40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

激しいめまいに倒れた

火曜日の深夜に激しいめまいに襲われた。5日たった今日(日曜日)、やっとパソコンを開けるくらいまで回復したが、まだ完治はしていない。めまいがひどいせいで病院にも行けていないが、ネット上に記載がある情報と自分の症状を照らし合わせると、おそらく前庭神経炎というものになったようだ。

 

前庭神経炎は、内耳から脳へ情報を伝える前庭神経が、なんらかの原因で障害されてめまいを生じると考えられています。発症前に風邪症状がある人が多いため、ウイルス感染が原因と疑われていますが、詳しいことは分かっていません。
ただ、脳卒中などが原因のめまいと異なり、意識障害(意識がなくなること)、構音障害(こうおんしょうがい:ろれつが回らなくなること)、四肢麻痺(ししまひ:手足が動かなくなること)などは起こさず、生命に危険のある病気ではありません。
前庭神経炎によるめまいは非常に強烈で、通常は救急車で病院に搬送されるなどして入院治療をされる方が多くいます。

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前庭神経炎 (ぜんていしんけいえん) | 社会福祉法人 恩賜財団 済生会

 

火曜日の深夜というか、日付は水曜日に変わったころだったと思う。眠っていたら急に自分の体がぐるぐる回されているような気持ち悪さで目が覚めたが、あまりにも気持ちが悪くて目が開けられないほどだった。とりあえずスマホで時間をみたら1時過ぎだったように記憶している。それから朝まで何度かぐるぐるした気持ち悪さが続き、眠っているような眠っていないような状態だった。

 

でも朝7時になったので起きなくては、と思い、気持ち悪いながらもベッドから出て、家の電気と暖房をつけに歩いたが、あまりにもひどいめまいで歩けなくて座り込んでしまった。自分も世界も両方ぐるぐる回っているので、気持ち悪いし怖いような気分。どこかに飛ばされそうになるので、枕にしがみついた。何とかグルグルをやり過ごして、右を下に寝ていると少し落ち着いてきたが、首を少しでも動かすとものすごい回転が始まるので、動くことができない。夫にめまいのせいで起きられないことを告げて、ベッドにとどまっていた。

 

その日は結局、死ぬ気の思いで自力でトイレに2回ほど行った以外はずっとベットの上だった(寝室からドア1枚挟んでバスルームの構造で助かった)。食事はクッキーを1つ口にできただけ。脱水になってはいけないので、水筒に水を入れてもらって、それを寝ながら定期的に飲んでいた。首を動かすとものすごいめまいが来るので、水を飲むのも命がけ。しかも起きられないので、いちいち水をこぼしながら飲む始末。1日の半分以上眠って過ごした。

 

水曜日はとても天気が良く、予定なら今週中に仕上がる予定のチャプターの最後から2つ目のセクションを図書館で書いていたはずなのに、と思うと、大きな失望感に見舞われた。自分で設定した締め切りだけど、頑張って間に合わせるためにやってきたのに、ラストスパートをかけるはずの時に倒れ、もう間に合わないと分かってショックだった。

 

翌日木曜日、多少回復。どこかに飛ばされそうなほどの激しいめまいは、首を大きく動かしたときだけで、それ以外は横になってじっとしていれば気持ち悪さはなくなった。起き上がれると思って、朝食はトーストを食べたけど、結局動くとその後にめまいが襲ってくるので、ベッド生活をするしかなかった。しかし、食べることができるのはありがたい。この日は通常の4分の1くらいの食事量を取ることができ、状態が上向きになっていることが分かったので、精神的にも少し落ち着いてきた。

 

5分~10分くらいであれば、スマホも触ることができるようになったため、病名を調べ始めた。ここで「前庭神経炎」という名前に出会う。手のしびれなどがないので、脳卒中の可能性は低いだろう、ということで、病院に行くのはやめた。オーストラリアではすぐに専門医にかかることができない。ベッドからほぼ起き上がれない状態なのに、2か所の病院に行って英語で問診され、色々検査されることを考えるだけで、今の自分には無理、と思った。ただ、確かに最初の症状が外出先で起きていたら、救急車を呼んでそのまま入院、という流れしかなかったと思う。家で発症したのが、良かったのか悪かったのかわからない。

 

3日目の金曜日。前日よりも少しマシになっているような気がするが、やはり立って歩いたりすると、容赦なくめまいが襲ってきた。ただ、精神的にだいぶ落ち着いてきて、声も普通に出るようになってきた。子供とも会話できるようになり、自分の作業計画のこともあきらめがついた。長男が朝、学校に出かける前におにぎりを作ってくれたのがうれしかった。食事はいつもの半分くらいの量を食べられるようになった。

 

4日目の土曜日、普通に起きて食事をとれるようになった。体制を変えることがしにくいので、家事はまだ無理な状態。水曜日の午前1時に発症してからずっと夫がワンオペで家事育児を回している。次は夫が倒れるのではないか、と不安になる。私はそこそこ元気になってきたので、今度はずっとベッドで寝ているのがつらい。とはいえ動くこともできないし、スマホも30分見ていたら疲れてめまいが来る状態。音楽を聴く余裕はできた。日に日に良くなってきたのがわかるので、良かった。

 

そして5日目の今日。やっとパソコンが開けるようになった。まだ英語で論文を書くほどの集中力はない。とりあえず日本語のブログを書いてリハビリ。なぜこのような病気になったのか分からないが、気づかないうちにストレスがたまっていたのかもしれない。タイミング的には、火曜日は長男の小学校が約3か月ぶりに再開し、やっとフルタイムで勉強ができるようになった記念すべきハッピーな日。自由に使える時間が取れたことがあまりにもうれしくて、久しぶりに朝から大学の図書館に行って6時間みっちりと集中し、作業もいつもの倍以上はかどり、数か月ぶりの充実感があった。今まで2か月半、コロナのせいで研究に割く時間が半減し、半減した研究時間も常に子供がいる状態で集中しきれず、大幅に遅れが生じた。その分をこれから取り戻そう、とエネルギーに満ちて前向きだった。でもその日の夜にめまいが発症した。タイミングを考えると、精神的なことと何か関連があるような気がする。

 

明日は指導教官との定例ミーティング(Zoom)が予定されているが、朝、現在の状況をメールで伝えて、キャンセルか延期してもらおうと思う。まだ英語で論理的に話せる自信がない。でも回復してきているので、来週は少しでも研究活動に復帰できるはず。家族のサポートに感謝。普通に研究や仕事ができること自体がありがたいことだと改めて気づかされた。