コロナウィルスによる小学校の休校から秋休みに突入し、私は博士課程をフルタイムで遂行することが難しくなっていることは前回の記事にも書いたが、ついにオフィスまで閉鎖になってしまった。
知らせが来たのは水曜日の夕方。HDR(PhDとMphil)の学生向けに、金曜日からオフィスは閉鎖になるので、木曜日中に必要なものは持って帰るように、と学部事務局からの突然の連絡。コロナウィルス対応に関しては、HDR学生向けの指針や対応が遅れているという批判が学内から出ていて、今週色々と動きがあったが、その一環と思われる。先週と今週、私は午前8時から12時過ぎまでオフィスで作業をして(子供はその間夫が家でみている)、昼にバトンタッチして、午後は私が子供をみて、夫が自宅で仕事していた。あとは自宅で隙間時間を見つけては論文を読み、塵も積もれば山となる作戦。HDR学生対して自宅作業が推奨されていたため、多くの人はすでに在宅に切り替えており、オフィスに来ていたのは私の他、隣の席のバングラディシュからの留学生。彼女は旦那さんが経済学部のPhD学生で、2歳の子供を週に何日か保育園に預けている。大学に来ているときは私とのSocial distanceを保つために、同じように閑散としている旦那さんのオフィスで作業してくれていたため、この2週間、実質オフィスには自分ひとりで、4時間と限られた時間ではあるものの、みっちりと集中できる環境があった。
こんな状況であったので、オフィスが閉鎖になることは、予想していたものの聞いたときショックだった。先週試しに半日自宅で作業してみたが、子供がうるさすぎて集中が途切れてしまう。ただでさえ短い時間で効率よく仕事したいのに、その短い時間の中でさえ集中できない環境は大きなストレスになる。さてどうするか。実は大学はほとんどの施設が閉鎖されているが、メインキャンパスのメイン図書館だけは、開館時間を大幅短縮して9時から17時まで開館している。今日は試しに図書館で作業してみることにした。あまりに人が多くて感染のリスクが高そうであれば、最後の手段としてやむなく自宅作業に切り替えるつもりで。
9時の開館同時に入館してみるとガラガラにすいていた。かなり広い図書館で作業スペースも多いし、あまり人がいなさそうなエリアは以前から特定していたので、そこで3時間半やってみた。100席近いスペースに最終的に私の他にあと2人座っただけなので、何とかここでしばらくは作業していける気がした。ほっと一安心。コロナウィルスの感染リスクを避けつつ、集中できる環境を少しでも確保することが必要なので、しばらく図書館通いをすることになりそう。願わくば8時から開いてほしいが、ぜいたくは言えない。
図書館の穴場作業スペース
この2週間、学部のHDRメーリングリストでいくつか不満と要求をぶちまけている人たちがいた。それらのメールを見ていて、実は自分も今回のコロナウィルスによる研究活動への影響を比較的受けている方なのでは、という気がしてきた。もちろん小学校の休校による子供の世話に研究時間が奪われているという点によって。メールのやり取りの中で、学生側から大学側に出されていた要望は、奨学金をもらっているが研究が十分にできないので奨学金の期間を延長してくれ、研究ができないからと言って奨学金を止められては生活できないので困る、というものがあったかと思えば、奨学金をもらっていない学生だってTAやパートタイムの仕事がなくなって経済的に困窮しているので、奨学金をもらっている人だけではなく公平に支援してくれ、という声が上がったり、子供の世話をしないといけないので研究が予定通りできないが休学制度はあるのか、その間も奨学金はもらえるのか、といったもの。
そこで大学からの答えは、すでにある休学制度や奨学金をもらっている学生のための有給休暇制度の利用も検討しながら、可能な限り(as far as possible)研究を続けてください、という内容だった。ちなみに今回初めて詳しく見たが、奨学金をもらっている人向けに「Paid leave(有給休暇)」制度がある。仕事みたいだな、と思うけど、確かに大学から2週間ごとに銀行口座に振り込まれる生活費としての奨学金には、いつも「Salary」と書いてあるので、給料のようなものなのかもしれない(大学からは別途学費免除の奨学金もいただいている)。これを知って、大学からお金をもらって研究してるんだから、もっとしっかりやらなくては、と思ったが、でもよく考えると自分として怠けているわけではなく、as far as possibleでやっているつもりだし、この時期、通常運行のフルタイムで作業できていないことについてこれ以上考えても仕方がない。
ちなみに大学HPでも公開されている奨学生の有給休暇については以下(抜粋)。私は留学生なのでビザの関係で取れない制度もあると思うが、該当するとなるとCarer’s leaveになるらしい。子供たちのCarerとして研究時間が削られていることは100%の確かさをもって主張できる(だからといって何にもならないから、ブログで吐き出している)。
ネガティブモードの内容になってしまったが、ストレスを受けながらも少しずつ研究は進んでいる。成果としては、Literature Reviewの最初の小さなブロックの初稿を書き上げた。4,000 words 超の分量。書いていてだんだん面白くなってきたが、いつも調子が乗ってきたところで昼になって時間切れ、強制終了。だからこそ、常に書きたい気分がたまって、毎日ポジティブに向き合えた(と思えば前向き)。今は次の小さなブロックに踏み出したが、さらっと済まそうと思ったところ、書き始めてみると結構深い沼になっていて、これは別の章を立ててもっとちゃんと扱うべきではないか、という気がしてきた(でもいつもの遡りグセかもしれない)。少し進んだかと思えば次の悩みが出てくる。ちょうど来週月曜日に指導教官とのミーティングがあるので相談してみようと思う。