40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

ロックダウンのシーズン⑥が始まりました

先週木曜日に下の記事を書いた直後に、Victoria州では6回目のロックダウンをすることが発表された。今回は完全に不意打ちだった。しかもアナウンスから数時間後から開始という急ぎよう。いつもは日付が変わる深夜の23:59から開始されるけど、前回のロックダウンはロックダウン前最後に飲みたい人達がパブに殺到したこともあり、それを避けるために20:00からに設定された(らしい)。

 

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5回目のロックダウンが始まったのが7月15日なので、まだ1か月もしない間に6回目のロックダウン。もう私たちVictoria州民はロックダウンのベテランになってしまった。 

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正直もうこの流れにはうんざり。英語だとI'm sick of this.という感じだろうか。今回はショックというよりも、諦め、無気力というモード。もうどうでもいいや、と思って、翌日金曜日のホームラーニングは超適当。日本人ばかりの家族の中で、よくわからない英語を使って勉強させる意味なんてあるのか、と思ってしまい、子供たちの課題をフォローして、何とか形にして提出しようという気も起きないし、自分の研究も真面目にやっているのがばかばかしくなってしまった。その投げやりな気分はさすがに少し持ち直したけど、今でも「もう頑張るのはやめよう」という気持ちは若干(根強く)残っている。コロナに生活を左右されすぎたせいて、自分の人生を自分でコントロールできるという気がしなくなっているのだろう。

 

とはいえ、特に鬱々としているわけでもなく、週末はなるべくロックダウンを感じないために、限られた範囲でお出かけ。限られた範囲というのは、具体的には自宅から半径5km以内、2時間以内のエクササイズ目的の外出を意味する。幸い天気は良かったので、日曜日の朝に長男を誘って2駅先までサイクリングに行った。

 

線路沿いにずーっとトレイルが整備されているので、ほとんど止まることなくサイクリングができる。ジョギングしている人もいる。自宅の最寄り駅の街は、完全に中国とインドの街になっているけど、2駅街の方に行くと今度はギリシャの街があり、2駅田舎の方に行くと東南アジアの街がある。今回はギリシャの方に行ってみた。隣の大家さんのお父さん(ギリシャからの移民)によれば、この駅の周りはギリシャ人がToo manyいるとのこと。

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走りやすいトレイル

駅の前の歩行者天国の場所にギリシャからの移民が経営しているカフェやレストランがぎゅっと並んでいる。カフェは数か所オープンしていて、ギリシャ系の人たちが外でコーヒーを飲んだり、子供たちを遊ばせていたりした。厳密にいえば規則違反かもしれないが、カフェはテイクアウト限定でオープンして良いので、買ったコーヒーを店の前で立って飲むくらいは大丈夫そう。

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いつもなら賑わっている歩行者天国ギリシャ人街も落ち着いた様子

長男のためにギリシャ風のドーナツを購入し、私はコーヒーを買ってしばし休憩。天気が良すぎて、ロックダウンということなんか忘れそう。そんな時間の過ごし方をしていて、やっと少し気分が上向きに。これを機にエクササイズがてら5km以内の街や店を開拓してやろう、という気にもなってきた。

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ギリシャ人街を牛耳っていそうなカフェ兼ベーカリーでコーヒーを買ってみたら、ロゴに小さくシグマの文字が

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店のサインも英語とギリシャ語が併記されている

ちなみに今日も昨日も新規感染者は11名。今のところ正式なアナウンスだとロックダウンは1週間の予定だけど、まあ、難しいんじゃないかな。感染者が2ケタ出ると、最低2週間コースな気がする。でも良いニュースとして、明日からVictoria州の田舎(Regional Victoria)は先行してロックダウン解除となる。自分が住んでいるところも全然感染者が出ていないのでロックダウンを解除してほしいが、なかなかそうはいかない。とはいえ、Victoria州内で少しでも上向きなニュースが流れるのは何となく嬉しい。

 

研究の方はパートタイムで粛々と進行中。考えようによっては、5回目と6回目のロックダウンの間の超貴重な10日間に、これまで行ったインタビューの分析パートのドラフト第2弾を完成させて指導教官に送付し、オンラインでインタビューを2件遂行できたのは奇跡的なタイミングだった。自宅で子供がいる状態だと集中力が半分以下になるし、そもそもまとまった時間が取れないので、頭を使う仕事はほとんどできない。先週からまた作業フェーズに入っているので、タイミングとしては最悪の状態は避けられたと思う。明日、指導教官とのミーティングがあるが、あまりディスカッションしたい気分ではない(というかそれができる状態ではない)。でもせっかく先生が時間を割いてドラフトへのフィードバックをくれたので、ありがたいと思って自分を奮い立たせて臨むしかない。

 

まあ何でもポジティブに捉えていきたいが、現実にはそんなに簡単ではない。今回のロックダウンは、淡々諦め流されイージーモードで過ごしていこうと思っている。確か、今日あたり、Victoria州のロックダウン累積日数は190日目くらいだったような。計算すると、私のオーストラリア生活の約3分の1がロックダウン下にあることになる。これは意外。感覚的には半分がロックダウンだったような気がする。3分の2も自由が与えられていたかしら。この感覚と実際の違いは、ロックダウンの時の方が時間が過ぎるのが遅く感じるせいなのかもしれない。