40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

マンゴーシーズンの到来

日曜日に八百屋に行ったら、店頭にマンゴーが山盛り積んであった!マンゴーシーズン到来。大きなマンゴーが2玉で6ドル(約450円)だったので、もちろん買った。1月にメルボルンに来て、マンゴーが安くておいしいので、毎週のように買っていたけど、3月4月ごろから見なくなった。そして9月下旬の今、再び店頭に並んだ。

  

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オーストラリア産のマンゴー、バナナ、洋ナシ、アボカド、ミカン

 

マンゴーはオーストラリア産。本当に豊かな国だなと思う。ミカンとマンゴーが同時に収穫できる国。しかも両方安い。最近は洋ナシもバンバン出始めたので、洋ナシも購入。バナナもオーストラリア産のものがいつでも売っている。日本のフルーツはおいしくて大好きだけど、高いのでぜいたく品のイメージがある。オーストラリアではフルーツがとても安いので、たくさん食べることができてうれしい。特にマンゴーはこのサイズになると、日本では1玉500円以上することが多い(メキシコ産など)。国産だと数千円以上するので食べたことがない。オーストラリアにいるうちに、バナナやマンゴーなどのトロピカルフルーツをたくさん食べておこうと思う。

 

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ちょうどよく熟れていてとても美味しかった

 

※日本でも贈答用として買えるみたい。でも高い。。

 

少し前に、コロナのせいでワーキングホリデーの人が減り、農作物収穫のための労働力が足りていない、というニュースをやっていた。オーストラリアでもファームジョブ(特に経営ではなくて現場の労働力)は、外国人労働者に支えられている。レストランやオフィスでの仕事と比べて英語力のレベルが低くても就ける仕事ということもあり、日本人のワーキングホリデーの人たちも多数がファームジョブを経験している。また、ワーホリビザは通常1年間の期限があるけど、ファームジョブを3か月以上経験するとビザをもう1年延長できる(セカンドビザ)、というインセンティブも用意されている。20年前はそんな制度はなかった。それほどファームジョブをやるオーストラリア人が少なくなったのか、それとも農業がさらに盛んになって労働力が必要になったのか、もしくはその両方。スーパーでマンゴーやイチゴを買うたびに、これはひょっとして日本人のワーホリの人が収穫してくれたものかもしれない、と思うこともあった。

 

調べてみたら、今回のコロナ騒動でワーホリの人たちが自国に帰ってしまったため、マンゴーピッキングのために、特例としてバヌアツから短期労働者を受け入れているというニュースがあった。現在、外国人は原則オーストラリアに入国できない決まりがあるけど、背に腹は代えられないということだろう。

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また、コロナによるロックダウンで多くのオーストラリア人が職を失っているが、政府は職を失った若者を一時的に農作業に駆り出すために、特別に失業手当をもらいながらファームジョブをするような制度を考えているようだ(失業手当と給料の両方をもらえるということ)。

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オーストラリアは鎖国中なので、農業に限らず外国人に頼っていた産業は大打撃を受けている。例にもれず、私の所属している大学も留学生が多数在籍している。多額の授業料を納めてくれる留学生(主に学部生とコースワーク修士)を前提として成り立っていたが、留学生の激減により、アカデミックスタッフに給料を支払うのが難しくなってきた。対策として大学の役員レベルの人たちは減給、教授等の正規職員も昇給見送りの措置が取られた上、(おそらく)正規雇用ではない講師等の雇用を減らしていくような計画があるようだ。ブログにどこまで書いて良いかわからないが、計算によると大学全体でかなりのアカデミックポストの削減をしないといけないらしい…(具体的な数字も書いてあったが、大学の規模が大きいだけあって削減ポストも驚くレベル)。現在受講者が少ない授業を無くすことで、アカデミックスタッフ一人当たりの業務量は増やさない形をとるとのこと。在籍中の学生も受けたい授業が受けられなくなるなどの影響が及ぶ可能性があるので、全学生宛のメールで状況の説明があった。私は大学から学費全額免除と生活費支給の恩恵を受けているが、毎年増額される生活費もこれから横ばいになったり、減額になることもあるかもしれない。また来年以降、新規での奨学金枠が減ることも充分考えられる。大学に経済的に貢献していない人は(私のこと)、代わりに研究の成果で貢献すべきなので、ますます身が引き締まる思い。

 

留学生がオーストラリアの高等教育産業を支えている、という事実のもと、バヌアツからのマンゴー収穫者と同じように、一部地域(日本も含まれる)の留学生を対象に、特例として入国を許可するような検討も始まっている。マンゴーの話からずれてしまったので、コロナが大学に及ぼす影響については、今度別の記事にまとめてみたい。

 

※こちらの記事に詳しい状況が書かれている。たまたま私が在籍している大学の学長のインタビューも載っていた。今年と来年の入学が極端に減ると、入学者と卒業者の数のバランスが崩れて、トータルでの学生数が毎年減っていき、長期間にわたり大学に影響を及ぼすという話をしている。

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