先週木曜日、メルボルンはロックダウンから通算200日目を迎えた。そしてその記録は今も更新中。200日というのはおおよそ7か月。驚きの数字。ABCニュースではご丁寧に1回目のロックダウンから振り返りをしてくれていた。
日数だけまとめると以下。
- 1回目:2020年3月30日から43日間
- 2回目:2020年7月8日から111日間
- 3回目:2021年2月12日から5日間
- 4回目:2021年5月27日から14日間
- 5回目:2021年7月15日から12日間
- 6回目:2021年8月5日から15日間で現在進行中
やっぱり111日間続いた2回目が一番つらかったなあ。6回目はこの数字を更新しないことを祈っている。4回目、5回目、6回目はデルタ株。よく4回目と5回目を抑え込めたな、と今となっては感心する(5回目は抑え込めていなかったのかもしれないが)。
日本ではロックダウンしても意味がない、という論調があるけど、半分正解で半分誤解があるように思う。厳しいロックダウンをほとんどの住民が守ることができれば、封じ込めは可能のようだ(もちろん経済的な補償とセットにはなるが)。実際にオーストラリアのいくつかの街では、うまく封じ込めしている。一方で、メルボルンやシドニーなどの大都市ではそれが難しいことも明らかになってきた。理由は皆が皆、規則を守るわけではないから。多民族国家特有の言語や文化、宗教の多様性が裏目に出ているケースも見受けられる。政府の発表を聞いていると、一部ロックダウン規制を守らない人達がいるせいで、感染の抑え込みができていないという風に受け取ることができる。
昨日もロックダウン中のメルボルンやシドニーで大規模な反ロックダウンデモがあり、多くのデモ隊が警官と衝突していた。政府はSelfishな行為だと批判。デモ隊の中には親に連れられた子供もいて、催涙ガスのようなものを浴びて目が明けられない様子もテレビで放映されていた。なんかニュースを見て悲しくなった。こんなことしても、得をするのはコロナウィルスだけ。デモ隊も警官も密になって、これじゃあコロナの思うつぼ…。一歩引いて見ると、ウィルスのせいで人間同士がいがみ合っているのは滑稽にも見える。星新一のショートショートに出てきそうな話が現実に起きてしまっている。あー、なんだか星新一の本が読みたくなってきたな。全部日本に置いてきてしまった。
ちなみに200日をマークした木曜日にはこんなニュースも。
世界中を見渡して、木曜日時点ではメルボルンがロックダウンの期間が4番目に長い都市らしい。
現時点では、203日目になるので、チェコを追い抜いて世界で3番目。そしてロンドンの207日も追い越す予定なので、2番目に躍り出る。ロンドンのロックダウンは長いイメージがあったけど(オーストラリアでもイギリスのことはよく放映されるので)、ブエノスアイレスやチェコについては全然意識していなかったので、意外だった。世界広しと言えども、200日以上ロックダウンをしているところはそんなにないようなので、これもある意味貴重な経験になるのかな…。しなくて良い経験だけど。そして1位のブエノスアイレスも抜いてしまうのではないか、とヒヤヒヤしている。
最近はロックダウンに慣れすぎて、あきらめにも似た感情。すべてのことがちゃんとできなくて当たり前だと思っている。ある程度適応してきたのかもしれない。7か月間、息子2人はまともな教育を受けられず、夫は仕事を外注する割合が増え(それにより収入が減り)、私はパートタイムの学生をしている。1日8時間で週5日稼働するというのがノーマルだとすると、約半分の時間しか研究に充てられていない。単純に計算すると、200日×5/7日×4時間=571時間分の研究時間をロスした。昨年のロックダウンの最初の頃は睡眠時間を削ったりして、何とか8時間を維持しようと思ったこともあったが、これだけ長引くと結局そういう生活は無理になる。身体やメンタル、もしくは両方に支障をきたすだろう。
とりあえず、博士課程をクビにならず、何とか最低ラインはクリアできているようなので、この調子で「これも人生、なるようになる、なるようにしかならない」と思って進めていく予定。来週、初めてのオーストラリア企業へのインタビューを控えている。リクルーティングメールを送りまくったら、次の日に「インタビュー受けてもいいよ」と返信をくれたありがたい企業。1社も釣れないかもな、とも思っていたので、一瞬目を疑った。来週はその企業について事前にしっかり調査をして、万全の体制でインタビューに臨みたい。英語でのオンラインインタビューに不安はあるし、考えるだけで緊張するが、自分で決めたことだからやるしかない!
最後に今週の良かったことを写真で振り返り。