40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。

会議で自己紹介、図書館でリーディング

昨日は朝9:30から、所属する学科のスタッフミーティングで指導教官の先生が他の先生たちに私のことを紹介してくれる予定になっていた。自転車で9時過ぎに大学に到着、中途半端に時間があったので、図書館の中を散策した。まだ学部が夏休み中のせいか、ほとんど学生がいなくて、静か。電源付きの机やソファー、打ち合わせスペースがたくさんあって過ごしやすそう。時間になったので、社会学部の会議室に向かった。

 

今更ながら、私が所属する学科はHuman geographyと言うようだ。大学のWebsiteを確認してみたところ、社会学部の中でも小さな学科で、所属する先生は10名以下。会議を取り仕切っていたのは私の副指導教官の先生だった。冒頭に自己紹介させてもらったところ、別の先生から「日本にフォーカスした研究をするのか?」という質問があった。先日と同じく、「日本に特徴があることがわかってきたらそうするつもりです」と回答。

 

自己紹介の後、そのまま会議を聞いていても、退室してもどちらでも良い、と言われたので、しばらく聞いてみることにした。大学の先生たちの会議がどんなものなのか興味があったので。しかし参加者全員がネイティブスピーカーの会議であり、内容も全く知らないことなので、正味半分くらいしか意味が分からず、残念な気持ちになった。IELTS7.0なんてこんなもんなんだな。がっかりしたが、仕方ない。これが現実。

 

わからないなりにも興味深いテーマもあった。大学の内情も含まれるため、ブログにはあまり詳しく書けないが、研究者として論文を投稿すべきJournalについての話題。1つ目の観点は論文投稿するジャーナルの質について。Impact factorがどうの、ISIがどうの、citationの数がどうの、と言う議論。もう1つはHuman geographyの領域について。Human geography はMulti disciplinaryで、climate changeの研究をしている先生もいれば、migrationの研究をしている先生もいるため、投稿するJournal がバラバラの模様。私自身、社会学を正式に学んだこともなければ、Human geographyという学問についても全く知らない。今回自分のやりたい研究テーマに近い先生を探したら、その先生の所属先がHuman geographyだったという流れなので、寄せ集めの学科になっていることは想像がつく。

 

話を聞いていて、学問の分類って何だろうな、とふと思ってしまった。社会学は社会の変化に合わせて範囲や内容も変わってくるはずなので、古い枠のままにしていると、実態と学問の名称が合わなくなるのかもしれない。

 

そんなことを思いながら、アジェンダがさらによくわからない内容になってきたので、会議は途中退席した。その後、早めに大学内の食堂で昼食をとり、図書館へ。まだオフィススペースがあてがわれていないので、図書館で作業をしてみることに。学費と奨学金に関する事務的な手続き、EndNoteへの文献登録を行った後、リーディングに着手。

 

月曜日に指導教官の先生と話をしたとき、私が博士論文についてピンと来ていないので、見本として先生が15年前に書いた自分の博士論文を送ってくれた。手始めにこれを読み始めてみた。まだアブストラクトとイントロしか読めていないが、読み物として面白く、引き込まれる。先生が当時持っていた問題意識やパッションに共感できるし、その頃、私は日本にいたが同じ分野で実務に取り組み始めていたので、書かれていることはよく分かる。自分がネットのサーチでこの先生を見つけられたことの偶然(必然?)について考えたりした。先生の博士論文を読みこむことで、ストラクチャのイメージを持ちつつ、実際に私の研究テーマと重なっている部分については、(多少古いが)参考文献が参考になる。

 

そんなことをしながら、図書館のデータベースにもアクセスしてみた。自分が研究計画書を書いていた時は、自腹で契約していたDeepDyveというサービスに登録されている論文しか読めなかったが、今はほとんど何でも読める。面白い論文も見つかった。知識を増やすだけでなく、各論文がどんなTheoryやApproach、分析手法を使っているのかも気にしながら読んでみると良い、と先生からアドバイスをもらったので、その視点で読むと、内容全体はわかるが、Theory等は全く知らないことに気が付いた。これはどういう意味だ?といちいち調べていると時間がかかるが、必要なプロセス。やっぱり自分はゼロからのスタートなんだ、とここでも再認識させられた。

 

昨日も夕方に賃貸物件の内覧を予定していたので、15時前に大学を出る。帰路自転車をこぎながらふと感じたこと。会社勤めしていた時は毎日100通前後のメール(Ccも含む)を受信し、出社すれば打ち合わせが入ったり、電話がかかってきたり、各方面いろいろな人から相談を受けたりと、他人との関わりの中で毎日の時間が過ぎていったが、今は家族以外誰も私のことを頼ってこないし、メールも1日5通しか来ない。あれだけ隙間なく埋まっていて身動きが取れないほどのスケジュールも今はほとんど真っ白。この変化はものすごく大きい。住む国が変わったことよりも、自分の立場が変わったことの方がインパクトがある。

 

1カ月少し前までは、こぎれいなワンピースを着て、ヒールの革靴を履き、都心の地下鉄に乗って高層ビルの最上階のオフィスで仕事していたのに、今はジーパンにスニーカー、リュックを背負い、サングラスをかけヘルメットをかぶり自転車で大学に行っている。この選択をしたときに周りの人からは「思い切ったね」と言われたけど、確かに思い切ったことをしたような気もしてきた。

 

自分の自然な気持ちに従って行動してみた結果だが、冷静になってみるとなかなか大きな変化に直面している。それは私だけでなく巻き込まれた家族もそう。早くこの生活に慣れたら良いな、と思いながらも、それは時間が解決することでもある。リーディングを始めてみて、自分が無知なこと、ペースが掴めていないこと、使える時間が思ったより少ないことに焦りを感じたが、今目の前にあることに一生懸命取り組めばそのうち何とかなる、なるようになる、と考えるしかない。

 

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図書館のカフェもガラガラでリーディングに持ってこい

 

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大学の図書館の日本語研究コーナーに100冊以上の絵本発見!私が子供の頃に好きだった絵本もいくつかあった