40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。

在宅スタイルが定着してきた

小学校が休みになってから約3週間たち、24時間のほとんどを家族一緒に過ごしながら、私は博士課程の研究、夫は在宅勤務(在宅ワーク歴10年超のフリーランス)、息子二人は自宅学習(オーストラリアは秋休み中なのでほとんど遊びだが)、そして日常生活を回す、ということが、だいぶ定着してきた。前回の記事を書いたときには、かろうじて開いている大学の図書館で午前中の作業をする予定にしていたけど、そもそも大学からは自宅作業が強く推奨(highly recommended)されているし、私が大学に行くことを長男が不安に思っているようなので、今週は出来るだけ家で作業してみることにした(図書館に行ったのは1日だけ)。

 

在宅ワークを始めた当初、夫婦で半日シフトを組んでいるため、自然と研究に割ける時間は1日5時間程度になったが、今週は何とか7〜8時間/日の研究時間を捻出することができた。また、子供たちも当初は私が家にいると、珍しいためかちょっかいを出してきたが、ずっといると普通の状態になり、慣れてくる。今、私の研究時間は基本的に3つのブロックに分かれている。

 

スロットその① 早朝

時間帯:4:30〜7:00 2.5時間

状態:集中力100%、家族が寝静まっているので誰にも邪魔されない時間(たまに早起きの長男が6時過ぎに起きるが、一人でベネッセの教材をやったり本を読んだりする)

主な作業内容:既存研究パートの構想を練ったり、ライティングをする

 

スロットその② 午前

時間帯:8:00~12:00 4時間

状態:集中力80%、朝食後昼食までの間、夫が子供担当、私が自室もしくは図書館で研究する時間、子供たちがうるさいときもあるが、物理的な邪魔は入らずに過ごせる(ノイズキャンセリングイヤホンなるものを買っておけばよかった…)

主な作業内容:既存研究のリーディング、調子が良ければライティングを進める

 

スロットその③ 午後 

時間帯:13:00~17:00  うち0.5~2時間(日による)

状態:集中力20〜50%、夫が仕事、私が子供担当の時間、子供たちが大人しく遊んでいるときは自分のために時間を使えるが細切れで「片手間」の時間

主な作業内容:既存研究のリーディング続き、あとで読む文献の検索・ダウンロード

 

①→②→③と集中力がだんだん薄まってくる感じで、夕方になると頭がぼーっとする。それもあり、夕方はできるだけ外に出かけることにしている(エクササイズ目的で近所に外出することは禁止されていない)。30分から1時間程度、子供と一緒に散歩をしたり自転車に乗ったりして、気分転換。18:00から夕食調理、18:30から19:00ころから夕食、20:00に順次入浴(といってもシャワー)、21:00就寝(私と子供たち)という流れ。私が早朝作業している分、夫は21:00以降が1人で仕事できるゴールデンタイム(私のパターンの①にあたる時間が夫の夜、そして②と③は入れ替えになる)。もともと私は朝型で夫は夜型なのでちょうど良い。

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線路沿いにあるランニング兼サイクリングコースがとても良い

今週は、月曜日に隔週定期の指導教官とのミーティングがあった。指導教官、副指導教官、私の3名で初めてZoomで会議。Face to faceと比べるとどうしてもスムーズにいかないが、今できる最善の方法なので仕方がない。いつも通り研究の進捗報告、構成に対するアドバイスをもらった後、指導教官は学生の状況を大学側に報告することが求められているらしく、いくつかの質問を受けた。主には研究を進める上での障害についてと、メンタル面に直結する社会的生活について(孤独になっていないかどうか)。

 

それにしても、家からZoomに出るとその人の生活のバックグラウンドがなんとなく見えるのが興味深い。指導教官はおそらく一人暮らし。自宅にこじんまりとした素敵なオフィススペースをもっている模様。一方、副指導教官は私と年齢が同じくらいで小学生の子供が二人いる。ミーティングの最後の方で、「今こんな状態だよ」と言って、体を横にずらしたら、後ろでヘッドフォンをした旦那さんが背を向けて巨大なスクリーンに向かって仕事をしていた。正指導教官はそれを見て「その間にパーティションを付けたら完璧にオフィスだね」とコメント。そのとき金髪のかわいらしい女の子が後ろを通ったのがちらっと見えた。みんなこうやってそれぞれテレワークしてるんだな、とあらためて思った。

 

夫とシフトを組んで研究時間を確保しているので、物事の取捨選択がより厳しい優先順位付けにより変わってくる。予約していた様々なセッションは軒並みキャンセルさせてもらった。私の大学では、PhD学生は自分の領域をお勉強するための講義を受ける必要はないが(すでに基礎がある前提のため)、3年間の中でいくつか選択のコースを取る必要がある。例えば、リサーチスキルについてやアカデミアを含むキャリア開発関連、セルフマネジメント的なものなど。こういった講座が午前中に設定されている場合、その日の貴重な研究時間の大半が奪われるし、午後に設定されている場合、子供の相手をしながら数時間受け続けるのは困難(途中でワークが挟まれていたりするため)。来年のどこかで受ければよいものは自分の中で順延。一方、1年目に2つほど必修のクラス(社会学におけるリサーチスキル)があり、これは今年受けないといけない。再来週4日間ぶっ続け。イレギュラーなシフトを組んで対応するしかなく、この週は研究はほぼ何もできないだろう… 他にもあるZoomでのバーチャルMorning teaやHDRの交流会など、自分にとって必須ではないものはすべて欠席。バッサリと切り捨てる。

 

ソーシャルな関わりがリアルでもバーチャルでも減った分、増えたのは家族との時間。東京にいた時よりも子供との関係が良好になっている。明らかに自分がイライラしたり怒ったりする頻度が減っている。仕事はずっと好きでやっていたけど、経験を重ねてお給料も増える分、責任も次第に重くなり、気づかぬうちに時間的にも内容的にも大きなストレスになっていたことに改めて気が付く。じゃあずっと子供と家にいれば良いのかというと、自分は専業主婦には向かないタイプなので(前から薄々分かっていたが育休中に確信に変わった)、それはそれでストレスになり逆効果。今くらいがちょうどよいような気がする。博士課程は始まったばかりだけど、この後どういう生き方をしたいか、最近よく考えている。

 

子供たちもこの引きこもり生活に慣れてきた。兄弟二人でいるのが楽しいようだ。喧嘩もするけど仲良く遊んでいる時間も多い。今オーストラリアでは家族以外で三人以上が集まることは禁止されているため(二人までなら良い)、残念なことにお隣のイラン人の友達とも遊べない。息子たちはLaQで飛行機を作ったり、折り紙をしたり、塗り絵をしたり、とおとなしく遊ぶこともあれば、何が面白いのか私には全然わからないが、庭に穴を掘ってそこに水をためる遊びに没頭したり、アリの巣をほじくって騒いだり、草を引っこ抜いたり、植わっているパセリをかじったり、と何かしらやっている(ザ・男子)。

 

昨年まで住んでいた東京都心の狭いアパートと比べたら、まだ遊ぶスペースがあるだけ良い。ただ、デジタル関連に触れる時間は圧倒的に増えていて、ニンテンドーSwitchは一人当たり30分に決めているけど、他にも長男はこの休み中にパソコンでタイピングの練習を始め、次男はiPadで学習アプリを使い始めた。秋休みは今週で終わり、来週の水曜日から学校が始まるけど、基本的には自宅学習になる(親がどうしても家にいられない人やデジタル環境がない家庭の子供のみ通学可能)。どんな感じになるのかな。先生たちも在宅と通学の両方対応しないといけないから大変だろうな、と思う。