一昨日の夜、長男と次男が通う小学校(日本語と英語のバイリンガル小学校)の「運動会」(別名Nihongo Sports Night)が開催された。そういえば、今オーストラリアの季節は秋になるのか。運動会という日本のイベントが、最初から最後までオーストラリア流で実行されて面白かった。
まず最初。運動会に関する事前情報がほとんどこない。学校から教えてもらったのは3つの情報。開始時間(夕方6時から)、場所(学校の近くの運動場)、子供に着用させる洋服の色(赤か白)だけ。どんなプログラムなのか、何時に終わるのか、という情報はなく、また持ち物の連絡や注意事項もなければ、参加するかどうかの出欠も取られなかった。子供に聞いても運動会の練習はしていないし、先生も何も言っていなかった、とのこと(英語が聞き取れていない可能性もある)。
大して情報が来ないということは、ゆるいイベントなんだろうな、と思って参加したら、やっぱりゆるいイベントで、これが結構楽しかった。日本と比較して良い悪いというのではなく、色々な面でギャップが大きいのが面白い。
ギャップその1、場所について。日本では子供は東京都心の小学校に通っていた。土地がないため、校庭は校舎の屋上にあり、土ではなくゴム製の地面で、校庭斜めギリギリいっぱい、やっと50m走のラインが引ける広さしかない。狭すぎて保護者が観覧するスペースがないため、保護者は体育館やピロティーで待機し、自分の子供の学年の競技の時に屋上に上がって立ち見するシステム。屋上に上がっても立ち見に十分なスペースはなく、自分の子供がどこで何をしているのかがわからない状態だった(写真を撮ることもかなわない)。これに対して、こちらの運動会はだだっ広い芝生の運動場。小学生、保護者、先生が入っても、広すぎてスカスカしていた。写真も子供の近くに行っていつでも撮れる。
次にプログラムの進行について。日本の小学校の運動会は、学年ごとに順番に競技があり、朝8時半くらいから15時くらいまでかかる。分刻みでプログラムが組み立てられていて、昼休み時間で全体の時間を調整する仕組み。子供たちが事前にこれでもか、と練習した成果を見せる場でもある(おそらく先生たちもかなり周到に準備をしている)。これに対して、こちらの運動会はそもそもプログラムが無い上、7つくらいの競技を同時進行するので、トータル1時間半くらいで終了と時間が短い。だだっ広い芝生の上で、ある学年は玉入れ、その隣でかけっこ、その隣でパン食い競争、後ろでは綱引き、奥では大縄跳び、といったように、オリンピックの陸上競技さながら、同じ場所、同じ時間に複数の競技が進んでいく。しばらく時間がたつと、特に混乱もなくそれぞれの学年が次の競技に移る仕組み。ローテーションの合図がかかるまで競技を続けるので、かけっこが往復になったり、綱引きを何度もしたりしていた。唯一の難点は、自分の子供が二人以上いると、次第に誰がどこで何をしているのかが追いきれなくなること。
日本と多少似ている点もあった。それは皆で行う最初のラジオ体操、子供の競技終了後の保護者、先生、6年生によるリレー、そして全校生徒のダンス。
開始時間の6時過ぎになって、「これから運動会を始めます」という挨拶の後、いきなり全校生徒のラジオ体操が始まっても、子供たちは慣れた風。バイリンガル小学校は随所に日本の文化を取り入れており、定期的にラジオ体操しているんだな、と思ったけど、音楽に合わせて一斉に体操する姿は、今年初めて学校に入った日本とは関係がないローカルの子供の親をびっくりさせてしまったのでは、と気になる(公立小学校なので地域の子供たちも普通に通っている)。
見どころ?のリレーは一瞬で終わってしまった。おそらく400mのトラックを80mごとに分けて5人で走ったのだと思われる。40代と思しき保護者の代表がアスリートなみの速さで走っているのを見て、改めてオーストラリアがスポーツ大国であることを思い知る。一瞬で終わったので、結局どういう結果だったのかもよくわからなかった。
最後の校長先生のあいさつはコンパクトでとても良かった。この運動会のために頑張った人たちそれぞれをたたえるコメント(Fabulousを連発)。ちなみに、まだサマータイム中なので、日没は8時頃。ちゃんと明るいうちに終了した。ゆるく見えて、先生と有志の保護者の方々が準備、片付けをしてくださったおかげで、スムーズな進行だったんだと思う。日本の運動会にある、6年生の騎馬戦や学年対抗リレーのような見ていて盛り上がるものはなかったけど、参加している人たち皆が和気あいあいと楽しむイベントだった。
おまけ