40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、フルタイムで働きながら博論執筆中。

博士課程の学生としての1日の過ごし方

先週引っ越しが済んで、ようやく博士課程の学生としてのフルタイム生活が始まった今週。1週間過ごしてみたが、まだ生活リズムをどのようにして作るか、試行錯誤中。今週のトータル作業時間は、おそらく30時間に満たない。時間だけ見ると実はまだパートタイム学生。理由の一つに2月中の水曜日は次男の学校が休みなので平日なのに休日のようになってしまったことがあるが、まだ最適なリズムが作れていないのが原因。

 

私はもともと早寝早起きで生活リズムをきちんと作ることが性に合っているタイプだが、子供が生まれて世話をするようになってから、ますます毎日のリズムをきちんとすることが必要になった。今のところフルタイムで仕事をしていたときのリズムになるべく近づけていくのが自分にとっての理想形と思っている。それは1日の稼働時間が8時間程度。家事等で家族に奉仕する時間も労働時間としてカウントすると、大体10~12時間が平日1日当たりの労働時間になる。

 

1週間やってみて、これが今のところ最適かな、と思うのは以下の形。

 

5:00 起床、研究(家で)

7:00 朝食と子供のランチ準備、朝食、片付け、支度

8:30 大学に出発(自転車)※同時に夫が子供を学校に送っていく

8:45 大学に到着、コーヒーをいれたり一息つく

9:00 研究開始

12:00 昼休憩

13:00 研究再開、途中30分程度休憩を入れる

16:45 大学から家に向けて出発(自転車)

17:00 帰宅、子供との時間&自分の自由時間

18:30 夕食準備

19:00 夕食

20:00 家族団らん、風呂(シャワー)

21:00 子供と一緒に就寝

 

実は今週、この通りにできた日は一日もないけど、金曜日の今日はこれに近く過ごすことができた。子供の送り迎えや洗濯は夫が担当、食事関係は私が担当、というのは、東京で過ごしていた時と大体同じ。違うのは自分の通勤(通学)時間が少なくて済むことと、子供の帰りが東京にいた時よりも早いので、子供との時間を多く取る形になっていること。

 

今は文献のリーディングがメインの作業になっているが、自分の脳が集中して英語文献を読めるのが、まだ1日の中で4~5時間。これも月曜日は3時間くらいで脳がギブアップしたのが、少しずつ伸びてきているので、継続すればもっと伸びると思う(そうならないと困る)。今週はページ数でいうと200ページちょっとくらいの英語文献を読んだ。日本語なら1日もかからずに読める量だが、修行中なので仕方ない。頭が疲れてもうこれ以上英語文献が読めない、となった時には、時間を無駄にしないために日本語の文献にシフトして読むようにしたり、関連するセミナー動画を視聴したり、大学から受けろと言われているオンライン講座を受講している。

 

多分自分が研究に充てる時間は、平均的な博士課程の学生よりも少ない。でもそれは仕事をしている時も同じで、私は会社の中で勤務時間が少ない管理職のかなり上位にいたと思う。年を取ったことで体力が落ちて集中できる時間が減っていると感じる一方、仕事をしていて感じたのは、1日の中で仕事にかける時間とアウトプットの質はあるポイントまでは比例するが、その後は反比例するということ。大事なのは100%集中する時間をどれだけ持てるかと、閃きや直感が働くための適度なプレッシャーがあることと脳味噌に余地が残っていること(ため息やあくびがでない状態)。これがわかってから、自分にとって一番パフォーマンスが上がる状態を継続することが組織にとっても自分にとっても良い形と信じて、子育て中だからとあまり恐縮せず、他人(特に同じマネージャーポジションの人)と会社に物理的にいる時間の長さを比較をして、時間が短いことをマイナスに捉えないようにしてきた。ただ、博士課程という自分にとって未知の世界でこれが通用するかどうかはわからない。これで良いのかやはり気になってしまいGoogle検索したら、とんでもないデータが出てきて怖くなった。

 

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大学生及び大学院生の研究時間とメンタルヘルス という研究から抜粋

https://www.slideshare.net/atsutoonoda/ss-135514779

 

N数が少ないとはいえ、労働基準法内に収まっている博士課程の学生の割合が0%って… 過労死レベルで研究しているのが実態というのは、いくら好きなことをやっているからとは言え異常な気がする。素朴な疑問として、この時間のうち、100%集中できているのは何割くらいなんだろう?これに耐えられるくらい身体と頭の両方がタフな人でないと博士号が取れないとしたら、普通の人より体力がない40代の中年女性の自分は土俵にすら上がれない。これは日本の理系の学生をサンプルにしているので、海外大学院で文系の自分とは違うとは思うが、色々な点でショッキングな結果だった。

 

これからおそらく研究のフェーズが変わったり、授業が入ってきたりするとまた変わるんだろうけど、自分にとって何が合うのか、ひとまずこのリズムでしばらく過ごしてみようと思う。

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昨日から専用のオフィススペースも使えるようになった