40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

国際運転免許証はライセンスではない

海外で生活をしていると、日本とは勝手が違って戸惑ったり、手間が余分にかかることで時間を無駄にしたり、思っているようにことが進まないことは色々とある。昨日の朝、Victoria州の運転免許を取得しようとしてこの壁にぶつかった。

 

オーストラリアの運転免許は州ごとに管理されており運用ルールも異なる。メルボルンがあるVictoria州では2019年10月からルールが変わり、州内で日常的に運転したい人は、ビザの種類を問わず渡豪して6か月以内にVictoria州の運転免許への書き換えが必要ということになった。そこで、日本で取得した国際運転免許証を携えて書き換えのためにVictoria州の運輸局(Vic Roads)に出向いたところ、書き換え不可、と却下された失敗談。

 

何が悪かったのか。今回の発見は、日本で発行される「国際運転免許証」はVictoria州ではLicenceとして認められていない、ということ。絶対に必要なのは日本で発行された日本語の運転免許証(これはLicenceとして認められるらしい)。それでは「国際運転免許証」とは何か。答えはPermit。効力として、Licence>Permitという図式のようだ。日本語で「免許」や「免許証」と言うものでも、英語ではLicenceとPermitに違いがあるらしい。

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これはLicenceではないので、日本の免許証(Licence)とセットじゃないと有効ではない

Vic Roadsで手続するために、2週間前にオンライン上で申し込みして(アポイントメント費用19ドル:免許取得費用とは別に徴収される)、いざ、夫とともにVic Roadsの事務所に出向いた。順番になって窓口に呼ばれて、Victoria州の運転免許証を取得したい旨、担当の職員(同じくらいの年齢の女性だった)に告げて、申込書、パスポート、住所証明、国際運転免許証の書類一式を提出したところ、「Where is your licence?」と言われた。国際運転免許証を見せて「This is my driving licence」と言うと、「No!This is not a licence. This is a permit. How can I issue you a licence without your original licence!?」というようなことを早口で一気にまくしたてられて、一瞬「。。。」となってしまった。

 

指摘されて初めて気が付いたけど、日本語では国際運転免許証と書かれているが、英語では確かにInternational Driving Permitとなっている。窓口の方は女性だったが、朝にも関わらず何かイライラしており、その後も「あんた、ちゃんと必要書類を読んだのか?Licenceがないのに私にLicenceを発行させるというのはどういう考えで来たのか?Permitなんか持っていても運転はできないから!」みたいなことを強い口調で言ってくる。私がチェックしたVic Roadsのページを携帯で見せると、「うーん」と少し考えてくれたが、結局ダメだった。Vic Roadsの表記はこちら。私の英語力の問題かもしれないが、わかりにくいと感じた。

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2点目が問題の表記

ここにはオリジナルの(英語ではない)免許証を持ってこいとは一言も書かれていない。英語で発行された国際運転免許証がCurrent overseas driver licence in Englishだと勝手に思い込んだ自分のミスだが、「国際運転免許証」がこんなに効力がないものだとはガッカリ。。実は、日本の免許証は日本でしか使えないものだと思い、銀行の通帳や実印など、無くしたくない&日本に一時帰国した際に使用する重要書類一式とともに実家に預けてきてしまったので、今自分の手元にはない。19ドル支払って、わざわざ運輸局まで足を運び怒られに行ったと思うと、悲しくなってしまった。ちなみに夫は行きに成田空港まで運転したこともあり、日本の免許を携行していたので、無事手続きが済んだ。国際運転免許証は日本の運転免許証の翻訳くらいの位置づけで確認していた模様。夫が日本の免許証を持ってきていなかったら家族共倒れでアウトだったので、最悪の事態は避けられた。3年か10年か期間を選べるので、夫は3年で申請した(当然費用も異なる)。10年って日本の感覚からすると長い。日本の免許の有効期限が切れても一度発行して貰えばこちらの期限内は使える仕組みのようだ。

 

夫からは「まあ、運転はしなくていいんじゃない」と言われた。確かに今すぐ運転する必要性はないけど、そのうち運転するかも、と思っていた。しばらくあきらめるしかない。ペーパードライバーの自分がこちらのスピード運転に慣れる前に事故にあう危険性を回避できた、と無理やりポジティブに考えてみるものの、久しぶりに叱られた(もっと言うとなぜか敵意を向けられたように感じた)ことで気持ちが落ち込んだ。

 

その後、大学に行ってカフェでコーヒーを飲んで気持ちを切り替え、図書館で本を借りて、ライティングを少し進めた。まだまだ新しいことが多くて慣れない。自分が望んだこととはいえ、自分の生まれ育った国とは違う国で生活するとスムーズにいかないことがたくさんあって、時に嫌な気持になってしまう。でも全体を通して考えると、今のところ日本に帰りたいと強く思うことはない(というよりも、オーストラリアに来ていなかったら、今頃アメリカにいるはずなので、そもそも日本にいるという選択肢は自分にはなかった、と思っている)。何とか前向きにやっていくしかない。

 

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