40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

Mount Gambierへ旅行<前編>

子供の小学校の夏休みも残すところあと数日というところまで来た。11月頃から計画したアデレードに住む友人家族との2泊3日の旅行に先週末行ってきた。行き先は、Mount Gambier。おそらく日本の人にはほとんどなじみがない地名。私も行ったことがない。なぜここにしたのかと言うと、アデレードメルボルンの間にあるから、という単純な理由。

マウントガンビア - Wikipedia

 

メルボルンから約430km、アデレードからも約430km。430kmというのは、大体東京から京都位の距離らしい。この距離をお互い車でひたすら飛ばして、中間地点で落ち合うという企画。Mount Gambierはアデレードがある南オーストラリア(SA)州に属するため、ビクトリア(Vic)州民である私たちは州境を超えることになる。オーストラリアは厳しいコロナ対策を敷いている国なので、SA州かVic州のどちらかで1件でもコロナ(市中感染)が見つかったら、すぐさま有無を言わせず州境が閉じられる可能性がある。このため私たちは当日まで旅行に行けるかどうかがわからない状態だった。結果的に、両州とも旅行の前から今までずっと市中感染がゼロで推移しているので、感染の心配を全くせずに無事旅行を遂行することができた。

 

朝8時半ごろに自宅を出発。昼ごはんは田舎で食べるところがないことも想定して、前回のフィリップ島の旅行と同じく、おにぎりを握っていった。メルボルンのシティを抜けて、しばらく高速道路。思ったよりも交通量が多くて、メルボルンが都会であることを改めて実感。2時間くらい走らせるとだだっ広い風景が広がる。とはいえ、荒野(オーストラリアではアウトバックと言う)ではなく農業地帯。

 

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曇り空の中、延々と続く農業地帯を車で走る(農業以外には風力発電の風車も見られた)

ナビによれば4時間と少しで着くらしいが、農道をぶっ飛ばす車の運転に慣れていないので安全運転をしつつ、休憩も挟みながら進んだので、かなり時間がかかった。日本の高速道路と違って、休憩所がすぐにあるわけではないので、水や食料などを持参していないと何かあった時怖いのがオーストラリアのドライブ。途中、小さな町があったのでそこで昼休憩。真夏にもかかわらず冬のように寒くて、ダウンジャケットを着用。寒すぎて車の中でおにぎりを食べた。

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途中で休憩した小さな町の広場。まだクリスマスツリーが飾ってあった

今回、州境を超えるので2つの種類の許可証を申請し取得した。一つ目はVic州からSA州に入るための許可証(SA州が発行)。もう一つは帰りにSA州からVic州に入るための許可証(Vic州が発行)。州境では検問があると聞いていたので、ドキドキした。州境を超えて5分くらい、何もないので拍子抜けしていたら、明らかに検問っぽいテントを発見。そこで止まってチェックを受けた。

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左前に見えるのがSA州警察による検問のテント

準備していたマスクを着用し(これはマスク義務化が長いVic州の住民に染み付いた習慣)、プリントアウトした許可証とIDを手元に置く。テントの前で止まって車の窓を開けたら、とても人の良さそうなSA州の警官がタブレットを持って立っている。許可証の番号を4人分告げて、一人ずつシステム上でチェック。日本人の名前に慣れていないせいか、名前の確認のときに「僕が君たちの名前を正しく発音できていなかったとしたらごめんね」と言われてほっこり。こういう一言があると雰囲気が和む。事前に許可をとっていたので何のトラブルもなく通過できて一安心。コロナがゼロの状態では、州境を超えること自体は特に控える必要がないため、なぜSA州に行くのか、など理由を聞かれることもなかった。

 

州境を超えて30分程度走ったら、Mount Gambierの街に到着。ついたのは結局15時くらいだったので、休憩含めて6〜7時間かかったことになる。遠かった。しかも途中でVic州とSA州の間に時差があることも思い出し、待ち合わせ時間について少々混乱(SA州は30分遅い)。

 

今回泊まる場所は、大きめのキャンプ場。私たちはテントを持っていないので、キャビンを家族ごとに借りた。完全にファミリー向けの施設(友人には私の長男と同い年の男の子と次男よりも1つ年上の女の子がいる)。

www.big4.com.au

 

天気が悪くて小雨も降っていたので、楽しみにしていたプールで遊べなくて子供たちガッカリ。その代わりに古びたゲームコーナーで遊んだ。なぜか一つのゲームが壊れていて、お金を入れなくてもずっとゲームができるようになっていた。その上、10分に1回くらい謎の停電が起きて、部屋が真っ暗になり、ゲームがすべてリセットされてしまうという変な場所だったが、子供たちはそれも含めて楽しかったようで飽きるまで遊んでいた。その後は夫に子守をお願いして、私と友人夫婦でColesに夕食の材料の買い出し。

 

Colesに着いてびっくり。誰一人としてマスクをしていない!ここはSA州だからマスクのルールがないんだ、と改めて気が付いた。Vic州では市中感染ゼロが続いている今でも、予防のためにスーパーではマスクの着用が義務化されていて、違反すると罰金を取られる。私が見る中では宗教上髭がすごい人も含めてどんな人種にも関わらず、みんなきちんと従っている。もう半年以上?マスクの義務化がされているので、スーパーでマスクをしないことに違和感を持つようになってしまった自分。同じ国なのに州によってこうも違うのか、と改めて思った。そして、もしメルボルンではない街に留学していたら、もっと違う2020年になっていただろうな、という考えが一瞬頭をよぎってしまう(オーストラリアで半年間にわたる厳しいロックダウンをしたのは感染拡大があったメルボルンのみで、他の州は感染が少なくトータルでも1ヶ月ほどしかロックダウンを経験していない)。正直SA州の人が羨ましくなった。

 

夕食について。友人の旦那さん(私にとっても17年来の友人で修士留学中にお世話になった人)はオーストラリア人なので、ステーキを焼くのがうまい。奮発してスコッチフィレを買って、ステーキとソーセージをキャビンのキッチンで焼いてくれた。サラダ用の野菜は友人の娘ちゃんが切ってくれた。私はほとんど何もしていない。人に食事を作ってもらえるって幸せだなぁ。

 

友人とは約1年半ぶりの再会なので積もる話がたくさん。子供達の学校のこと(友人はアデレードで小学校の先生をしている)、生活のこと、ロックダウンのことなどを話し込んでいたらいつの間にか夜の9時を回っていた。慌てて子供たちをそれぞれの部屋に戻してシャワーと就寝。長時間の移動の疲れもあり、ぐっすり眠って起きたら晴天。気持ち良い朝だった。

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2日目朝のキャンプ場の様子(右に見えるのが泊ったキャビン)

続く。