40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

3回目のロックダウン

前の記事の終わりにも少し書いたが、メルボルンは現在、3回目のロックダウンの最中。ことの発端は、海外から帰国した人を隔離するホテルで働く人が感染してしまい、その人の周りの人が感染するという市中感染が起こった。累計15人くらいの感染になったところでロックダウン。その後、毎日1人~2人の新規感染者が出ており、すべてはそのホテルの感染に紐づけられている。

 

ロックダウンは先週金曜日の午後に発表され、その当日の深夜から5日間の予定。また新しい単語を聞いた。こういう速くて短いロックダウンをSnap lockdownと名付けたらしい。BubbleとかSnapとか、言葉は知っていても、コロナに絡めてどんどん新しい造語が出てくる昨今。

 

メルボルンの人たちにとって、ロックダウンは昨年散々経験していて慣れている。誰もが嫌な気持ちになるけど、かといって、今回は驚きや動揺はそんなにない気もする。「あー、またか…」という感じ。昨年、メルボルンの数か月にわたるロックダウンが終わった後、ブリスベン、パース、アデレードシドニーなど、各都市でも帰国者経由の感染が発覚して、短期間のロックダウンをやっている。だから、メルボルンだっていつかこうなるというのは誰もが想像していたことでもある。ロックダウンの判断が早いのは、自分の州だけではなく、他の州の例も含めて経験が積み重なっているからだろう(とはいえ、メルボルンの第2波が他の州にとって反面教師的に一番参考になったと思うが)。

 

今回、Snap lockdownはいきなりステージ4レベル。お店はスーパーとドラッグストア、テイクアウトの飲食店のみ(つまりKmartやIKEA、Bunningsなどは閉店)。美容院なども閉まる。エッセンシャルワーカー以外はWork from homeの義務付け。小学校~大学まですべて閉鎖(ただし親がエッセンシャルワーカーの子供は申請を出して許可されれば登校可能)。外出は居住地から5km圏内に制限され、4つ理由以外での外出は認められない。4つの理由とは、食料品や物資の買い物(一世帯当たり1人が1日1回のみ可能)、介護及び医療、必要不可欠な仕事または許可された通学、運動(屋外での運動は1日2時間以内)。訪問の禁止。屋外も含めてマスクの着用義務。などなど。全部経験済みのこと。

 

散々、第2回のロックダウンの時の記事にも書いたが、私にとって一番打撃なのは、小学校が閉校になること。これが休みではなくて、自宅学習なのがつらい。自宅学習=親が教師の代わりになるということだから。今週月~水は、自分のことはほとんど何もできないと思っていた方が良い。。3月初に予定しているPhD1年目の審査の準備がほぼ終わっているので焦ることはない、と自分に言い聞かせた。

 

ロックダウン1日目と2日目は週末なので楽勝。近くの公園に2時間弱遊びに行って、後は普通に過ごす。掃除したり、料理を作ったり。日曜の昼はKFCをテイクアウェイして食べた。あと全豪オープン大坂なおみ選手の4回戦をテレビで観戦。特に不便はない。問題は月曜日から水曜日までの自宅学習。

 

長男は5年生に上がって、学校が使う学習プラットフォームが変わった。高学年はGoogle Classroomというプラットフォームを使う。これのアカウントセットアップや準備をしなければならない。先生たちは日曜日にも対応業務をしていた。次男は相変わらずSeeSawというアプリ経由で課題が出されて提出する形をとる。学年が変わって、新しいIDを使うということ以外には特に大きな変化はない。

 

そして月曜日。いつも通り、私の担当は長男、夫の担当は次男という2人体制で子供の家庭教師を始めたが、長男と私がもめてしまい学習が中断。ひどいことを長男から言われて心が傷つき、家族の前で泣いてしまった。「もう私は長男の家庭教師はやりたくない」と夫に訴えて、担当を交代してもらった。午後からは私が次男の担当、夫が長男の担当。次男の学習は1年生なので平和。まだ小さいので集中できる時間は限られているけど、今のところスムーズ。

 

やっぱり小学校が閉校になるとすべてが狂う。子供は学校に行けないことがストレス、大人は仕事など本来やるべきことができずにストレス。その状態で、自宅で学習をしなければならず、家族ならではの甘えや厳しさも出て衝突しがち。そしてこれがまた新たなストレスになるという悪循環。ロックダウンなんて楽勝、と思っていたけど、やっぱりつらい。早く終わってほしい。他のことはすべて我慢するので、頼むから小学校だけは開いていてほしいと思う。昨年はよくこんなこと何か月もやっていたな、と自分でもびっくりするくらい。1週間前とは天と地の差。でもこの状態を終わらせるために、自分にできることは何もない(自宅にいるということ以外)。来週にはロックダウンが終わっていることを祈るしかない。

f:id:aruimk:20210216050536j:plain

日曜日に行った近くの公園。背の高い松の木がたくさんあった