2,000名前後で全然落ち着いていないが、当初のシミュレーションよりも入院者数が少ないこと、ワクチン接種が予定よりも早く進んでいることから、ロックダウン終了が前倒しになっただけでなく、出来ることも増えた。ちなみに、入院者の90%、ICUにいる97%はワクチン未接種者とのこと。16歳以上の接種率が70%弱の現状なので、数字だけ見てもワクチンによる重症化予防の効果はあるように見える。

 

16歳以上のワクチン接種率が70%を超える今週木曜日の深夜(実質金曜日)から出来ることのリストは以下。自分にとって大きいのは、5年生の長男も金曜日から学校に行けるようになることかな。もともと1年生の次男は今週の木曜日から行けることになっていたが、長男は1週間前倒しになった。ちなみに80%を超えたら(10日後くらいらしい)もっといろいろなことができるようになる。

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ハイライトされている部分は前回発表からの変更箇所
https://www.premier.vic.gov.au/victorians-hard-work-means-hitting-target-ahead-time

この発表は基本的には良いニュースだけど、小学校は混乱している模様。すでに今日から年長クラス(Prep)の登校が始まっている。ロックダウン中に必要があって登校していた子供たちは全員自宅隔離で、ロックダウン中にホームラーニングしていた子供たちは今週から登校開始という逆転現象が起きている。しかも今週と来週は、まだ5日間の登校が許されておらず、学年ごとに2日ずつの登校になるので、先生たちもホームラーニングを指導する傍ら、オンサイトで教えたりと混乱していそう。バイリンガルスクールなので、一人の先生が複数のクラスを受け持っていたりもする。また、ロックダウン中のコロナ感染者の出現で自宅隔離になっている先生もいるはずなので、その調整もあると思われる。学校が始まるのはうれしいけど、なんだか手放しに喜べない気分。

 

Withコロナといっても、感染者が出たらクラス単位で隔離生活になるので、覚悟しておかないとな、と思っている。そして兄弟が多ければ多いほどそのリスクも高まるという…(一応、濃厚接触者の家族はカジュアルな接触者という扱いらしいが)。重症化するリスクをワクチンで抑えられているとしても、感染してしまったらそれなりに日常生活に影響が出ることは明らかなので、やはり引き続き予防には気を付けたいなと思っている。

 

あと、3年生以上は学校でのマスク着用義務、2年生以下は強く推奨となった。うちの男子たちは一瞬でマスクを無くす技をもっているので、絶対に使い捨てじゃないと無理。子供用の使い捨てマスクは近所の店では売り切れだったのでネットで100枚注文。朝装着したマスクをちゃんと夕方もつけて帰るとは限らないので、予備を何枚かバッグに入れておかないと。100枚買っても1か月持つかなあ。。