Research degreeへの出願書類のうち最重要だと思われるResearch proposal(研究計画書)。これがきちんとかけていなければ、大学院に入ってから当然躓く。私の場合、いざ書き始めようと思って着手をしてから、最終化するまで、なんと5か月かかった。例えば、今修士の学生をしていたり、もしくは仕事をしていても子供がいない、という状況であれば、こんなに長くはかからないと思う。
私の場合、平日はフルタイムの仕事をしている上、小学生と幼児(保育園児)がいるため、週末も自分の時間がほとんどない。集中する時間がなかなか取れないのが一番大変だった。具体的には、毎朝5時頃に起床し、そこから6時半くらいまでの時間を使う。日によっては仕事が溜まっており、この朝時間を仕事に使うこともあるので、毎日ではない。
週末は夫にお願いして半日子供を連れだしてもらい、自宅で3~4時間集中する時間を確保することもあった。とにかく、このペースでいつ終わるかわからない研究計画書に着手した。
次に大変だったのは、英語で文章を書くこと。修士の時は嫌というほど書いていたが、そこからブランクが15年以上あった。読むことはできても書くことができない状態。このため、まずは日本語で自分の考えをまとめ、それを英訳していく形にした。
研究計画書の書き方、というのはネットでいろいろな大学が出している形式を調べながら、おおむねオーソドックスな以下の項目を網羅することにした。
・Introduction(もしくはBackground)
・Literature review
・Research question
・Research plan
・Reference
参考にしたサイトの例(オーストラリアの大学のもの)
https://www.monash.edu/rlo/graduate-research-writing/write-the-thesis/writing-a-research-proposal
https://www.murdoch.edu.au/study/research-students/your-research-project/choosing-a-research-topic
私の場合、Research questionは複数の案を書き留めており、また英語としても難しい部分ではないため、これを一番最初に書いた。そのあと、Research plan。3年間で終わるように、TimelineとTo Doを自分で組み立ててみた。このあたりは難しくないパート。
一番苦労したのは、Literature review。要は既存研究の整理のパート。ここをしっかり書くこと自体が研究に片足突っ込み始めた感じがするし、しっかりかけていないとResearch degreeへの準備ができていないことになる。また、だらだらと書いてもきりがなく、自分が研究したいテーマの周辺の文献をいくつか読み、論を整理していく必要がある(と考えた)。
いくつかの書籍や論文を地道に読みながら、また気になるキーワードに日々アンテナを立てながら仕事をし、情報のソースを少しずつためていっては、メモを取り、といったことの繰り返しで、ドラフトを作成していった。
仕事で英語を使う場面はあるが、アウトプットはメールとパワーポイントの作成くらいなので、ワードに文章を組み立てていくような作業は本当に久しぶり。ブランクが大きすぎて、思いのほか大変なパートだった。また、仕事上での英語と大きく異なり、出典や引用についてもアカデミックのルールに従う必要がある。このあたりも修士の際に一通り習ったのだが、すっかり忘れており、再びルールをネットで調べてフォローした。
論文はすべて英語で読んだが、書籍についてはもともと英語で書かれた書籍を翻訳したものを読んでいたケースもあったため、このResearch proposalのために、わざわざ原書をAmazonで購入することもあった。引用しようと思うと、本当に英文で何を言っているのかを調べないと誤った引用の仕方になってしまうし、そもそもページ番号が違うのでReferenceできない。
2018年8月に着手したResearch proposalのFirst draftが完成したのは、なんと12月。季節が夏から冬になってしまったことに自分でも愕然とした。ただ、途中であきらめずに早朝や週末の時間を使って5か月かけて進めてきたことで、自分は本当に大学院に行きたいんだ、という意思を自分で確認することができた。