40代からの博士課程留学

41歳でオーストラリア・メルボルンで博士課程留学(社会学)を始めた自分、現地小学校に通う子供のこと、家族での海外生活などを綴る。2023年3月帰国、11月に博士号取得。現在は東京にある外資系企業で勤務。

IELTSを受験する 第1回目

2018年10月に人生初のIELTS受験。場所は四谷三丁目の駅からすぐ近くの貸会議室。集合時間よりも少し早めについて、荷物や上着を預ける。会場に持ち込めるのは、パスポートと水のボトル(ラベルを外したもの)のみ。JSAFの会場の場合は、筆記具は提供してもらえる。

 

会場はざっと見て100名程度がいたように思う。思ったより小さな会場。年齢層はやはり若い人が多く、ひょっとして自分が最年長かな、というくらい。男女比は女性が少し多いように感じた。

 

時間になると試験官が英語で説明を始める。避難経路や筆記具の使い方など。与えられた筆記具はロケット鉛筆。自分が小学校のころにはやっていた文房具なので懐かしい。最近の人は知らないためか、ロケット鉛筆の使い方も説明していた。それと小さな消しゴム。使い勝手は普通。

 

最初はリスニングから始まる。一通り準備していったためか、まあまあの手応え。ただ、自分に苦手な設問があることが分かった。それは地図の場所の説明を聞き、どこに何があるのかを答えるもの。自分は自他ともに認める方向音痴。おそらく日本語でも混乱するような内容を英語で言われるので、内容は聞き取れても地図を見ると全然わからない。困ったものだ。次回はきちんと対策しないといけない、と思った。

 

次はリーディング。記憶が薄れてきてしまったが、テーマはそんなに難しいものがなかった気がした。内容は歴史・文化系のテーマ、自然科学系のテーマ、などバランスよく用意されており、当然自分に基礎的な知識があるものは理解が早い。こういったところは年を取っている分知識が幅広く、若い人よりも有利な気がした。リーディングの対策はいろいろとあると思うが、私の場合は設問をざっと見た上で、記事を最初から最後まで通しで読む。かなり長いので、細切れに読むよりもざーっと集中して全体を読んで、何を言っている記事なのか、自分の中の知的好奇心を動員して興味を持って読むようにすると内容が頭に入る。一通り読んだ後に、設問に一つ一つ答えていく。いまいち自信が持てない回答にはマークをして置き、最後に余った時間でもう一度じっくりと考えられるようにした。リーディングはかなり手応えがあり、スコア的には問題なさそうだった。

 

3番目はライティング。これが苦戦した。Task1は表形式の問題だった。世界各地のフルーツの生産量が記載されている表で、その傾向をまとめよ、というようなもの。グラフ問題の練習は事前に2~3回していたものの、表形式の問題が出たので面食らって、適当に書いてしまった。Task2は観光についてのテーマ。自治体の中に歴史のある重要な観光スポットがあるが、訪れる人が少ないという課題があり、それはなぜか、どうしたらよいか、みたいなお題。これも何となく思いつくままにだらだらと書いてしまったように記憶している。

 

ここまでで試験はいったんお開き。午後はスピーキングなので、個々の時間に合わせて受けることになる。JSAFで早めに予約をするとスピーキングの時間希望を提出できるが、私はギリギリの予約だったため希望時間の提出はできなかった。そのためか、最後の方(確か16時くらいから)になってしまった。時間が3時間以上空いてしまうため、一度自宅に帰って休むことにした。

 

初めてのスピーキング試験は残念な結果だった。まず教室に入って面接官の雰囲気が良い感じがなかった。夕方で多くの受験生の相手をして疲れているのかな、という感じ。白人の若い男性(20代後半くらい)。まず自己紹介についていろいろと聞かれるが、私がスピーキングの試験が初めてで要領がわかっていないこともあるが、最初の自己紹介的なパートで少し長めに話すと露骨に嫌そうな顔をする。いくら試験とはいえ、人と人の会話のマナーがなっていない若造だと思ってしまった。例えば、仕事は何をしているのか?という話での説明や、なぜその仕事を選んだのか、など、普通に聞かれたらこれだけで2~3分話す内容であるのに、途中で遮ろうとしたり、イライラした顔で自分の腕時計をチェック。まあ試験問題集にある内容なら仕方がないのだろうが、「近所にどのようなレストランがあればよいと思うか?」みたいなどうでもよいような質問を聞いてきたりする。私も途中で「はあ?別に希望はないです。」と答えてしまい、あまり良い流れを作れなかった。

 

そしてスピーキングのお題も「えっ?」というもの。内容は「あなたが挑戦してみたいcompetitionは何か?そのcompetitionの内容となぜ参加したいのかの理由を述べよ。」といったようなテーマ。テーマを見た途端「ハズレのテーマだ…どうしよう。」となってしまった。私はスポーツも特にしておらず、芸術系も何もやっていない。参加したいcompetitionなぞ存在しない。でも試験なので、「ありません。」答えてしまえばそこで終わり。何とかひねり出さねばならない。そこでひねり出した答えが、English speech competition。作り話するにしてもこれが限度。自分は英語のスピーキングスキルを向上させたいと考えており、そのためにはcompetitionに参加することが一つの目標になる。テーマを決めてそのために準備をし、大勢の前で自分の考えを英語で発表することで、自分のスピーキングスキルを向上させたい。みたいなことを言うのが精いっぱい。

 

自分でもダメだったのがわかるので、がっかりしてしまった。IELTS甘くない…

 

第1回目のスコアは以下の通り。

Listening 7.0

Reading 8.5

Writing 6.0

Speaking 6.0

Overall 7.0

 

Overallは7.0で入学に必要なスコアをクリアしているが、すべてのカテゴリーで6.5をクリアする必要があるため、この結果は使えない。ということで、第2回目を受けることが決定してしまった。ひょっとして1度で行けるかも、という淡い期待を持っていたが、そんなに単純にはいかなかった。ListeningとReadingは対策不要、今後限られた時間でアウトプット系であるWritingとSpeakingを何とかしていかねばならなくなった。